【年金の平均額】40代女性、50代女性が将来もらえる年金額を算出してみた!
高校を卒業して20年以上経ちあっという間だよねと同窓会で話したことのあるあなた!老後もあっという間にやってきます。40代、50代は老後へのカウントダウンが始まっているといっても過言ではありません。「老後2000万円」が何かと話題になっていますが、いくら必要なのかは自分次第。まずは自分の年金がどれくらいもらえるのか知っておきましょう。
自分の年金額の調べ方
自分の年金がいくらもらえるのか、おおよそでも把握している人は少ないものです。しかし、そのヒントになる資料を毎年みなさん手にしているのです。それがお誕生日月に日本年金機構から送られてくる「年金定期便」です。35歳と45歳のアニバーサリーイヤー(?)には過去の年金加入履歴がわかる書類が封書で送られてきますが、それ以外は開くことができるハガキで送られてきます。
ここに書かれている金額を噛み砕いて説明すると、
50歳未満…今までの年金加入履歴でここまでの年金額になっていますよという実績
50歳以上…このまま同じペースで働いた場合これくらいの年金になりますよという予想額
となっています。
そこで、具体的に自分の年金を調べるには日本年金機構の「ねんきんネット」を利用します。https://www3.idpass-net.nenkin.go.jp/neko/Z06/W_Z0602SCR.do
年金定期便に記載された「アクセスキー」、年金基礎番号(年金手帳に記載)、氏名、生年月日、性別、自分の決めたパスワード、秘密の質問と答え(パスワード再発行等の時に使う)、メールアドレスを入力すると日本年金機構で本人確認を行いユーザIDが発行されます。
このユーザIDと登録したパスワードを入力していくと、自分の年金額を計算することができるのです。具体的に今後転職して、収入が増えた場合、減った場合、退職して主婦になった場合、フリーランスになった場合などいろいろなケースでシミュレーションすることができます。
40代、50代の国民年金は平均いくらぐらいになりそう?
「国民皆年金」(こくみんかいねんきん)という言葉をご存知でしょうか?学生・自営業やフリーランスや無業者、主婦、公務員、会社員も含め、原則として20歳以上60歳未満のすべての国民は公的年金に加入することで日本はこの制度となっています。つまり、40代、50代の平均とはならず一律約78万円で一か月あたり6万5000円です。
※この金額は物価(物価スライド:物価が上がれば年金額アップ、下がれば年金額ダウン)や経済状況(マクロ経済スライド:年金受給者が増え年金負担者が減るという状況を年金額に反映する仕組み。今後この仕組みにより年金額が下がることが予想されます。)により変動します。
これは20歳から60歳まで年金保険料の未納がなかった場合の金額で、未納があればその月相当の割合が減額されます。具体的には40年間の支払い期間のうち20年しか払わなかった場合、年金額は39万円になるということです。
40代、50代の厚生年金は平均いくらぐらいになりそう?
厚生年金は公務員・会社員などが給与に応じた年金保険料を納めることによって、勤務した期間分国民年金に上乗せされていくものです。ですから、40代といっても大学卒業を3年くらいOLをして寿退社で専業主婦になった人とバリバリ年収600万円ほどでずっと会社員をしていた人ではかなり年金額が異なるということです。
大学卒業から60歳までの平均年収が約360万円とすると、厚生年金は約79万円。
国民皆年金である国民年金約78万円と合わせても157万円となり一か月あたり13万円となります。もう少し残念なお知らせをすると、この13万円はお給料でいうなら「額面」です。ここから健康保険・介護保険・所得税・住民税が引かれますので手取り10万円ちょっとなります。これで自分だけの年金で老後生活が難しいことがご理解いただけたのではないでしょうか。
よく聞く企業年金、確定拠出年金とは?
では、自助努力として何かしなくてはと思っても何から始めたらよいのでしょうか?よく聞く企業年金とは、「会社が社員のために年金を支給するしくみ」をいいます。
・確定給付企業年金…企業が従業員に「給付」する額を「確定」している年金
→従来はこの制度が主流でしたが、高齢化に伴う退職者の増加、低金利による運用の悪化により約束した年金を支払うことが会社自体の経営を圧迫するようになっています。そこであらかじめ年金として使える資金を在職中に先渡しして積み立ててもらう年金ができました。それが確定拠出年金です。
・企業型確定拠出年金…企業が従業員に「拠出」(積み立てる金額)する額を「確定」している年金原則60歳まで出せないが、勤務先が出してくれた資金を自分で指図して運用していく。企業は支払う金額が確定しているので将来的に年金給付が経営を圧迫することは少なくなる。
※iDeCo(個人型確定拠出年金)は、個人で口座開設して自己負担で積み立て老後資金形成をする仕組み。掛金が全額所得控除になり所得税・住民税が安くなる。ただし、60歳まで払い出しできず、口座開設や口座管理料がかかる。
年金受取り額を増やせるって本当?
こうしてもらえそうな年金額のおおよそが見えてくると、将来を悲観したくなるかもしれません。しかし、ちょっとしたことで年金の受取額を増やせる方法があるのです。それは年金を受け取る時期を繰り下げること。40代、50代の私達は今のところ65歳から年金を受け取ることができることになっていますが、受け取る時期を1か月繰り下げると0.7%増やすことができるのです。
10カ月繰り下げればなんと7%!現在の普通預金の金利が0.001%であることを考えると夢のような利率です。最長5年間つまり60ヶ月繰り下げることができるため、最大42%増やすことができます。この額は一生涯変わりません。
そこで気になるのが繰り下げをしたところで、すぐ死んでしまったら元も子もないのでは?という点。具体的な計算方法は省略しますが、81.9歳より長生きすればオトクです。現在の女性の平均寿命は87歳であることを考えると、65歳から70歳まで生活資金にゆとりがあれば「年金の受け取り延長」も老後資金計画の一つの方法といえるでしょう。
足りない時は早くもらえるの?
収入があまりなかったり、病気がちで長生きすることに不安な場合なこともあるかもしれません。年金は延長だけでなく繰り上げて受け取ることもできます。60歳から繰り上げ受給することができ、65歳から1か月早めると0.5%減額され、その金額が生涯の給付額となります。損益分岐は77歳。それより長生きすると繰り上げしない方がオトクとなります。
まとめ
40代・50代の女性は働き方も様々で年金がいくらもらえるのかの平均はだしにくいのですが、筆者の相談実務上のイメージでは11万円から13万円ほどの方が多いようです。また、預金がどれくらいあるのか、持ち家があるのかなどそれぞれの資産状況や家族の収入、健康状態等によって、年金の繰り下げ受給と繰り上げ受給のどちらがオトクとは言いにくいものです。「老後2000万円」が何かと話題ですが、自分のもらえそうな年金額を早めに把握し、40代・50代のうちからできる準備(iDeCo・つみたてNISA・個人年金保険など)は早めにしておきましょう。
稲村優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)、心理カウンセラー
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆業務を行い、テレビ・新聞・雑誌などのメディアでも活躍中。FP Cafe登録パートナー。
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