「あ、変わったな」は不安?希望?3人の女性が「これから」を楽しむために気づいたこと|100人の更年期#26
一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
初潮を迎えた人ならば必ず誰しも迎える閉経、そして更年期ですが、面と向かって「更年期の具合はどう?」とは話しにくいものです。
私ってもう更年期なの?
みんなはどうなの?
この状態、もっとひどくなるの?
主婦の友社オトナサローネ編集部は、ごく普通に日々を暮らす同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材していきます。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
今回はオトナサローネでおなじみ、ライターのひろたかおりさんが、周囲の女性3人に聞いたお話です。
【100人の更年期#26】
ケース1・49歳、これまでの運動量に耐えられなくなる
「8年以上ジムに通っています。筋トレも有酸素運動もして、同世代の女性より体力があるのがひそかな自慢でした。
週に二日ある格闘技系の激しく動くレッスンが好きで、欠かさず出てはほかの会員さんたちと楽しく受けていました。
変化を自覚したのは何でもない日、いつも通り軽い筋トレをして体をあたためてからそのレッスンに入ったのですが、何だか体が重いし息切れも早いし、いつものように動けなくて。
体調が悪いことはないのにどうして? とレッスンが終わったあとで仲のいい会員さんに話したら、
『そろそろ更年期かもね』
と言われてドキッとしました。
もう50歳、確かに更年期の症状が出てもおかしくないとき。
最初は”イヤだなぁ、まだまだ頑張りたいな”と抵抗感があったのですが、それからもレッスンで不調を感じるようになり、「これまでの運動量に耐えられなくなった体」を実感せざるをえませんでした。
レッスンで思う存分動けない自分が悲しくて、今までのような笑顔が作れなくなって。
でも、周りには私より年上の人もたくさんいて、みんな楽しそうにやっているのを見ていたら”受け入れるのが自分のためかも”と思うようになりました。
だって、レッスンが楽しいと思う気持ちは変わっていないんですよね。これで参加を諦めてしまったら、それが一番のストレス。
それからは、”今の自分”で無理せず動くことを考えながら、前と変わらずジムに通っています」(49歳/パート)
★ 更年期の症状にはいろいろありますが、わかりやすいのが体力の低下。
筋トレをしているのに体力を維持できない、今までなかった息の上がり方を感じたりこれまで以上に疲れが残ったり、「マイナスの変化」を実感するのは運動を楽しむ女性にとってはつらいですよね。
こちらの女性の場合は、ジムで周りに同世代以上の女性も多く、同じように更年期はあったと思われるけど”今”をはつらつと楽しんでいる姿に勇気をもらった、といいます。
「避けられないのなら、受け入れるのが正解」と笑顔で話す彼女は、「好きなものを諦めない力」を改めて得たことが、更年期と前向きに付き合う秘訣。
今まで通りにやれなくても、今の状態を楽しむ自分を大切にする心が、これからの希望ではないでしょうか。
ケース2・53歳、親の介護と症状で苦しくなる
「更年期を実感したのは、めまいや動悸に襲われて苦しくなる瞬間が増え、病院に行ったときでした。
最初はなにかの病気かもと思っていたのですが、診察してもらったらどこも悪いところはなく、顔のほてりや前より汗をかくようになったのも、更年期の症状ですねと言われました。
更年期、の言葉は友人たちの間でも聞くようになっていたけれど、まさか自分もこんな状態になるとは思わなかったですね。
いま、寝たきりの母親を自宅で介護していて、お世話に追われる毎日なのに今度は私にも不調が出てしまい、具合の悪いときは呼ばれてもすぐに動けないし満足なケアもできないし、苦しくて涙が出るときもあります。
せめて親の介護がなければ、私ももっと自分の更年期と向き合えたかもしれないけれど、そうなれない現実がつらくてしばらく落ち込みました。
でも、これじゃいけないとインターネットを使って更年期について調べ、友人たちにも相談しました。
似たような症状があった人やもっとつらかった人、日常生活が送れなくて大変だった人など、話を聞いていると”みんな苦しいんだなぁ”と思って。
それと気がついたのが、『みんな更年期とだけ向き合えるような現実じゃない』ってこと。
仕事に家庭、子どものこと、私のように親の介護をしている人だって少なくないし、そんな中で何とかやっているんですよね。
それを思うと落ち込んでいられなくて、今は空いた時間にウォーキングしたり好きなドラマを観たり、上手に気分転換することを心がけています」(53歳/専業主婦)
★ どんな症状が出るかは人それぞれで、こちらの女性のように体の異変を感じて更年期に気がつく、という女性も多いと思います。
「更年期を迎えることは怖くなかったの。いつか来るだろうとは思っていたけど、こんなに苦しいとは知らなくて」と彼女は話していましたが、苦しみを加速させるのは親の介護に集中できないことで、不調を感じながらのお世話は本当に大変だと想像できます。
意識が変わったのは、周りの友人たちも同じように症状を抱えながら日常と向き合っていることを知ったとき。
こんなにつらいのだから、本当は更年期のことに集中したい。でも現実ではそれは難しく、何とかバランスを取りながらやっていくしかない。
だったら、その現実といかに折り合いをつけていくかを考えるほうが、ずっと健全だといえます。
彼女は、運動不足を自覚してウォーキングを始め、しばらく観なくなっていたドラマなどを楽しむ時間を持って、”自分のケア”を意識しています。
その前向きな姿勢が、不調を遠ざけるきっかけにもなるのではないでしょうか。
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