【北海道民は知ってる】美味しいごはん、絶品のお土産、ここだけの風景…「十勝」8ランキング
爽やかな晴天「とかち晴れ」でも知られる北海道の十勝エリア。
ざっくり言って北海道の右側で、中核の帯広市のほか、陸別町や足寄町、浦幌町など19の自治体から成るエリアです。
この秋、イタリアが誇るコンパクトカーFIAT500に乗って、大自然と共生するサスティナブルなホテル、広尾郡大樹町のメムアースホテルを訪問しました。
帯広エリアの、ホテルの、そしてFIAT500の「すばらしいポイント」とは?
1・ケタが大きすぎる…知られざる「日本最強のグルメ地帯」
「思いつく農産品がだいたい日本1位」。
とっても大雑把ですが、十勝エリアのすごさはこれに尽きると思います。
たとえば、ポテトチップスでも知られる「じゃがいも」は十勝が全国の3割を生産して1位。
バターの原料になる生乳も、国内生産高トップが北海道、その中でのトップ生産地が十勝です。
「十勝」と書かれたチーズ、思い浮かびますよね。
このほか、十勝産大豆、十勝産小豆なども日ごろから意識せず目にしていることでしょう。
個人的に、東京の名店よりも産地の日常店、と思っています。
たとえば、お蕎麦も、産地の信州エリアでいただくと、ごく普通のお店でもびっくりするほど美味しいですよね。
香川のうどんだって、千葉のピーナッツだって、漁港の海鮮丼だって、日頃からその素材を食べている地元ならではの「おいしさの感受性」と「素材のベストな扱い」があるのだと思います。
だから、何でもたっぷり生産している十勝エリアは、何を食べても最強のグルメ王国なのです!
2・何を食べても美味しい!「ごく当たり前」にグルメ水準が高すぎる
一例を挙げましょう。今回、通りすがりにふらりとお邪魔したこのお店は、とかち帯広空港から車で約10分。
ファームレストラン 野島さんち 河西郡 中札内村 新生東1線 199-4 ランチタイム 11:00-14:00 0155-67-2880
中札内村でキャベツを作る農家、野島さんが営むファームレストランです。
地元客だけでなく、口コミの旅行客も多く、お昼をだいぶ回っていたのに店内は大混雑。人気の数量限定「週替りプレート」(964円+税)はすでに売り切れでした。
「ポークジンジャーステーキ」(1046円+税)と、
オムキーマカレー(855円+税)をいただきました。
中札内村の名産は、枝豆、じゃがいも、小麦のほか、豚、鶏、卵など。
豚は弾力性に富んだ肉質と旨みのある脂肪部分で知られます。また、卵は自然の甘みを感じるとの定評が。
豚も卵もそのとおり、普段食べているお肉や卵よりも「何かが確実にワンランク上」なのですが……
個人的に大感動したのが「付け合せ」のお野菜。
たとえば普段、キーマカレーをいただくと主役はカレー部分で、卵と野菜はあくまでもサブですよね。
違うんです。これは野菜「も」メインです。
一口たべてびっくりするほど甘いトマト、畑の気配すら感じるもぎたてのとうもろこし、歯ごたえも風味も抜群の生野菜。
特にトマトには大感動して、その後都内でも北海道産のものを探して食べましたが、やはり産地のとれたてにはかないませんでした。
「何を食べても」のもう一例が、なんと空港!
レストラン・ハートフィールド ぶた丼たむら空港店 帯広市泉町西9線中8番地41 空港ターミナルビル2階 7:55~19:50(変更あり) 0155-64-5788
「せっかく豚丼が有名な帯広に来たのに、食べ逃したから食べておこう」と軽い気持ちで頼んだのですが…。
帯広の豚丼はどこで食べてもそのお店ならではの美味しさがあると言われます。
空港のレストランだとあなどるなかれ。やわらかい豚肉に甘いタレ、こんがりと炭火。食べてよかった!と思える味でした。
3・実は日本有数かも!「スイーツエリート」地帯
小麦の産地であると同時に、牛乳、小豆、国産の砂糖の主力原料「てんさい」の生産高がいずれも1位の十勝エリア。
もともと北海道はお菓子文化が高く発展した地域で、小さな町にも地元銘菓があるそうですが、
十勝の帯広には世界に名だたる「六花亭」があります。
とかち帯広空港から車で約15分の「六花の森」は、帯広から全道に、そして全国、全世界へと発展していった六花亭の、創業の思いが込められた森。
ここには六花亭のカフェ「六’cafe(ロッカフェ)」が併設されています。
(ただいま冬季休業中、以下は2019年の内容で、来季は未定です)。
お土産物が買えるほか、店内ではイートインも可能。
なんと、作りたての「マルセイバターサンド」が食べられるんです!
まだビスケットとクリームが一体化する前の、ここでしか食べられない若々しい味です。
「マルセイバターサンド」(125円・税込)
ロッカフェには他にも人気メニューが。
「クロワッサンサンド」(380円・税込)は、香ばしいクロワッサンの中にホクホクのポテトサラダをサンド。
「ポロシリパイ」170円(税込)は、サクサクのパイ生地の中にトマトソースで煮込んだビーンズやベーコンが。
JR帯広駅は帯広観光コンベンション協会が1周約40分の「スイーツ本店めぐり」コースを設定してレベルでスイーツの本場なのですが、ぜひちょっと足を伸ばしてみてください。
六’café(ロッカフェ)★ただいま冬季休業中、来季は未定 10時30分~17時(6月~8月は9時30分~、9月24日~16時) 河西郡中札内村常盤西3線249-6 0120-12-6666
4・何を撮っても映えてしまう!フォトジェニックなエリア
不思議なことに、北海道はどこをどう撮影しても「映え」てしまうのですが、前述の「六花の森」のフォトジェニックさは段違いです。(ただいま冬季休業中、以下は2019年の内容で、来季は未定です)。
六花亭の花柄の包装紙は、北海道で暮らした山岳画家・坂本直行によるもの。「六花の森」には、春先のカタクリに始まり、秋のエゾリンドウまで、十勝六花をはじめとする山野草が咲き誇ります。
森の中にはクロアチアから移築された古民家がギャラリーとして点在し、静謐で力強い風景を作り出しています。
「坂本直行美術館」のほか、
「花柄包装紙館」は必見。
壁、クッションだけでなく天井まで、一面花柄で包まれた、本当にかわいらしいギャラリーです。
よく見ると、額の中は包装紙の「原画」。原画を描いた紙を切り、レイアウトしているのがわかります。包装紙への愛着がいちだんとアップ。
帯広観光の際には、ぜひスケジュールの筆頭に入れてくださいね。
六花の森 中札内村常盤西3線249-6 開園時期・4月下旬~10月中旬 ★ただいま冬季休業中、来季は未定 開園時間・10:00~17:00(時期によって変動あり) 大人1名入園料金 800円 0155-63-1000
視点を変えて。
今回宿泊したメムアースホテルのある大樹町は海を擁するエリア。なので、ちょっと走ればこの風景!
路肩に止めただけでも絵になってしまう、北海道の雄大な景色。
北海道の旅行時、レンタカーを借りる人も多いでしょうが、なるべく時間には余裕を持って、ぜひ「当たり前のように広がる風景」をこまめに撮ってください。帰宅後カメラロールを見ているとどの写真も美しくて驚きます!
5・意外な「地元だけのグルメ」がある
農業王国の十勝。通りすがりの道の駅に寄れば、「このエリアはこれが特産なんだな…」とすぐにわかります。
帯広空港のそば、六花の森からほど近い位置にある「道の駅 なかさつない」の場合、まずびっくりするのが「卵の自動販売機」!コインロッカー方式です。鶏卵、鶏肉はこのエリアの名産の一つ。
中札内は枝豆も全国有数の作付面積を誇ります。野菜コーナー下段に枝豆が並んでいますが、左は一般的な大豆の「枝豆」。右は「黒枝豆」、黒豆の枝豆です。
ゆであがりの色が少々黒っぽく、見た目こそいまひとつですが、その味の濃厚さ、甘み、歯ごたえは段違いと静かに囁かれています。
しかも、限られた時期に、限られた産地でしか作られていません。見かけたら超ラッキー、絶対買って!
また、中札内村は、馬鈴薯も特産品。
しばらく前にツイッターで「北海道にはおいしい【でんぷん】がある」と話題になったことはご記憶にありますか?
ありましたね!!
要するに片栗粉です。写真左は、普段私たちもスーパーで買っている価格レンジの片栗粉で、一般的な工場生産品。800g 204円です。問題は右、「つぶつぶ片栗粉」700g 667円。ツイッターで話題になった製品とはまた別のものです。
この製品の製造元の「神野でんぷん工場」は中札内の隣の更別村にあります。十勝の馬鈴薯を原料に、昔ながらの自然沈殿方法と低温長時間乾燥で作った、大きな粒子の一番粉。
ボウルに出してみると粒の質感の違いがわかります。その名の通り、ツブツブしているのです。
道の駅のレジのご主人に聞いたところ、地元の人は唐揚げ、天ぷらに使うとのこと。「これで揚げるとぜんぜん違うよ」と大プッシュでしたが…。
揚げました。写真右が若干白いのはわかりますでしょうか。粒が大きいため、衣に使うとこのようにザクザクとした歯ごたえのある部分が残る! カリカリサクサク、どうやっても美味しく揚がってしまいます。
道の駅に1軒寄っただけでも、このレベルでの地元食材の洪水。市町村の数だけグルメがある、そんな北海道の威力を思い知っていただけましたでしょうか……。
道の駅 なかさつない 河西郡中札内村大通南7丁目14 開館時間:4月~10月 9:00~18:00 11月~3月 9:00~17:00 0155-67-2811
6・「馬」ってどこで生まれて育つか知ってますか?北海道です!
北海道は競走馬の一大産地。18年に国内で誕生したサラブレッド7250頭のうち、7072頭は北海道産です。
産地のメインは日高山脈を越えた反対側、浦河町を擁する日高エリアですが、十勝エリアにも生産牧場があります。
ここからは、今回宿泊した「メムアースホテル」のお話です。
この場所は、もとはサラブレッドの生産牧場「大樹ファーム」でしたが、牧場が移転。2011年に寒冷地実験住宅施設「メムメドウズ」が誕生します。これを活用して、ホテルにリニューアルしたのが「メムアースホテル」です。
サラブレッドの牧場だっただけのことはあり、このホテルはごく普通に馬と共生しています。馬に近寄らないなど細かなルールの決められたサラブレッド生産牧場と違い、共生を模索するためのホテルですから、馬との接触はとてもカジュアル。
カジュアルどころか、「BARN HOUSE」に泊まれば、納屋という名の通りにドアを開けるとまず馬が。
「泊まっている部屋からガラス越しに馬が見える」「ずっと馬の気配を感じながら過ごせる」……すごくないですか?
メムアースホテルの特徴の一つは、予約時に「してみたいこと」ヒアリングし、アクティビティをアレンジしてもらえる点。今回私たちは「馬に乗りたい」が希望の一つだったのですが…この通り!
釣り、カヌー、焚き火、ピザを焼く、星空や野鳥の観察、フィンランドスタイルのテントサウナ、マウンテンバイクでの海へのライドなど、とにかくなんでもござれです。
もちろん、ディナーのクオリティも素晴らしい。厳選された地元産の素材を「いちばんおいしい」一皿として楽しめます。写真は「坂根牧場のグラスフェッドビーフ【35ケ月】スネ肉の赤ワイン煮込み」。ほろほろと溶けていくスネ肉のこっくりとした味わいを楽しめます。
7・どの部屋も最高の体験と満足を約束してくれる
比較的シンプルで直線的、シャープな建築の多い隈研吾作品。「メムアースホテル」の「même」は例外的にソフトと言えるでしょう。
この建物の外郭は東京ドームと同じ、空気を入れる断熱素材、内側はグラスファイバーのウォールで構成されています。アイヌ民族の住居「チセ」をテーマとしたこの建物は、北海道の寒い冬でも耐えるための、環境実験住宅ならではの独自構造です。
リビング、ベッドルーム、クローゼットルーム、バスルームに大きく仕切られています。
「même」のもう1つのポイントは、目の前に広がるこの草原と…
このソファ! 室内にはケメックスのコーヒーメーカーが置かれ、ハンドミルでじっくり挽いた豆でゆっくりとドリップを楽しめます。
こんなに美味しいコーヒーを自分で淹れて飲む機会、もうあと何年もないだろうな……。
メムアースホテル 広尾郡大樹町芽武158-1 même 1名¥54,000~(1室2名、2食付き) BARN HOUSE 1名¥44,000~(1室2名、2食付き) 01558-7-7777
8・私たちの旅を、毎日を、ハッピーにしてくれるFIAT500
今回の旅行は「FIAT500C」(チンクエチェント)が相棒でした。
可愛らしい赤のころんとしたフォルム。
そして、白と赤でまとめられたセンスいい室内。
この、自分の目に見えている室内のデザインのセンス、ものすごく大事だと思うんです。
自宅でもオフィスでも、そして移動の車の中でも、まずは自分自身を楽しませることってとても大切。
人生を、毎日を、喜怒哀楽たっぷりにメリハリをつけて楽しんで暮らすイタリア人の、その日々の楽しみ方のエッセンスがたっぷりと盛り込まれています。
私たち40代は、どうしても日ごろ目先の作業に追われ、自分のことを後回しにしがち。
「暮らしの中の何気ないことを一つ一つ楽しんで!」と教えてくれるかのようです。
スピードメーターの数字ひとつとってもデザインがかわいい!
車を停めた駐車場だって、「私の車はどれかな……あった、あのカワイイイやつ!」と毎回大満足します。
一見すっきりコンパクトに見えて大容量のトランク!
どこに停めても360度絵になるこの姿…
車と私、2人の世界をもっともっと楽しみたい。そんな40代に、最強の相棒です!
(撮影・畠山あかり)
スポンサーリンク