ただ本が速く読めてもムダ。速読を目的にした人がたどる「意外に理不尽」な末路とは
高速読書ではこれまでの速読法とは違います。エビデンスに裏づけられた最先端の脳科学を活用しています。本を速く読んで、しかも忘れないために数々のテクニックを紹介しています。
トレーニング不要の記憶術を活用して、読んだそばから脳に定着させる方法です。
これらは、大学や学会の論文でも立証された手法です。ぜひ、これらのテクニックを取り入れて、あなたも普段の読書でキャリアや人生を変えるきっかけを手に入れて下さい。
■事実!速読は科学的に証明されていなかった?!
前回までのコラムでは、脳科学をもちいた本を速く読む基本的な考え方について紹介してきました。
また、そのためには「目的意識」を常に持つことが大切だ、という話もしました。
ただ、このような説明をすると、「一般的な速読法と、じゃあ何が違うのか?」という質問をされることが多くあります。
まず、ここでハッキリと断言しましょう。高速読書は速読法とは違います。
単なる速読法は、脳科学にその実用性があやふやで、科学的にも立証されていないんです。これ、ちょっと驚きではありませんか?
実際、あるアメリカの権威のある大学で、「速読はほとんど効果がない」と論文で発表されて一大センセーショナルになりました。その論文では、追跡調査として全米1位の速読チャンピオンに、「ハリー・ポッター」を読んで、その後に感想を披露してもらったそうです。
すると、あの辞書のように分厚い小説を、わずか40分程度で読破したそうです。ですが、その後のアウトプットは「ワクワクした」「途中、悲しかった」「子供には役に立つだおる」など、抽象的な内容ばかりだったそうです。
■速読を目的にしてしまうと人生は豊かになりにくい?
この事例からも分かるとおり、速読というのは、科学的にはいまだ意見が分かれる手法です。なにより、先程のような抽象的なアウトプットでは、「人生を変えたり、キャリアアップするために本を読んでいる、あるいは武器にしている」、とはとても言えません。
では、なぜこのようなことが起こるのでしょうカ?
実は本を速く読もうとする際に一番よくないのは、ただ単に「速読を目的にしちゃうこと」です。
「速読」というのは、単なる手段であって、目的じゃありません。
これは、本当に冗談みたいな話ですが、たまたま速読のトレーニングを続けていて、日曜にその速読スクールの認定講師として、人に教える資格を持っている人と出会ったんです。
そこで、少し意地悪な質問かもしれませんが、私はその方に「あなたが、本を速く読む目的はなんですか?」と聞いてみたことがありました。
すると、本を速く読むためにトレーニングしています、と答えが返ってきました。
本を早く読み、その次の本もまた早く読もうとトレーニングしているというわけです。そうして新しい本を、さらに早く読む。こうして、地獄のような(本人はそう思っていないと思いますが)トレーニングを、いつまでも続けているわけです。
じゃあ、100冊を早く読んで、次どうするんですかって聞いたら、おそらく次の本も早く読みますと答えるでしょう。1000冊早く読んでも、同じなわけです。
でも、それではたして、人生が豊かになりますか。人生、豊かにならない。それはもう、本を早く読むことが目的になってしまっているからです。だから、速読そのものを目的にしている人は、脳科学的にも意識のベクトルがそこに集中しているので、読書を武器にしてキャリアアップしにくいんですね。
■速読は手段!あなたの願望を叶え、人生を豊かにすることが目的
いっぽうで、高速読書の「読書を武器にする考え方」は、まったく逆です。
キャリアアップしたい。家族円満になりたい。貯金を殖やしたい。あるいは、英語を身につけたり難関の資格をとりたい。
こうした自分で決めた目的を果たすために、ではどうやって本を武器にするか。そこからスタートするわけです。そうした明確な目的があって、はじめて本からいろいろな事を学べていける。これは、脳科学的にも逆算思考法と言って、とても大切な考え方です。
実際、私は3つの会社を経営しています。まわりには男女の性別を問わず、経営者や資産1億円以上の富裕層が大勢います。
そうした人たちにためしに、「成功した秘訣はなんですか?」と尋ねてみてください。決して、「速読が私を変えました」とは答えないでしょう。速読は手段であって、目的ではないからです。
では、具体的にどのように高速で本を読み、記憶に定着させていくのか。
次回かはらいよいよ、世界中から集めた脳科学に裏づけられたエビデンスより、3つのテクニックと5つの読書術を紹介していきます。
(つづく)
次回コラムまで待てない方はこちらをチェック̻̻
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