「殴らない=いい夫」なの? 70代の母がずっと気づけなかった父のヤバさ。“サイレントモラハラ”に絡め取られた40年

2026.10.10 LIFE

どうして「おかしい」と気づけなかったのか

お母さまが自分の置かれている状況を「おかしい」と気づきにくかった理由が、もうひとつありました。夫は、外ではとても感じのいい人だったのです。町のクリーニング店の主人としてお客さんには親切で、ご近所との付き合いもいい。

「あんな優しい旦那さんでいいわね」周囲の人たちは、口をそろえてお母さまにそう言いました。

でも家の中では、お母さまが夫の舌打ちひとつで、「怒っている。どうしよう」と気を使っていることを、誰も知りません。義母から守ってくれない。何か問題が起きれば、すべて妻のせいにする。それなのに、外では「いい人」として振る舞う夫。夫を褒められるたびに、お母さまは自分に言い聞かせていたそうです。

「みんながいい人だと言うんだから、いい夫なんだ」
「これくらい、妻なら我慢するものなんだ」

そう思い込むことで、自分の違和感を押し込めるようになっていったのです。

「殴られないのだから、私は幸せなほうだ」

と思おうとしてきたのかもしれません。しかし、暴力を振るわれないことと、安心して暮らせることは、同じではないのです。

 

本編では、暴力を振るわず、お酒も飲まない夫を「優しい人」だと思って結婚したMさんのお母さまが、舌打ちやため息、無視などに怯えながら、何十年も夫の機嫌を優先して生きてきたことについてお届けしました。

▶▶「もう今さら離婚したいなんて思わない」70代の母が選んだ、夫を変えずに自分の時間を取り戻す生き方

では、娘のMさんから「それもモラハラなんだよ」と伝えられたお母さまが、自分の結婚生活をどう振り返るようになったのか。そして、離婚を選ばない母に対してMさんがどのように寄り添っているのかについてお届けします。

 

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