出陣前の3日間は「夜の生活」禁止!戦国時代の合戦のとき、武将はどうしてた? そして軍の最下層「足軽」の驚きの実態とは
*TOP画像/小一郎(仲野太賀) 藤吉郎(池松壮亮) 大河ドラマ『豊臣兄弟』4話(1月25日放送)より(C)NHK
『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は戦国時代における「合戦」について見ていきましょう。
戦場は生と死の世界への門出であり、命を賭けて赴く場所……出陣の作法とは?
戦国時代、各大名家によって合戦に挑む武将には禁忌(タブー)が定められていました。例えば、出陣前の3日間は禁欲的に過ごすとし、夜の生活も禁止する大名家もありました。
日本における出陣作法や軍法は中国の陰陽道思想の延長線上にあり、中国の古典的な兵法書として知られる武経七書(『孫子』『呉子』など)は、『訓閲集』とともに日本の兵家陰陽道の基になっています。
合戦において吉凶は重視されており、日時、天文・気象学、時取、方角、軍略、陣立について吉凶とのかかわりの中で考えられていました。
また、映画やドラマでよく目にする出陣前の盃(さかずき)は、史実においても重要な儀式でした。出陣の盃には細かな決まりがあり、吉を招く動作が取り入れられていました。膳は南向きで、打ち鮑、勝ち栗、昆布を肴に酒をいただくことで、心身を清めていたのです。食べる順番も決まっており、鮑を口にしてから酒を飲み、次に栗を食べて酒、そして昆布を食べて酒という流れが一般的でした。また、盃と肴は常に平行に持ち、傾けることは決してありませんでした。
兵は武器をむやみやたらに振りまわしているだけではない!?
戦国時代といえば、合戦において武将や足軽らが敵に向かって突撃していく姿をイメージする人は多いと思います。彼らはそれぞれの考えに基づき、敵と無秩序に戦っているようにも見えますが、合戦にはルールがありました。
「えい、えい、おう!」という鬨(とき)の声が上がると、戦が始まります。戦は以下の手順で一般的に行われました。
①矢合わせ:鏑矢(かぶらや)を合図に、弓隊が弓を放ち、敵陣に矢を降り注がせる。敵の数を少しでも減らすことを目的としている。
②長槍隊による叩き合い・つつき合い:長槍隊の多くが足軽であり、彼らは農民をはじめとする一般人。長槍隊の最大の役割は敵の態勢を崩すこと。柄の長い武器は敵を遠方からでも攻撃でき、刀では届かない騎馬隊にも攻撃を加えるのに適していた。足軽が用いた槍は3.6mから5m程度の長さがあった。
③騎馬兵の投入:敵の態勢が長槍隊によって崩れたら、騎馬兵を投入する。戦は乱戦へと移行。
④退却・総大将の討ち取り:どちらかの軍が退却するか、総大将を討ち取るまで戦は継続。退却を決めた側は勝利を手にした敵軍を背にして退くが、退却時にも危険をともなう。軍の最後尾を守る殿(しんがり)は、仲間を逃がすために命懸けで役割をまっとうした。織田信長が戦った金ヶ崎の戦いでは織田軍を守るために、殿を務めたのが豊臣秀吉(当時の名:木下藤吉郎)。
足軽間でも格差実感 足軽は戦の勝敗を握るキーパーソンだが、悲惨すぎる待遇
『豊臣兄弟!』の4話には、小一郎(仲野太賀)と藤吉郎(池松壮亮)が織田信長(小栗旬)の命令のもとで桶狭間の戦いに参戦するシーンがありました。躊躇する小一郎を心配しつつも、迫力満点のこのシーンにまばたきも忘れて見入った視聴者は多いのではないでしょうか。

小一郎(仲野太賀) 藤吉郎(池松壮亮) 大河ドラマ『豊臣兄弟』4話(1月25日放送)より(C)NHK
小一郎と藤吉郎は軍の中でもっとも身分が低い足軽として参戦していました。足軽は武将のような豪華な装備はなく、軽装で、槍を持って参戦していました。
槍の扱いはさほど難しくなく、戦闘初心者も比較的扱いやすいといわれています。敵に対し、水平にしごくのが正しい方法とされ、敵に近い方の手を柄に添え、石突(槍の尻)近くを握ったもう一方の手を前後に早く動かし、穂を出入りさせます。
ただし、槍の正しい扱い方が分からない兵もおり、こうした兵たちは槍をひたすら振り回していました。
※小一郎が兄・藤吉郎から贈られた刀を持って出陣していたように、足軽であっても戦場では刀の携行が認められていました。
足軽の重要な役割は合戦のはじめにありました。敵を槍で叩いたり、足を払ったりして、相手の態勢を崩し、そのうえで、敵を突き刺す役割を担っていたのです。
足軽はこのように重要な役割を担っていますが、かれらの待遇は心許ないものであり、足軽間でも格差を実感させざるを得ないものでした。武具・防具は基本的に自ら用意(※レンタル有り)しますが、武具を用意できない人は鎌(かま)、鍬(くわ)などの農具を持参していました。
さらに、足軽は銅丸という装いが一般的でしたが、お金があまりない人は腹部の鎧の面積が小さくなります。鎧の面積が大きければ命を守れる確率もそれだけ高まりますが、身の危険度は経済力によっても大きく左右されたのです。
本編では、戦国時代の合戦における出陣の作法や、足軽たちが担っていた役割と過酷な現実についてお伝えしました。
▶▶「サル」が「秀吉」に変わった瞬間! 戦場に置かれても仇を討たないという選択、「嘘をつかない」生き方が導いたものとは【NHK大河『豊臣兄弟!』4話】
では、桶狭間の戦いを舞台に、戦場に残された女性たちの思いと、仇を討たないという小一郎と藤吉郎の選択がもたらした結果を振り返ります。
<参考資料>
小和田哲男『戦国 戦の作法』ジービー、2018年
西ヶ谷 恭弘 『戦国の風景 暮らしと合戦』東京堂出版、2015年
NHK出版(編集)『NHK大河ドラマ 歴史ハンドブック 豊臣兄弟!: 豊臣秀長とその時代』NHK出版、2025年
スポンサーリンク
【注目の記事】
- 女性の多くが経験する「尿トラブル」、家庭で効率よく向き合うケアアイテムが新登場! 骨盤底筋専用EMS「SIXPAD ペリネフィット」
- 細リブニットで作る大人の甘辛モノトーンと体型カバー法【40代の毎日コーデ】
- 必要なのは「努力」ではなく「適切なギア」と「正しい数値化」でした! ゆらぎ時期の54歳がガーミンのスマートウォッチで「睡眠・生活の質」を爆上げした話
- 「勝手にトイレ入るな!」と連れ子をいじめる偏愛夫(38歳・公務員)。再婚→また離婚…夫の「仕事上の弱み」を把握すれば、実子の親権も養育費も得られる!?
- わずか小さじ1杯!女性ホルモンの“悪い代謝”を”よい代謝”へ導き、数日で細胞が1カ月で肌が若返るオイルとは?美人女医の実践方法も取材【消化器内科医監修】
スポンサーリンク













