浮気オトコはなんで酔った勢いで「不倫自慢」しくさるの?
イトウウミ44歳。結婚予定の彼に逃げられ再開した婚活も、2年めに突入。あれよあれよと「平成ジャンプ」してしまった。はたして、令和元年にめでたく「令和婚」できるのか!? これは、結婚目前でふりだしに戻った私が「どうして今婚活をしているのか」――振り返りながら書いている「セルフ自伝」です。
私が婚活を意識したのは、40代目前の平成25年だった。話題といえば、半世紀ぶりに決まった東京オリンピック。歓喜に沸くニュースを見た友人が「東京オリンピックまでには結婚してね(笑)」と、冗談交じりに言ったものだ。7年もあれば状況は変わるし、独身なのも想像つかない−−超ポジティブ思考な私。その間彼と出会いプロポーズも受けた。だからこそ、“うまくいくはず”と過信していたのだろう。しかし、オリンピックまであと1年。しかも、独り身のまま時代をまたいでしまった。何もかもが予想外。私の人生、一体どうなるの!?
【40代・最後の婚活#14】
同窓会のほのぼの「卒アル回覧」にひやひや
外に出なければ何も始まらない−−意識改革をした私は、久しぶりに高校の同窓会に参加した。同窓会といっても親しい仲間の飲み会で、今回は海外転勤する友人の壮行会も兼ねている。宴もたけなわお酒もだいぶ回った頃、幹事がおもむろに袋から大きな冊子を取り出した。それは、卒業アルバムだった。「おおー!」まさかのサプライズに、感嘆の声が飛び交う。
一方で、卒アル写真は黒歴史の私。あたふた焦りを隠せない。髪伸び放題でぼっさぼさ、ストレスで夜中に爆食した顔はむくんでいる。間違ってマスコミ用に公開されるのが卒アル写真だったら、一生浮かばれない。お願いだから誰も突っ込まないで…悶々とする私の心配をよそに「はい」と手渡された。もう飽きたのか、皆次の話題に移っている。私は安心してアルバムを開いた。
あ、初恋の彼だ…Y君、今どうしているのだろう。
「おお、Yか。あいつモテたよな」と隣のI君が話しかけてきた。お医者様の I君。地元で開業しているせいか同級生情報に詳しい。次々に最新事情を挙げてくれる。
「コイツかなりヤンチャしていたな。先生も手を焼いてたよ」
「野球部ピッチャー。今はリトルリーグで教えているよ」
「地主の息子。今は親父の跡継いで社長だよ」
さすが事情通! 週刊誌バリの解説をしてくれるI君に感心した。ベビーブームでクラスも人数も多かったため、他のクラスのことはあまり知らない。ましてや、オフィシャルな同窓会も出たことがないから、好きだった彼の半径2メートル内のことしかわからなかった。だからこそ、男目線で高校の思い出を語ってくれる I君の話はとても興味深かった。
なんで男って「浮気自慢」しちゃうの??
「こいつさあ、会社に彼女いるんだよ。一回り下の…」
不意にI君が指差した写真の彼に驚愕した。
知ってる…話したことはないけれども面識はある! 私たちは趣味でバンド活動をしているけど、Y君について行ったスタジオでJamった。実家にスタジオで撮った写真があるし。“真面目で爽やかな好青年”という印象だった彼。I君によると、某メーカーで早々に出世し、家庭を持ち、役職にも付いているようだ。真面目だから、きっと道を外れることもなく順風満帆な人生を歩んできたのだろう。
「それがさ、またかわいいの。美人なのよ、【写真見せてくれて】。部下だって」
えっ!?!? 彼女がいるとか、不倫しているとか、そんなのどうでもいい。男同士で彼女(愛人)自慢をしていることに衝撃を受けてしまった。写真まで見せて自慢しちゃうの? 酔った勢いで武勇伝語っちゃうものなの? そもそも、スマホにツーショット写真を保存しておいて大丈夫なのか。奥様がこっそりパスワード突破して、情報をすべて握っているかもしれない。怖くはないのだろうか…て、そんな人の心配をしている私は小心者?
女の怒りは相手の女に向かう!マヌケ男はその時…
なぜ私が恐れ慄くのか。それにはとばっちりを受けたおぞましい経験があるからだ。以前元カノときちんと別れていない男性と付き合ってしまったことがある。「清算した」という彼の言葉をすっかり信じきったバカな私。しかし、ある朝不審なメールが携帯に届く。
「あなたの存在は前々から知っていました」
文面を見て凍りついた。元カノだ。彼女の執着にも驚いたが、彼の携帯ロックを解除し私の連絡先を入手した根性に脱帽。ああ、元カノにとって敵は「彼」じゃなく「私」なのだな。結局「女の敵はオンナ」と妙に納得した。なぜなら、間抜けヅラして眠る彼氏を横目に、私の胸グソ悪い怒りも相手の女性に向かっていたから。
バレてないと思っていても、女性の方が数百倍勘が鋭い。修羅場を目の当たりにすることなく逃げ足だけは速い男性。そんな無礼な人と一緒になるくらいなら一人の方が気が楽。「俺の方がすごいぜ」とイージーに武勇伝語る男性諸君。秘密は墓場まで持っていくのが賢明かもしれない。
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