年収1500万稼ぐ人が「無意識のうちにやっている」本の読み方、たった1つの共通点は
ちょっとタイムリーな話題から。つい先程発表されたニュースによれば、日本人の国際的な読解力が15位に急落したそうです。
これは世界79の国と地域から、日本の高校1年生を含む60万人の子どもが参加し、その結果が公表されたものです。
「読解力が低下する」この現象の原因は何なのか
実はこれ、私のような小児教育学や子供の脳科学を専門に研究している研究者や科学者にとっては、非常にショッキングなニュースとして波紋を広げています。
(出典・「国際学力調査 日本 課題の読解力で15位 前回より下がる」NHK 2019/12/3)
世界的な競争力の低下が叫ばれるなかで、日本人の子供の読解力がどんどん低下し続けている。
そのうえで、子供たちに「プログラミング教育」や「早期英語教育」をやらせて、本当によいのだろうか。間違っていないのだろうか?そうした論議が日増しに高まっています。
ただ、教育システムというのは、一度決まると、そう簡単には変更できません。私たち親にできること。それは、大切な子供たちの読解力が下がらないよう、家庭で読み聞かせをおこなったり、本の正しい読み方を教えることぐらいです。
また、今回の順位について、ゆとり教育や、そもそも本を読まなくなったことが理由として述べられています。
しかし、私は理由はそれだけではないと思います。私たち大人こそ、本の正しい読み方、科学的に有効な読書術をほとんど知らない現実を、もっと正面から受け止めるべきだと思います。知らない知識を、子供に伝えることはできません。
「高速読書」なら子供やお年寄りでも1冊を15分で読める理由は?
また、こうした話をするとよく聞かれるのが、そんなに速く読むと記憶に残らないのは?という質問です。
ですが、科学的に考えると真逆です。1冊に1週間もかけてしまっては、最初のほうのページはどんどん忘れてしまいます。時間もかかり過ぎるので、注意力が散漫になり、印象に残りづらい。
速く読むから、記憶に残る。時間をかけないから、集中できる。科学的に考えると、これが正しい公式なのです。
たとえば、この「高速読書」では1冊の本を30分で3回繰り返して読むことを推奨しています。1冊につき3回分の読書を合計30分でこなしていきます。まず、最初の1回を15分。次に10分、最後に青ペンで殴り書きしたり線を引いた部分だけを5分で拾い読みします。
この1冊の本を30分で3回読むわけですから、記憶に残ります。なにより、最初からきちんと読んで覚えなければ、という心理的なプレッシャーも無くなります。バトンリレーのごとく、どうせあと2回読むわけですから、最初は流し読みでよいわけです。
【高速読書のサイクル読み】
・1回目 15分 立ち読みのように流して読む
・2回目 10分 ドックイヤーや気になったところをペンで引きながら読む
・3回目 5分 青ペンで書き込んだところを読書ノートにまとめる
誰でも、店員さんの目を気にしながら、ビジネス本や健康本、あるいは旅行雑誌などを書店で立ち読みしつつ、流し読みした経験があるはずです(笑)。
「なぜ、立ち読みなら誰でも高速で読めるのか」というと、最初から目的が明確なうえ、全部最後まで読まなきゃもったいない、という心理的なプレッシャーがないからです。
この状況を再現できれば、正直、子供でも1冊を15分で読むことは可能です。記憶にも残ります。大量に本を読めるので、読解力にもつながります。
もちろん、一般的な読書のスピードに比べれば、かなり速い方法といえるでしょう。それでも、速読教室や眼筋トレーニングなどの特別なレッスンも一切必要ありません。
一方で、これまでの「速読法」には、1冊3分で読めると謳ったものもあります。しかし、はたして本当に1冊3分で読むことが、人生にとって有益かを考えなければなりません。
目を速く動かすために、眼筋を酷使する訓練をしなければならない読書法は、子供やお年寄りにはできません。そんなことをしたら、脳だけでなく、目までおかしくしてしまいますから。また、脳科学の分野では1冊3分の速読としても脳のメモリーや構造的に、全く記憶できないという結果も出ています。(2016年カリフォルニア大学による論文)。
高速読書で一番大切なのは、最初に目的を明確にすること
続いて、高速読書で本を15分で読むテクニックです。細かなテクニックはこのあと紹介するとして、まず私が皆さんに最初に強調したいのが、あなたが手にした本を読む「目的を持つ」ことです。
あなたの目的が明確になればなるほど、本を速く読めるようになります。それどころか、本がそのまま仕事やキャリアの道具に変わります。そのレベルに到達するためには、読書の目的を明確にすることが必要なのです。
また、認知脳科学的に見ても、目的を明確にすることはとても有益です。「脳を味方につける」ことができるからです。
脳は、あなたの目的に沿って、みずからアンテナを立てて、その答えを見つけるすごい機能を持っています。「目的」というヒントを与えれば、勝手にその答えを追尾してくれるわけです。
これを読書に活かさない手はありません。
このように、「高速読書」は人間の「脳」の特性を、少しだけ科学的に利用して、子供でもカンタンに読書法をマスターできる手法なのです。
さて、次回と最終回の次々回では、いよいよ究極の読書時短術のテクニックについて紹介してきます。お楽しみに。
(つづく)
次回コラムまで待てない方はこちらをチェック̻̻
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