「もう一度、夫婦としてやり直したい」“触らない夫”になって気づいたこととは
すれ違いには、家庭環境の影響があった
なぜ、タカシさんは自分の行為が奥さまを苦しめていたことに、あれほど気づけなかったのか。その背景には、夫婦それぞれが育った家庭環境や、性格的な価値観の違いが大きく影響していました。
「僕の実家では、父が母にちょっかいを出すのが日常でした。お尻を叩いたり、ハグしたり……。ふざけ合いながら笑っていたふたりの姿が、“仲の良い夫婦”として焼きついていたんです。だから、自分にとって“スキンシップは当たり前の愛情表現”という意識がずっとあって」
一方、奥さまは「人前でのスキンシップが苦手」な家庭で育ったそうです。体調不良のときにマッサージする程度はあっても、ハグやボディタッチといった日常的なふれあいは少なかったといいます。加えて奥さま本人も、「プライベートとパブリックはきっちり分けたい」タイプ。家の中でも、突然の接触には抵抗感が強かったのかもしれません。
「僕が“当たり前”だと思っていたことは、妻にとっては“侵害”だった。それを理解しないまま距離を詰めていたのは、思いやりがなかったと反省しています」夫婦といえども、「当たり前」が一致しているとは限りません。すれ違いが生まれたとき、どちらかが丁寧に説明し、歩み寄る必要がある。それができなかったタカシさん夫婦には、静かに誤解が積もっていったのです。
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家庭関係研究所
山下あつおみ
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