「こうえて」ではありません!「肯えて」の読み方、知っていますか?
ごく当たり前のように触れている漢字。読み慣れた漢字であれば、サラリと読むことができますが、時々「え、なんて読むの…」と困惑するような漢字に直面すること、ありませんか?
漢字にはさまざまな読み方があり、間違えてしまうこともあるでしょう。でも、人前で読み間違えたりすると、恥ずかしい思いをすることも。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
「肯えて」の読み方、知っていますか?
「肯定」などで使われている「肯」という漢字。「コウ」と読む人が多いかと思いますが、「肯えて」を「こうえて」と読むのはNGです。
また「~えて」という送り仮名から「ふまえて」と読んだ人もいるかもしれませんが、「ふまえて」は「踏まえて」と書きます。
平仮名で「○えて」と表記されることが多いので馴染みがないかもしれません。でも、よく耳にしているはずですよ!
正解はこちらです!
「あえて」です。
漢字で表す際、「敢えて(あえて)」のほうが馴染みがあるかもしれません。「肯えて」も「敢えて」も、読み方と意味は同じです。
① (肯定にも否定にも用いる) 困難な状況をおして。積極的に、力いっぱいに。
② (否定辞と呼応して用いる)
(イ) (強めていう) いっこうに。さっぱり。決して。
(ロ) (ふつうは、そうでないのではないかと思われることでも、取り立てて異をさしはさまない態度を、積極的に示す) 別に、取り立てて。わざわざ…するというのではない。引用元:精選版 日本国語大辞典
なお、「肯」の漢字の成り立ちはとてもユニーク。
「肉」の字の象形を表す「月(にくづき)」をもった「肯」の字。これは「肉が骨に密着している様」の形であり、「骨にかたくついた肉」を表します。この表現が本記事で紹介した「肯えて」や、「もっともだと思って承知する」を意味する「肯う(うべなう)」などの意味に用いられるようになりました。
「肯」の字の読み方は「肯えて(あえて)」や「肯う(うべなう)」など独特なものばかりですが、漢字の成り立ちと意味のつながりを知ると興味深いものがありますね。
参考文献:肯 漢字一字 漢字ペディア
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