【老後資金の準備】毎月7万円貯金すべきって本当?みんな何歳からどんな準備をしている?
働く女性の多くが気にしていないようで気になっているのが「老後」。2018年に発表された統計では100歳以上の高齢者の9割が女性となっています。(厚生労働省HPより)パートナーがいてもいなくても多くの女性が最後はおひとりさまです。
老後のために何かしなくちゃと思っていても、何をどうしていいのがわからない人が多いのではないでしょうか?気になるみんなはどうなの?という調査結果をみながら、老後の準備を何歳からどんなことを始めたらいいのか紹介します。
働く女性の7割が何も考えていない!?
『女性の定年後に関する意識調査』(以下「調査」)(実施機関:ファイナンシャルアカデミー 実施時期:2019年7月 対象:働く女性300人)によると、定年後の自分の具体的な生活を想像できると回答したのは「まあ想像できる」という回答を含めても3割未満。
普段ファイナンシャルプランナーとして家計相談をしていると人生100年にあわせ自分が100歳になるまでのライフプランをイメージしていただくのですが、この調査のとおり「今の生活が精いっぱい」「5年後10年後ですら考えたことがない」という女性が多いのが現状です。
老後2000万円必要という報告書が何かと話題になりましたが、自分の定年後について具体的にイメージするのは難しいようですね。
定年後の準備をしているのは1割
驚いた調査結果が、定年後の自分の生活についてイメージは難しいとしても定年後に向けた活動(定活)が必要と9割が思っていること。具体的な定年後はイメージできなくてもほとんどの働く女性が定活が必要であると考えているようです。ところが、こんなに多くの人が定活が必要と思っているのに現在実際行動に移しているのはたったの1割とごく少数。何かしなくちゃと思っている反面何からしていいのかわからない人が多いのでしょう。
では、定活に向けて行動している1割の少数派は具体的にどんなアクションを起こしているのでしょうか?
1位 情報収集
2位 現在持っているスキルを上げる
3位 資格取得
4位 人脈作り
5位 自分のキャリアの振り返り
ダントツ1位の情報収集は60%超え。やはりもらえる年金や社会保障、健康維持、投資など老後に向けた活動をするにあたって情報を集めることは大切と考える人が多いことがわかります。2位から5位はほとんど自分の仕事やキャリアについてになっています。老後に向けて収入を維持し続けること、楽しく過ごすためにも人脈を作っておくことを重要視しているようです。
FPが伝授。遅くても40歳になったら定年後の準備開始!
調査結果のとおり、情報を集めて自分のキャリアを磨くことはとても大切です。定年後自分らしく輝き続けるためには健康とお金が必要。お金がいくらあっても健康でなければ充実した生活は送れませんし、どんなに健康でもお金がなければ楽しい生活は送れません。健康維持のために普段からジムに通ったりやスポーツをしておきましょう。定年後楽しく過ごせる人脈づくりにもつながります。
お金については、遅くても40歳には準備を始めたいところ。理由は老後に必要な資金は多額になることが多く数年で準備は難しいからです。具体的に「自分ごと」として必要な老後資金を計算する方法を紹介します。
①定年後一か月いくら位の生活費が必要?(難しければ今の生活費の7割で設定)…A
②自分の年金がいくらもらえるか?(年金ネットhttps://www.nenkin.go.jp/n_net/で調べられます)…B
③定年後から100歳までの不足額を計算する…(A-B)×12ヶ月×35年
例えば定年後の生活費は18万円位必要、自分の年金は13万円もらえそうという場合
(18万円-13万円)×12ヶ月×35年=2100万円
となります。あながち老後2000万円ということも的外れな話ではないようです。この金額を50歳になってから運用せず65歳までの15年間貯蓄で貯めようとすれば毎月11万6666円必要。ほとんど不可能です。40歳から始めても毎月7万円です。
そうなると、もう将来のことなんかどうにでもなれと自暴自棄になってしまいそうですが、これから貯めるだけではなく「準備済み資金」も確認してみましょう。
・老後のお金の準備前に確認しておくこと
①退職金はいついくら位でるか?
②企業が負担してくれている確定拠出年金があればそれが60歳時いくらになっていそうか?
③自分でかけている個人年金保険や終身保険で老後資産になりそうな保険資産はないか?あれば65歳時いくら相当になるのか。
この3点はわからないと放置していたり、老後資金準備として既にスタートしていることを見落としがち。意外と準備できている人も多いので、不安を募らせるだけではなく現状把握もしっかりするとよいでしょう。
また、毎月5万円取り崩す計算で2100万円必要ということは逆の発想をすれば100歳まで働くことは難しいとしても数万円でも収入があることがいかに定年後有効なことかということにもなります。65歳から月5万円のアルバイトなどで収入を75歳まで得るとすると
5万円×12ヶ月×10年=600万円
この調査で定活をしている1割の人が挙げた情報収集とキャリア形成は的を得たことといえます。
まとめ
働く女性の多くが定年後の生活のために何かしなくてはいけないと思っていても具体的な行動に移せていない現状です。まだまだ先とかどうせ年金なんてもらえないしと現実から目をそむけていては何の準備もできません。まずは自分の老後のイメージをして、もらえそうな年金額を知り具体的にいくら必要なのか計算してみましょう。貯蓄だけでなく働き続けられる健康やキャリアを磨いていくことも大切です。老後準備は「気が付いたらすぐ」始めましょう。
稲村優貴子
ファイナンシャルプランナー(CFP🄬)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー。
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