不倫した側から離婚請求できる?浮気されたのに離婚できない?裁判所で理由として認められる「意外なルール」
非がある側からの離婚請求でも認められる場合がある
長期の別居、子育てが一段落しているケースでは認められることが
離婚の原因をつくった夫あるいは妻を「有責配偶者」といいます。裁判所は基本的に「有責配偶者からの離婚請求は認めない」という立場をとっています。
たとえば不倫をした夫が「不倫相手と再婚したい」と離婚を申し入れても、妻が承諾しなければ、協議離婚は成立しませんし、調停や裁判でも原則として認められません。このような考え方を「有責主義」といいます。
しかし、近年では「破綻主義(※)」の考え方に基づいて、有責配偶者からの離婚請求が認められるケースも出てきました。
たとえば別居が長期に及び、かつ子どもの養育の義務がなく、お互いある程度の経済力があるようなケースでは、離婚をしても、相手が精神的、経済的に過酷な状態におかれないとして、認められることがあります。逆に、別居期間が短く、扶養する子どもがいるなら、認められません。
実際の判例はケースバイケースで「別居が◯年以上(以下)だから」「子どもが◯歳以上(以下)だから」認められる(認められない)というわけではありません。あくまでも個別の夫婦のさまざまな事情を勘案して、判決が下されます。
※破綻主義:客観的に見て夫婦関係が修復不可能なほど悪化し、婚姻生活を継続する見込みがないとされた場合、当事者の責任の有無は問わず、婚姻生活破綻の事実をもって離婚を認めるべきであるとする考え方のこと。
「有責配偶者」からの離婚請求
認められる条件
(1)別居期間が相当長期に及んでいる(修復不可能とみなされる)
(2)未成熟子(18歳未満の子ども)がいない
(3)離婚をしても、相手が精神的、経済的にきわめて過酷な状態におかれるおそれがない
認められるケースと認められないケース
例)別居期間が長い・子どもが独立している・共働き=認められる
例)別居期間が短い・子どもが幼い・妻が専業主婦=認められない
ここまでの記事では主に、「相手の合意がなくても離婚が認められるケース」 を紹介しました。つづく関連記事では、離婚で「弁護士が必要になるケース」と費用相場についてお届けします。
つづき>>離婚を考えたとき気になる「弁護士費用」。30分相談するだけでいくら⁉ 依頼したほうが「お得」な3つのケースとは
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■服部 弘(ハットリ・ヒロシ)
弁護士。大原法律事務所所属。1982年京都大学法学部卒業。東京弁護士会所属。 離婚・相続など民事全般を扱う。 共著に『同一労働同一賃金の法律と実務』(中央経済社)、『和解をめぐる法務と税務の接点』(大蔵財務協会)、『相続法と相続税法 相続事案に対する法務・税務の対応』(ぎょうせい)。
■岡野 あつこ(オカノ・アツコ)
離婚カウンセラー、夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー。公認心理師。立命館大学産業社会学部卒業。立教大学大学院修士課程(社会デザイン学)修了。36年間で約4万件の相談を受ける。悩みを乗り越えた経験を生かした「離婚相談救急隊」を運営し、離婚カウンセラー養成講座も開講中。YouTubeチャンネル「岡野あつこチャンネル」は登録者7万人。オンラインサロン「岡野あつこの卒婚塾」主宰。
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