間違いやすい日本語「いやがおうにも」。正解は?

夏真っ盛り。甲子園もいよいよ大詰め。最近の高校野球は、スター選手も揃っているので「いやがおうにも」盛り上がります!

「え?『いやがうえにも』が正しいの?何それ?使ったことない!」そんなあなた。こっそり読んでしっかり勉強してくださいね。

 

 

文化庁の平成26年度「国語に関する世論調査」の結果では、この「いやがおうにも」の誤った使い方が取り上げられています。

文頭で取り上げた、「いやが○○にも盛り上がります!」ですが、調査によると、

  • 「いやがおうにも」を使う42.2%
  • 「いやがうえにも」を使う34.9%
  • 両方とも使う3.8%
  • どちらも使わない13.9%
  • 分からない5.3%

参照
平成26年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h26_chosa_kekka.pdf

 

 

正解は「いやがうえにも」

この調査の分析を見ると、本来の言い方とされる「いやがうえにも」の割合は、やはり50代以上が一番高く、4割台前半となっています。一方、誤りである「いやがおうにも」の割合は 20~30代が他の年代より高く、5割台です。では40代ではどうかというと、「いやがおうにも」が44.9%、「いやがうえにも」が31.5%で、誤った使い方の方が多い状態です。

 

 

「いやがうえにも」と「いやがおうにも」の違い

「いやがおうにも」は、そもそも「いやがおうでも」が正しい言い方。漢字では「否が応でも」と書きます。意味は、「なにがなんでも」です。つまり「否(NG)でも、応(OK)でも」という感じ。「有無を言わさず」と同義語です。

 

  • 先輩が行くと言ったのなら、否が応でも行かないとね。
  • 男だけの職場は厳しい。否が応でもタフになるわ。
  • コンサートにまさかのゲスト登場で、会場は否が応でも盛り上がった。

漢字にすると分かりやすいですよね。ところが、話し言葉となると、「いやがおうでも」と「いやがうえにも」が混同されます。だいたい、日本語は意味が大きく違うのに似ている言葉が多すぎる気がします(笑) この言葉が使われている文献を検索しても、間違って使われているものが出てくるくらいです。

 

では「いやがうえにも」はどう書くのでしょうか。なんと「弥が上にも」です。びっくりでしょう?(笑)「弥」は「ますます」という程度を表す漢字です。そこから「なおその上に」という、強調の意味を持ちます。

 

  • ヒット曲を連発したアーティストが「命をかけた」と言う新作。弥が上にも期待は高まります。
  • 日本初上陸の専門店がいよいよ明日オープン。ファンとしては弥が上にも盛り上がっています!
  • テーブルに置かれたハンバーグ。見た目だけで美味しそうなのに、ソースをかけたらジューッと!弥が上にも食欲が増しました。

この「弥が上にも」には、「否(NG)でも、応(OK)でも」という意味はありません。「ますます」という意味です。

 

 

ではどう使い分ければいい?

違いが分かったところで、具体的にどうしたら間違わないか教えます。まず、漢字で覚えることが秘訣。「否が応でも」か「弥が上にも」です。「否が応でも」の場合は、「否(NG)でも、応(OK)でも」で覚えると良いでしょう。また、「否が応でも」は無理矢理な漢字がするのとは対照的に、「弥が上にも」は「ますます」という意味なので、主に「弥が上にも盛り上がる」のようにポジティブな盛り上がりを表現する時に使います。

 

 

他にもそんな言葉ありそう……

40代の人が、分かれ目となる、言葉の誤用。他にどんなものがあるのか少し気になってきたと思います。あと1つ簡単に説明しますね。

 

 

「煮詰まる」と「行き詰まる」

これも語感がとても似ていますね。「煮詰まる」は「結論の出る状態になること」です。つまり良い状態。
「行き詰まる」は反対に「八方ふさがりの状態」のこと。つまり悪い状態。

 

そう「煮詰まってきた」は「イイ感じ。もうすぐ結論にたどり着くね!」という時に使います。

 

例:七日間に及ぶ議論で計画が煮詰まった。

この例文で、40代では本来の意味である「結論の出る状態になる」を選んだ人が35.7%、誤った意味である「「結論が出せない状態になること」を選んだ人が59.1%で間違えて覚えている人が優勢でした。

 

参考

平成25年度「国語に関する世論調査」の結果について
http://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/pdf/h25_chosa_kekka.pdf

こちらも、「煮詰まる」と「行き詰まる」のように、漢字で考えるとイメージがしやすいでしょう。その際、煮過ぎてしょっぱくなってしまった煮物を思い浮かべず、美味しく煮詰まったビーフシチューや大根の煮物などを思い浮かべるといいかもしれません。

 

言葉は変化するもの。もしかしたら誤用の方が正しい意味になる時代が来るかもしれません。しかし、このように漢字に直したときに違う場合は、語源も含めて、正しい用法の方を覚えていて損はありません。女性のたしなみとして、教養として、頭に入れておきましょう。

スポンサーリンク

この記事を友達に教えたい!と思ったら、シェア!

 

この記事が面白かったら

「いいね!」してね

 

目上の人に「ご自愛下さい」は失礼?ビジネス敬語メールの文末7ポイント

以前、目上の方に帰りしなに「これからも頑張って下さい!」と伝えたら、「あなたがね」と失笑された経験があります。頑張って成果を出している人に対し「頑張ってください…

「伺います」と「参ります」どちらを使うべき?意外な敬語の間違いと意味

仮に、アポイントの確認をするとしましょう。「明日、オフィスに伺おうと思います」「明日、オフィスに参ります」。メールでも電話でも、どちらも正しいように感じますが、…

敬語の3大間違い。「させていただく」「よろしかったでしょうか」「おっしゃられる」

敬語に自信がある人はそういません。でも、スマートに使えたら、どんなにいいか!今日は、不安から来る「させていただく症候群」「よろしかったでしょうか症候群」「二重敬…

こんな会話をする人は嫌われる!言語哲学者に学ぶ「4つのNG」

クリスマス・パーティ、忘年会シーズンですね。気の置けない仲間とワイワイするのもよし、職場の仲間と一年の労を労うもよし。そういう中で、自然と人が集まる素敵な会話を…

丁寧なつもりが無礼に!3つの危険な日本語「了解」「大丈夫」もう1つは

礼儀正しく言っているつもりが、実は「失礼」にあたる言葉だった。そんなガッカリなことはありませんよね。もちろん、人間なのでつい言い間違えてしまうこともありますが、…

人間関係トラブルの9割を解決する、たった1つのシンプルな方法

日常生活のさまざまな場面で起こる、人間関係のもめ事やトラブル。この原因の根っこには、実は単純な「承認欲求」という気持ちが隠れています。その欲求に共感する力を養う…

「注意する」「やめさせる」、言いにくいことを上手く伝える3つのコツ

部下の遅刻、同僚のミス、いつも気になる上司のあのクセ……、まあいいや、こちらがフォローすればいいこと、我慢すればいいことと問題を先送りにしていると、いつの間にか事…

アリ?それともナシ? 「LINEで会社休みます」問題について

「LINEで『会社休みます』って部下から連絡きたんだけど、どう思う?」 今年の春から管理職になった女友達から相談されました。業種はアパレルで、比較的自由な社風ではあ…

「させて頂く」とは失礼!そのワケと改善案を解説

あなたが今朝送ったメールに、「させて頂く」という言葉は何回出てきましたか? そして「いただく」を「頂く」としていませんでしたか? 今日はその2点について、どうし…

「さすがです」は実は失礼?相手をうんざりさせる3つの敬語

敬語に関して、使う立場としては、本当に色々気を遣っているのですが、果たして敬語を受ける立ち場の方から見ると、どのような感じなのでしょうか。私も年齢を重ね、人並み…

「折り入ってご相談」が失礼に当たるタイミングって?NG敬語の言い換えは

「折り入ってご相談がございます」「微力ながらお手伝いさせていただきます」このような言葉は、ビジネスシーンではよく見られます。しかし、本来の言葉の意味を知らないと、使うタイミングを間違えたり、使うシーン…

「ますますお幸せに!」は離婚の暗示?結婚式でNGな言葉の言い換え術

メールや文書で失礼なことを書いてしまった場合、最悪謝罪をし、訂正したものを送ればいいのですが、結婚式のような大切なイベント時に失敗は避けたいもの。最近は二人のなれそめなどを文字、キャプション付きのムー…

あなたは大丈夫?「なし崩し」の正しい意味、日本人の20%しかわかっていない

「そんななし崩し的なやり方では、計画的に進まない」「良いのか悪いのか決めずに、なし崩しに動き出せば、失敗するよ」「貯金をなし崩し的に使い、あっという間になくなってしまった」こんなふうに「なし崩し」を誤…

「あなたのメールは読みにくい」と思われてる?ひらがなに直した方が良い言葉10選

毎日、私たちは様々な手段で、他社とコミュニケーションを取っています。その中で、文字によるコミュニケーション手段として、メールやSNS、文書や手紙などがありますが、圧倒的に多いのが「メール」によるコミュニ…

「今度伺わせていただきます」はNG?丁寧なつもりの「過剰敬語」が逆に無礼なワケ

どの企業でも接客の方法については新人研修などで学習済み。しかし、実際に業務が始まると、敬語以前に覚えなくてはいけないルールが山のようにあり、自分がお客さんに対して使っている敬語について、時間をとって検…

日本人の約7割が間違えている微妙な日本語!「〇〇を飛ばす」

「あの後輩、最近ちょっとたるんでいるから、檄(げき)を飛ばしてきたわ」「部長が部全体に檄(げき)を飛ばしたので、少し活気が戻ったわ」実はこの使い方NGです!「檄を飛ばす」のは、「しっかりしなさーい」と相…

「すみません」と言いがちな3つのシーンのNGは?「すいません」は論外です

「お茶をどうぞ」「すみません」「すみません、遅くなりました」「すみません、何とお呼びしたらよろしいでしょうか」このように「すみません」は大変便利な言葉です。「どうも」も同様ですが、さすがにビジネスシー…

尊敬語のつもりで「やられた」って言ってない?それ猛烈に失礼です!

「先生、〇〇ってやられたこと、ありますか? 面白いらしいですよ」「この前、〇〇をやられたっておっしゃっていましたが、どうでしたか?」このように聞かれたことがある人、言ったことがある人は結構多いのではな…

「返信ください」はかなり失礼?敬語・丁寧語を間違えない2ポイントとは

「〇〇を返信ください」「〇〇に参加くださいまして……」「〇〇を利用ください」。このような誤った日本語が、世の中にはびこるようになってきました。もともとは20年ほど前からネット上でよく見かけた言葉で、私も、…

「大丈夫です」はNG日本語?トラブルの原因になる敬語と丁寧語

「奥さん、この商品をお買い求めになりますか?」こう聞かれて、「大丈夫です」と言ったら、自宅に商品が届いた。そんな詐欺の話を聞いたことがある人もいるかと思います。これは消費者相談センターで解決すべきトラ…

スポンサーリンク

スポンサーリンク

注目の記事

WORKに関する最新記事