好きなものは食べられないと思え! 美容部員・女の園でのサバイバル術
こんにちは。ヨガインストラクター兼ライターの高木沙織です。
みなさんは、「女の園」と聞くとどのようなイメージを思い浮かべますか? 華やかでいいニオイがして、優しい笑い声なんかも聞こえてくるような……? 残念ながらそれは、完全に表向きの姿でしょう。
今だから言いますが、美容部員から航空会社での勤務を経て読者モデルをかじらせてもらってきた筆者、女の園が大の苦手です。
気に入られなきゃブランドごとスルー
今回は、最初の就職先であった外資系化粧品会社(A社)での“女の園の洗礼”についてお話ししていきましょう。
本社での研修を終えると配属先の店舗にて現場に出るようになるのですが、覚えなくてはならないのは商品のことだけではありません。コスメ売り場には、多くのブランドのカウンターがズラリと並びます。そして、そのブランドのスタッフの方々との付き合い方も学んでいく必要が。
特にチーフクラスのラスボスたちには何が何でも嫌われてはいけないという鉄の掟は避けては通れません。
というのも、当時筆者が勤務していた売り場では、買い物に来てくれたお客様に自社の商品のほかにも他社のブランドを紹介、案内までする(全社ではありませんが)という謎のルールがあったから。あ、嫌がるお客様にはしませんよ。
だけど、このルールのおかげでそれぞれに売り上げが立つことも多く、決して悪いものではありませんでした。パッと見ではみんな仲良く、ブランド間のギスギス感やマウンティングも緩和されていたように感じたくらいです。
ただ何が怖いって、ラスボスの誰かひとりに嫌われてしまうとひとたび自分のブランドのカウンターは総スルーされるようになるということ。「今日、B社はあの子が出勤なの? じゃあやめておきましょう」みたいな。
在職中は何度もこのようなシーンを見てきましたが、なんと筆者はひっそりと無事に嫌われることなく過ごせたのです。
それは……。
「何食べたい?」の正解アンサーとは?
では、ラスボスたちに嫌われなかったのはなぜなのか。
他社同士で好きだ、嫌いだなんてそこまで関わり合うことはないでしょう? いいえ、食事休憩になると全ブランドのスタッフ(早番・遅番に分かれています)が一緒に同じ店に行ってテーブルを囲まなくてはならないというルールがあったのです。そこでの過ごし方は非常に重要。だってそこには必ず、どこかのブランドのラスボスが複数名いるから。
筆者が現場に出て先輩たちから業務を教わっているときに、こんな一言がありました。
「食事の集合がかかると“何食べたい?”って聞かれるけど、答えは託すこと」、と。ドキドキしながら総勢10名ほどのその輪に加わると、早速「高木さんは何食べたい?」。何とか絞り出した答えは「まだお店がよく分からないので、○○さん(その日のラスボス)のオススメのところに連れて行ってください」、これが正解でした。
ラスボスたちは頼られることが好き。そして、自分たちの好きなものを絶対に食べたい(笑)のです。
食事中は日光・三猿方式で
いざ、レストランに入るとラスボスたちが席に着き、それから先輩、最後に新人が座る……前に全員分の水を用意。ブランドに関係なくです、意外と体育会系でしょう。
さあ、ここで残念なお知らせです。本来なら自分が食べたいものを自分のペースで楽しみ、心が休まるはずの食事休憩。すでに、好きなもの→食べられない、自分のペース→周囲に気を使い、合わせる、心の休息→緊張感しかないと、むしろ業務中よりも疲れるのがこの時間。
ラスボスたちに嫌われないためには、食事中は日光・三猿方式を適用して乗り切ります。
・必要以上にラスボスを「見ない」
→恐らく誰でもそうですが、食事中のラスボスはその姿をジロジロ見られるのを嫌がります。
・自分の意見は「言わない」
→後から、「あの子があんな事言ってたわよ」とあらぬ噂を立てられます。
・人の悪口は「聞かない」
→女性が集団になると何かしら・誰かしらの悪口大会になります。一緒になって悪口を言っていたと思われないためにも聞こえないふりをしておきましょう。
退屈そうに見せないためにも、軽く微笑みながら頷くのも〇。
こんな感じで女の園の洗礼を受けた筆者。どの会社でも人間関係は悩ましいところですが、女の園はまたちょっと特殊なのです。
最後に……、「ラスボス怖い」と思われたかもしれませんが、頼りになる素敵な方々でしたと付け加えさせてくださいね。
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