衝撃!「オバサンは口がクサい」は本当だった。40代に歯科医が教える口ケアは

あなたの息、「ハザード」になってませんか?

歯科医と歯科衛生士、歯科業界各社が連携して、口臭と口腔疾患リスクに関連した情報を発信するプロジェクト「ブレス・ハザード」が「口臭白書2019」を発表しました。

驚くのがオジサンたちより「更年期世代の女性」の口の中がキケンだということ!

日本歯周病学会理事、歯科医の若林健史先生に理由を聞きました。

 

「自分の口のクサさ」がわからない理由って?

実は、日本人の9割が口臭が気になった経験を持ちます。

ですが、他人の口のクサさはわかっても、自分の口臭は気づきにくいもの。その理由とは?

「身体の機能の1つに順応反応というものがあります。口臭のもとは口の中で作られますが、喉と鼻がつながっているため、鼻腔にニオイが流れてきても嗅神経が慣れて感じなくなってしまいます」(若林健史先生)

 

自分で自分の息を確認する簡単な方法もあります。コップにはーっと息を入れ、手でフタをして、その間にスーハーと呼吸をして嗅覚をリセットします。その後、コップのニオイをかぐとわかると若林先生。

 

よく「胃が弱いから口がクサイ」と言いますが、ほとんどのケースでは口の中に原因があります。口臭には4つのタイプがありますが、ほとんどの場合がむし歯、歯周病などの口腔内トラブル、舌苔が原因の「病的口臭」というタイプです。

 

実はこの「病的口臭」も、どこでニオイが出ているかでニオイのタイプが変わります。

1「卵が腐った」ニオイ → 硫化水素  原因・舌苔

2「たまねぎが腐った」ニオイ → メチルメルカプタン 原因・歯周病

3「キャベツが腐った」ニオイ → ジメチルサルファイド 原因・全身疾患等の疑い

ほとんどが1か2ですが、2の歯周病由来のメチルメルカプタンのほうが1より6倍もクサいとのこと。

 

ニオイの対策には何をすればいい?

では、この口臭はどう対策すればいいのか、教えてもらいました。

 

「1の卵が腐ったニオイの原因、舌苔の正体は舌の表面に付着した汚れです。もとは細菌の死骸や不要な粘膜細胞、食べかすで、タンパク質を多く含んでおり、生きている細菌の温床でもあります。有効なのは舌ブラシでのクリーニング。専用のブラシを持っているなら、1日1回朝に使いましょう。手持ちの歯ブラシを使ってもOKです」

 

舌苔のケアは、毎日根気よく続けるのが重要。力を入れすぎずに軽くなでて、全部こそぎとるのが重要なのだそう。

 

「2の歯周病はやっかいです。歯につく歯垢や歯石は歯周病菌の塊。これらの菌が歯肉に入り込んで炎症を起こし、ほとんど痛みもないままやがて歯槽骨を溶かし始めます。このときに出るメチルメルカプタンが口臭の原因になります。ニオイがするということは、歯周病が進行していると考えられます。対策は歯みがき。1日1回丁寧にみがきます」

 

歯垢は歯石が固まったもの。歯と歯茎の境目のすき間の入り口付近やさらには歯周ポケットの深いところでどんどん毒素が作られます。

 

「歯周病菌に対抗しようと、白血球が集まってきて歯肉で戦うのですが、この死骸がまたクサイんです……」

 

歯茎が健康な人の歯周ポケットは3㎜程度ですが、歯周病が進行すると顎の骨が溶けて最終的には歯が抜けてしまいます。また、歯周病が進めば進むほど口臭レベルが高くなります。

 

驚き!女性の口臭がおじさんよりヒドい

「口臭白書2019」によると、実は全世代のうち「中年女性の口臭」がいちばん高い傾向があるのだそう。

 

「女性は人生を通じて3回口腔トラブルに見舞われます。原因の一つが女性ホルモン。思春期のころはホルモンバランスが変わりやすく、月経のたびに歯茎が腫れやすくなります。妊娠出産期は女性ホルモンが分泌されますが、歯周病菌の1つがこの女性ホルモンが大好物。妊娠性の歯周病にかかりやすくなります。更年期にはホルモンバランスが崩れ、唾液の分泌量が減少したり、歯周組織が変化して歯周病症状が悪化します」

 

40歳前後で歯茎が下がってきて、歯間が開いてくるので、歯間ブラシは必須。歯みがきのときに血が出る人は基本的に歯周病だと思ったほうがいいそうです。

 

40代が意識すべき4つの口臭対策

1・食べかすや歯垢をしっかり落とす。

2・舌清掃もしっかりする。

3・デンタルリンスやマウスウォッシュも補助的に使う。

4・でもセルフケアでは限界があるので、3か月に1回はプロのケアを受ける。

 

日本は健康保険制度のおかげで安価な治療を受けられるため、歯科も予防意識が低い傾向があります。6割近くの人が過去1年に定期健診を受けていません。

 

「自宅での歯みがきはとても重要なのですが、いっぽうセルフケアだけの人は8割が歯肉の状態を悪くします。歯みがきはとにかく個人のクセが出がちで、自己流のまま続けて状態を悪化させる例が跡を絶ちません。病気になったら行けばいい分野とはまた別に、プロのケア方法を習う機会が必要です」

 

歯周病を治療し、歯茎の状態が改善すると、全身の血管のしなやかさも回復され、動脈硬化が改善されます。

 

「実は、歯みがきの回数と口臭は関係ありません。自分の癖で磨き残したり、正しく磨けていない点があるのではと考えられています。歯磨きをしないで24時間たつと細菌が歯垢を作り始める。極端に言うと24時間に1回きちんと磨くほうが1日3回適当に磨くよりいいと考えられます。現在口臭がひどい人でも、1日1回でいいからきちんと磨ければ半年ほどでほぼなくなります」

 

更年期世代は一度歯科で磨き方のチェックを受け、生涯の健康寿命を延ばす対策が必要というわけです。一歩進んだ口腔ケアを今すぐスタートして!

 

ブレス・ハザードプロジェクト

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