ハワイに行くと「頭痛が治まる」ってホント⁉ 雨の日に不調な人へ、天気痛ドクターがすすめる「転地療養」とは
日本人に人気の海外旅行先として知られるハワイ。実は、天気痛研究の第一人者で、日本初の「天気痛・気象病外来」を開設した佐藤純氏のもとには、「ハワイに行くと頭痛が治まる」と話す患者が少なくないといいます。
その背景には、気候や気圧の変化が私たちの体調に与える影響が関係している可能性があるのだとか。本記事では、佐藤氏の著書から、天気と体調の関係や、環境を変えることで症状の改善を目指す「転地療養」について紹介します。
※本記事は書籍『1万人を治療した天気痛ドクターが教える 「天気が悪いと調子が悪い」を自分で治す本』(佐藤純:著/アスコム)から一部抜粋・編集したものです
日本人がハワイ好きなのは天気に理由があります
天気の変化に悩まされているのは日本人だけではありません。世界各国で、その症状をうったえている人たちがいます。
つまり、国や地域ごとの気象条件にかかわらず、天気の変化は人間の体になんらかの影響を与えうるということです。
ただし、もちろん程度の差はあり、発症しにくい、気候に恵まれた土地はあります。
個々に体の相性のようなものもあるので、「あの場所に行くと、なぜか症状が軽くなる」ということもあるでしょう。
世界中のどこに行っても必ず気象病に悩まされるというわけではなく、どこかに“逃げ場”は存在するものなのです。
私の患者さんに多いのは、「ハワイに行くと頭痛が治まる」というパターン。1人や2人ではなく、何人もの方が同じことを口にしています。
これはいうまでもなく、ハワイの気候が関係しているのでしょう。ハワイは年間を通しても気候の変化が少なく、あまり雨の降らない地域もあります。
世界的なリゾート地として名高いホノルル周辺は、年間気温がほぼ20~30度の間で、雨季の晴天率が高いのが特徴。日本に比べ、気圧の変動が激しくないことが考えられます。
そんな気候が、症状の軽減をもたらしてくれているのでしょう。
加えて、気分が開放的になることによって、自律神経に良い影響を与えている可能性も想像できます。
気候が快適で過ごしやすく、ウキウキした気分でいられれば、痛みも不調もふっ飛んでしまうというわけです。
症状が発症しにくい場所があれば「転地療養」を選択肢のひとつに
「そうはいっても、ハワイに行くのは大変だなぁ」
そう思われる方もいらっしゃるでしょうが、気象病が発症しにくい土地は海外だけとは限りません。日本国内にも、みなさんの体質に合い、つらい悩みを解消してくれる場所はあると思います。
たとえば、古くから避暑地や保養地として多くの人に親しまれてきた土地には、人々が快適に過ごせる理由があるわけで、そのひとつには気候が挙げられると思います。
ハワイはハードルが高くても、国内なら行ける可能性は高まります。まずは近場の有名な場所に行って、ご自身の体調に変化があるかどうか、確認してみてはいかがでしょうか。
このように、場所を移して症状の改善を目指す治療方法のことを「転地療養」といいます。
薬を飲んだり、生活習慣を大きく変えたりすることなく症状が緩和されるのであれば、それに勝る治療法はありません。
奇しくもコロナ禍の影響により在宅で勤務される方が増え、職種によってはお勤め先の近くに住んでいなくても、問題なく仕事をこなせる時代が訪れました。
生活拠点を移すことは容易ではないと思いますが、あなたの心と体にとっての理想郷を見つけることができ、ご家族など周囲の人たちの理解を得られたら、思いきって引っ越しをするという選択肢も視野に入ってくるでしょう。
ここまでの記事では、「転地療養」について紹介しました。つづく関連記事では、気象病と歴史の不思議な関係をお届けします。
つづき>>「片頭痛」が歴史を動かしたかもしれない…卑弥呼、織田信長、忠臣蔵の引き金も?専門医が考察する「気象病と偉人」の関係
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■著者:佐藤 純(さとう・じゅん)
天気痛ドクター・医学博士。日本慢性疼痛学会認定専門医。中部大学生命健康科学研究科教授、愛知医科大学客員教授。1958年福岡県生まれ。30年以上にわたり、気象と痛み、自律神経との関係を研究。1983年に東海大学医学部を卒業後、名古屋大学大学院で疼痛医学、環境生理学の研究をスタート。1987年、米ノースカロライナ大学に留学し、慢性疼痛と自律神経系の関係について研究を行う。名古屋大学教授を経て、2005年より愛知医科大学病院・痛みセンターで日本初の「天気痛・気象病外来」を開設。天気痛研究・診療の第一人者として「ためしてガッテン」「あさイチ」(NHK)、「世界一受けたい授業」(日本テレビ)などメディア出演も多数。2020年には株式会社ウェザーニューズと共同開発した「天気痛予報」をリリースし、注目を集めている。主な著書に『天気痛 つらい痛み・不安の原因と治療方法』(光文社)、『まんがでわかる天気痛の治し方』(イースト・プレス)、『「雨の日、なんだか体調悪い」がスーッと消える「雨ダルさん」の本』(文響社)、『ビジネスパーソンのための低気圧不調に打ち勝つ12の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。
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