「サル」が「秀吉」に変わった瞬間! 戦場に置かれても仇を討たないという選択、「嘘をつかない」生き方が導いたものとは【NHK大河『豊臣兄弟!』4話】
*TOP画像/小一郎(仲野太賀) 直(白石聖) 大河ドラマ『豊臣兄弟』4話(1月25日放送)より(C)NHK
戦国時代のど真ん中を舞台にした『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の主人公は仲野太賀が演じる豊臣秀長。兄弟の絆で“天下統一”という偉業を成し遂げた豊臣兄弟の奇跡を描いた大河ドラマ『豊臣兄弟!』(NHK総合ほか)の第4話が1月25日に放送されました。40代50代働く女性の目線で毎話、作品の内容や時代背景を深掘り解説していきます。
歴史パート▶▶出陣前の3日間は「夜の生活」禁止!戦国時代の合戦のとき、武将はどうしてた? そして軍の最下層「足軽」の驚きの実態とは
家に残された女たちのつらさ
桶狭間の戦いを描いた本放送では、織田信長(小栗旬)率いる織田軍と今川軍が激突する迫力満点の戦闘シーンが最大の見せ場でした。そうした中で、筆者が心に残ったのは、戦場(いくさば)に大切な人たちを送り出す女性たちの存在でした。
信長が幸若舞「敦盛」を舞う姿は雅で、美しく、見惚れた視聴者も多いと思います。しかし、実の家族である妹・市(宮崎あおい)は視聴者とは別の思いで見ていたと思います。戦場にこれから向かう兄が舞う姿を見つめる表情には不安が表れていました。また、兄が城を出る際には「ご武運を」と言葉を贈りながらも、その目には心細さと心配の色がにじんでいました。
こうした家族との別れは、織田家臣・浅野家でも同様でした。父・長勝(宮川一郎太)が「大きな武功を挙げてまいる。楽しみに待っておれ」と威勢よく言い放つのに対し、娘・寧々(浜辺美波)は「どうか ご無事でお戻りください」と、心配を抑えきれず、涙ぐみながら伝えていました。寧々は父が大手柄を上げることよりも、ただ戻ってきてほしいと願っていましたが、そうした思いを口にすることが許される時代ではありません。
また、直(白石聖)は小一郎に心の奥底に秘めていた“侍になって下剋上を果たしたい”という野心を気づかせた存在でした。それでも、小一郎の参戦は手放しで喜べるものではなく、出陣の見送りでは“いつもどおりに振る舞うことで、いつもどおりに帰ってくる”と自分に言い聞かせ、あえてあくびをしていました。
武将にとって戦は命に値するもので、家臣にとっては主君のために命を投げ出すのが当然とされる時代でしたが、人間の感情はそれほど単純ではありません。市、寧々、直の表情からはそんな複雑な思いが痛いほど伝わってきます。
当時の女性たちが愛する人が戦場へ赴く際に抱いていた本音については、本人が記した手紙や日記がほとんど残っていないため、数少ない記述を参考にしながら想像を巡らせるしかありません。
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