「60年間、人の目を気にしてお財布を選んでいた」。61歳でついに手放せた「ブランドに頼る価値観」【一田憲子×大平一枝対談】

2026.10.20 LIFE

ミニマリストになれ、ということではない。「足るを知る」の本当の意味

ーここで、会場からの質問を募ったところ、「承認する人間が周りにいるから承認欲求が生まれるのだと思います。年を重ねて仕事を引退して、周りから人間がいなくなってしまったらどうしますか」という問いかけが寄せられました。

 

一田: 確かに、社会のヒエラルキーの中にいるから、「褒められる・褒められない」が出てくるんですよね。でも、他者に褒められなくても、例えば初めて草刈機を買って草刈りして、「すっきりしたな」みたいなことで満足するとか、日々の中で満足できることを一個ずつ積み上げていくこともできますよね。

 

おいしい一品が作れて「今日の朝ご飯おいしかった」とか、そういうことでいいような気がするんですよね。年を取る上では、それがすごく大事だと思う。

 

大平: 「足るを知る」という言葉が、若い頃は「物を持たなくていい」「足りなくていい」ということだと思っていたんですよ。でも最近違うなと思って。

 

「あるものを喜ぶ」、「今持っているものを数える」ことが、「足るを知る」ことなんだろうなって。ミニマリストになれということじゃなくて、あるものの喜びを数えることが大事ですよね。

 

一田: なるほど! 近所の人が草刈りを手伝いに来てくれた、そのやり取りで「助けてもらうってめっちゃいいことだよな」みたいな幸せに気づくことか、仕事でも暮らしの中でも、自分だけが見つけられる真実とか真理っていっぱいある。それを発見していくことが、生きる喜びなんだと思いますよね。

 

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