「ステロイドは怖い」は本当? ここまで変わったアトピー性皮膚炎治療と、正しい外用薬の使い方
「ステロイドは怖い」という不安と、正しい外用治療
―今の40代・50代が子どもの頃は、「ステロイドは体によくない」というイメージが強かったため、今でも塗り薬に抵抗がある人も多いかもしれません。
ステロイド外用薬は、アトピー性皮膚炎の炎症とかゆみを抑える基本的な治療薬です。皮疹の重症度や部位に合った強さの薬を、医師の指示に沿って適切に使用すれば、一般に安全性の高い治療です。間欠的な使用や再燃予防のための週2回程度の使用についても、重大な有害性を示す根拠は認められていません。ただし、どの薬にも副作用はあり、漫然と長期間使用するのではなく、症状を確認しながら使うことが大切です。
日本では1990年代に、マスメディアの不正確な情報などを背景に、ステロイド外用薬への強い不安、いわゆる『ステロイドバッシング』が広がりました。
その影響で、必要な外用治療を避けたり、医学的根拠が十分でない代替療法や過度な食物除去を選んだりして、治療が混乱した時期がありました。
アトピー性皮膚炎の自然経過には個人差がありますが、炎症を十分に抑えられない状態が続くと、かゆみや睡眠障害、生活への支障が長引くことがあります。ステロイド外用薬を怖がって一律に避けるのではなく、必要性と使い方を医師と確認することが重要です。
―子どもの頃のアトピー性皮膚炎が、大人になって再燃することもありますか?
はい。小児期の症状が成人期まで続く人も、いったん軽快した後に再燃する人もいます。症状の経過には、皮膚のバリア機能、体質、環境、ストレスなど、さまざまな要因が関わります。『昔きちんと治療しなかったから』と自分を責める必要はありません。今の症状や生活への影響に合った治療を選ぶことが大切です。
更年期には皮膚の乾燥やかゆみが起こりやすくなりますが、そのすべてがアトピー性皮膚炎というわけではありません。接触皮膚炎など別の皮膚疾患もあるため、症状が続く場合は診断を受けることが大切です。
皮膚は外界との重要な境界を担い、水分の喪失や外からの刺激の侵入を防いでいます。バリア機能が低下すると、乾燥や炎症、かゆみが起こりやすくなります。
更年期には皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみや湿疹が目立つことがあります。更年期に起こる皮膚の変化とアトピー性皮膚炎との関係はまだ研究途上ですが、乾燥は皮膚のバリア機能を低下させ、症状を悪化させる要因になります。『更年期だから仕方ない』と我慢せず、症状が長引く、広がる、眠れないほどかゆいといった場合には皮膚科を受診してください。
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