いま現金で払ったら大損?いまひとつわかりにくい「キャッシュレス還元」の基本
元国税局職員 さんきゅう倉田です。
お笑い最大手、吉本興業で芸人をしています。手前味噌ですが、税金やお金の良い知識をたくさん持っているので、個人事業者や経営者向けに講演会をしています。
最近は、子供向けのお金の教室で講師を務めることもあります。子供のお母さんたちに話を聞くと、小学校低学年は、買い物はできるけれど、お金の概念はないようです。電子マネーで買い物をするので、カードが1枚あれば、無限に買い物ができると思っていると。自分の子供の頃とは異なりますね。
僕が渋谷で見た「キャッシュレス還元」の浸透率
さて、10月からキャッシュレス還元事業が始まりました。10月1日に、渋谷の小さなハンバーグ屋さんで、「キャッシュレス使えますか?」と聞いたら、20代前半の金髪の店員さんが「キャッシュ?キャッシ!?キャッシュ!?」と、慌てふためいていました。
このお店では、キャッシュレス還元事業に参加するかどうか、検討もしていないのでしょう。その存在すら周知されていなかった。まだまだそういう店も散見されますが、読者のみなさんには、積極的にキャッシュレス決済を使っていただきたいです。
今回は、キャッシュレス決済の良いところを整理しました。
キャッシュレス決済にはどんなものがあるか
キャッシュレス決済とは、「現金を使わない決済」です。
問題はこの「キャッシュレス」に何が該当するかです。
おもに、クレジットカード、電子マネー、QRコード決済です。
クレジットカードの説明は不要ですね。
電子マネーには、SuicaやPASMO、ICOCAなどの「交通系」もありますし、nanacoやWAON、QUICPay、PONTAといった「非交通系」も無数にあります。
QRコード決済は、PayPayやLINEペイなど群雄割拠で、覇権を握るためにさまざまなキャンペーンを行っています。店舗側の導入が比較的容易なので、クレジットカードや電子マネーの導入を避けていたお店でも使えるかもしれません。
(「電子的に繰り返し利用できる決済手段」と定義されています)
キャッシュレス決済の良いところ
国もキャッシュレス決済を勧めています。キャッシュレスが普及すれば、紙幣を刷るコストも減るし、事業者が現金を準備・管理するコストも減るし、消費者がATMに並ぶ頻度も減ります。そういう必要のない作業にお金や時間を割くなんて、先進国として恥ずかしい。
科学の力でもっともっと便利にできるのに、その恩恵を受けないなんて、狂っています。ほとんど現金で決済している人は、この機会に、キャッシュレス決済について、よく考えてみてください。
キャッシュレスを使えば、
・ATMに並ばなくて良い
・レジで財布から小銭を出したり、釣り銭を受け取ったりする必要がない
・会計が早いから、後ろに並んでいる人を待たせない
・お金に触らないから、手が汚れない
・落としても、補償が受けられる場合が多い
・ポイントが貯まる
・決済履歴を管理しやすい
といった、メリットがあります。メリットを挙げたら、デメリットも挙げないと不公平です。
デメリットといえば、現金より「使った感」がないので、お金を使いすぎてしまうことでしょうか。昔から、月収を超える金額をクレジットカードで決済して、返済が終わらなくなってしまう人が一定数います。
ただ、昔と違って、使用した金額を、いつでもアプリで見ることができます。家計簿アプリを使って、自分で入力することもできます。
ぼくも、会計をするたびに、マネーツリーに入力しています(5年ほど使っていますが、見やすく、美しく、簡単でおすすめ。ゾウさんのマークもかわいいし)。都度、入力して、その週や月の使用額を把握していれば、使いすぎてしまうこともないでしょう。
キャッシュレス決済は何を準備すればいい?
ここまで読んで、でもキャッシュレスを「始める」なんて、面倒だって思っていませんか。
クレジットカードはほとんどの人が持っているし、少なくとも電車で通勤しているならばSuicaやPASMOを持っていない大人は見たことがありません。QRコード決済は、スマホにアプリをインストールして、銀行口座やクレジットカードと紐付けるだけで利用できます。
ただし、ポイント還元を受けるには、対応しているお店で決済する必要があります。
また、還元率が2%のお店と5%のお店があるので注意が必要です。
なお、キャッシュレス還元事業の期間は、2020年6月までの9ヶ月間となっています。
>>>店舗の確認/対応している決済方法かの確認「キャッシュレス・ポイント還元事業」
使った人だけが得をするキャッシュレス。国から還元が受けられる9ヶ月の間に、始めてみませんか。
しばらく使えば、「どうして早く教えてくれなかったのか」と怒ると思います。
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