知られざるお金持ちおじさんの豪快な節税テク「金売買」って?
国税局を辞めて、芸人になりました。さんきゅう倉田です。
売上が半分に下がった芸人たちのために、ツイッターで持続化給付金情報を流し続けています。無数にやってくるDMでの質問には答えていませんが、みなさんがどのようなことで困っているのかを把握するために活用しています。
最近、不動産投資家のなかで流行っていた金の売買に関連して、税理士が脱税で告発されました。税理士が脱税をするのは、警察が汚職をやり、プールの監視員がプールサイドを走り、本屋の店員が立ち読みをするような、信じられないことです。
税理士は、税理士資格を失い、すでに納税したようですが、納税を済ませても、脱税の罪は免れません。これから司法によって裁かれることになります。
そもそも不動産投資とは?詐欺寸前の案件も多い
最近は、20代の会社員の女性も不動産投資を行っています。会食で知り合った「え?こんなお金に興味なさそうな子もやってるの?」と思うことがあるくらい、業種や働き方を問わず広がっているようです。
広がっているからといって、みんながやっているかというと決してそんなことはなく、一部のよく調べていない人に留まります。
不動産投資は、マンションをローンで買って、それを賃貸に出して、リターンを得る投資です。
適正な家賃を設定し、入居者がいれば利益がありますが、人気のない土地にあるマンションを購入させられ、ずっと入居者が入らず、事前に説明された保障も打ち切られ、ローンの支払いだけが続くような状態も散見されます。
自分で住むのとは、考え方が違いますね。
それでも、「会社員でもできる節税」などと謳って、不動産会社からの勧誘が増えており、ぼくの携帯電話にも頻繁に電話がかかってきます。
彼らに対しぼくは、気分が良ければ「なぜ、この番号を知っているんですか?」と聞き、気分が悪ければ「あなたはどんな不動産を持っているんですか?」と聞いています。
ここで登場する、お金持ち専用節税「金の売買」とは
不動産の賃貸では、昔から、課税売上割合を調整するために、さまざまな工夫が行われていました。課税売上割合については難しいので割愛しますが、不動産投資家たちが税金の還付を受けるために、税法の隙間を突いて頑張っていたと思ってください。
そして、最近まで行われていたのが、金の売買だったのです。
例えば、100万円分の金を購入し、それをすぐに売却します。売値と買値に多少の差額があり、手数料もかかるので、99万円で売れたとしましょう。そのお金で、さらに99万円分の金を購入し、98万円で売ります。
このような作業を繰り返すと、100万円で金を何度も売買することができます。しかし、手元に残るお金は少しずつ減っていきます。
一見すると、お金が減るだけの無駄な売買です。では、何のために売買するのかというと、事業者としての売上を増やすために行うのです。
99万円で金を売り、また99万円分の金を買って、次に98万円で売れば、金の売上は197万円です。これを繰り返して、売上を増やすと、不動産投資をしている人は、消費税の計算上有利になっていました。
ただし、これを不動産投資家が自分で行うのは難しく、税理士に手数料を支払って依頼するのが一般的でした。
一度、利益の出ている大口の不動産投資家に指南できれば、不動産投資家同士の繋がりから紹介を受けて、次々に顧客を増やすことができ、このコンサルティングに特化した税理士もいたようです。
仕組みの裏をかくのは合法。しかし、脱税は罪です
取材で話を聞いた年収1億円の不動産投資家は「税理士への手数料で20%払っても、消費税の還付が受けられるなら、利益は出る。ただ、仕組みはよくわからないけど」と言っていました。
金の売買を行うことで、課税売上割合を調整することは違法ではありませんでした。(その後ルールが変わって、できなくなりました)。
ただ、そのコンサルティングで得た利益を、申告しないというのは考えられないことです。
税理士とは適正な納税を促す職業でありながら、どうしてそのようなことをしたのか、話を聞いてみたいものです。
投資や貯金を「始める」のは大変だけど、何かを「やめる」ことは意外とできるもの。
お金持ちになった人たちにはいくつかのパターンがあります。
基本的に〇〇しない、多くの人は××だと思っている。
そんな類型を抽出して、電子書籍を出版しました。
アマゾンのkindle unlimitedにも収録されているので、利用者なら実質無料で読めます。
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