「かきおとし」じゃない!「杮落とし」の読み方、知っていますか?
漢字、カタカナ、ひらがなという3種類の文字を使い分ける日本語。そんな日本語に触れていると「聞いたことはあるけど、漢字で書けない」「聞いたことはあるけど、意味はよくわからない」なんて言葉に遭遇することもしばしば。
本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
クイズとして出題する「柿落とし」も、そんな言葉のひとつなのではないでしょうか。
「杮落とし」という言葉を見て「かきおとし」と読んだ人も多いのではないでしょうか。
本記事でご紹介する「杮(〇〇〇)」と果物の「柿(かき)」。PC上の小さな文字では違いがわかりませんが、実は別の漢字です。
「杮(〇〇〇)」と「柿(かき)」は筆順に違いがあります。「杮(〇〇〇)」は横棒を書いてから「巾」を書きますが、「柿(かき)」は“なべぶた”を書いてから「巾」と書きます。そのため、「杮(〇〇〇)」は8画、「柿」は9画と画数にも違いがあります。
もしも「杮(〇〇〇)」ではなく「柿(かき)」と表記されていたら、実のなった柿を落としている様が表せますが、「杮落とし(〇〇〇おとし)」にはこのような意味があります。
〔工事の最後に屋根などのけずり屑を払い落としたところから〕
劇場が新築・改築をして初めて行う興行。 〔公的な施設や場所の開場の意味でも用いられる〕引用元:三省堂 大辞林第三版
「杮落とし公演」という言葉、聞いたことありませんか?
正解はこちら!
「杮落とし」の読み方は、「こけらおとし」です。
「柿(こけら)」は「柿(かき)」によく似ていますが、「こけら」とは材木を削ったときに出る切り屑のことを指します。
劇場完成後、はじめての興行を表す「杮落とし」ですが、その由来は、新しく建物を建築した後や改装後、最後の仕上げとして切り屑、すなわち「柿」を落としたことからきていると言われています。
「杮落とし」って粋な表現だったんですね。
参考文献
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