認知症リスク18%低下の可能性も!たった3分で全身400以上の筋肉を動かす「国民的運動」って?
子どものころに誰もが一度は経験したことのある、あの“国民的運動”。実は近年、その健康効果を裏付ける研究結果が次々と報告され、改めて注目を集めています。
わずか3分ほどの運動で全身の筋肉を幅広く刺激できるだけでなく、血流や心肺機能の向上、さらには認知機能にもよい影響をもたらす可能性があるのだとか。
本記事では、鈴木大輔氏(NPO法人全国ラジオ体操連盟理事長・現NHKテレビ・ラジオ体操指導者)の著書から、長年親しまれてきた「ラジオ体操」の驚くべき健康効果を紹介。科学的な研究結果をもとに、その実力に迫ります。
※本記事は書籍『じつはすごい! 科学的に証明された本当のラジオ体操』(鈴木大輔:著、植田拓也:監修/アスコム)から一部抜粋・編集したものです
※イラスト/丸口洋平
科学的に証明された「ラジオ体操の力」!
全身の筋肉を動かし、血流や心肺機能を高め、認知症の予防も!
全身400を超える筋肉を刺激!
ラジオ体操は理想的な全身運動。わずか3分間で体の筋肉をくまなく刺激することができます。
実際にラジオ体操第一の動きを細かく整理したところ、表情筋などの顔の筋肉を除く、全身400以上の筋肉が動いていることがわかりました(※)。
3分間の動きの中に、指先からつま先まで、大小の筋肉を効率よく刺激する工夫がいっぱい。だからこそ体すべてが健康になり、柔軟性が高まり、日常の動きがスムーズになっていくんです。
※東京都健康長寿医療センター研究所・植田拓也らによる観察に基づく動作解析の結果より
血流を改善し心肺機能も高める!
全身を大きく動かすラジオ体操は、筋肉のポンプ作用をしっかりと働かせて、滞とどこおりがちな血流をスムーズにしてくれます。
とくに、肩や背中、太ももなどの大きな筋肉を連動させていく「協調運動」は、ラジオ体操ならではのポイント。自然と全身の筋肉がほぐれ、体がぽかぽかと温まっていきます。
また、腕を大きく上げたり、胸を開いたりする動きは、心肺機能へよい効果を生み出します。
実際、ラジオ体操を続けている方を調査したところ、呼吸機能を年齢換算した「肺年齢」が実年齢より若い傾向にあることもわかりました(※)。
※一般財団法人 簡易保険加入者協会委託調査「平成25年度 ラジオ体操の実施効果に関する調査研究」より
認知症リスクが18%低下し、敏捷性、持久力、血管年齢や骨密度も向上!
ラジオ体操には認知症リスクを大きく低下させる可能性があることをご存じですか?
じつは、ラジオ体操を続けている人は、何も体操をしていない人に比べて、認知症の発症リスクが18%も低いという驚きの報告があるのです(※)。
体操によって身体活動量が増えたことや、腕や脚、体幹など複数の筋肉を連動させて動かす「協調運動」が、脳によい刺激を与えるためと考えられています。
さまざまな筋肉の連携を瞬時に調整するラジオ体操ならではの動きが、脳の働きを活発にするからです。
※2025年、帝京大学大学院・金森悟らの研究報告より
また、前述した「肺年齢」の研究の追跡調査をしたところ、ラジオ体操を続けている人は、体の若々しさを示す「体内年齢」が、実年齢より平均20歳以上若かったという報告もあります(※1)。
これは、筋肉量、代謝、柔軟性など、体を支える土台が強い証拠。加えて、同調査では、ラジオ体操を継続している人は、血管年齢が若く保たれ、骨密度が高い水準にあることも示されています。
ご高齢の方には、ラジオ体操が脳卒中や心臓病、骨粗しょう症予防にも一役買ってくれるでしょう。
さらに、高齢者を対象に、ラジオ体操を12週間、実践してもらった調査では、「敏捷性/バランス」の指標が平均8.1%、「持久力」の指標が平均7.4%も改善したというのですから、驚きですよね(※2)。
※1:一般財団法人 簡易保険加入者協会委託調査「令和6年度 ラジオ体操の実施効果に関する追跡調査研究」より
※2:2024年、株式会社かんぽ生命保険、東京都健康長寿医療センター、東京医科大学、全国ラジオ体操連盟の共同研究より
やってみよう!ラジオ体操第一のポイント解説
>>ラジオ体操は「意味」を知ると変わる! NHKテレビ・ラジオ体操指導者が教える「効果を高めるコツ」
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■著者:鈴木大輔(すずき・だいすけ)
埼玉県生まれ。NPO法人全国ラジオ体操連盟 理事長・現NHKテレビ・ラジオ体操 指導者、日本栄養大学 実践運動方法学研究室非常勤講師。2004年、日本体育大学体育学部 社会体育学科卒業。埼玉県内私立中高一貫校で保健体育教諭として勤務した後、2010年に社会福祉法人にじのいえ 理事長に就任。2016年、聖学院大学大学院人間福祉学研究科修了。同年にNHKテレビ・ラジオ体操 指導者、NPO法人全国ラジオ体操連盟理事となり、2024年より同連盟の理事長に就任。ラジオ体操を普及させるため、ラジオ体操講習会やイベントで全国各地を飛び回り、テレビ、新聞、雑誌など様々なメディアにも出演。本書が初の著作となる。
■監修者:植田拓也(うえだ・たくや)
東京都生まれ。地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所/東京都介護予防・フレイル予防推進支援センター 副センター長(老年学博士、理学療法士)。昭和医科大学大学院 保健医療学研究科 兼任講師、桜美林大学 健康福祉学群 非常勤講師。2010年、北里大学 医療衛生学部 理学療法学専攻卒業。8年間の臨床経験を経て、2018年より現職。2021年、桜美林大学大学院 老年学研究科修了。大学生時代にラジオ体操の効果に注目し研究を開始。現在はラジオ体操をはじめ、老年学、介護予防・フレイル予防、地域包括ケア、地域づくり、通いの場の推進に関する研究を行う。東京都内を中心に全国の自治体における介護予防事業の推進を支援するほか、東京都や厚生労働省の委員を歴任し、現在に至る。
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