「はる」ではありません!「穿る」の読み方、知っていますか?
漢字には、日常生活でよく見かけるものもあれば、あまり馴染みのないもの、漢字自体は見たことがあるけど送り仮名がつくと読み方がわからなくなり戸惑ってしまうものなど、さまざま。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
本記事でご紹介するのは「穿る」。なんと読むか、知っていますか?
「穿る」の読み方は?
「穿る」と書かれると「なんて読むの?」「こんな漢字あったっけ」と戸惑ってしまう人も少なくないはず。でも「穿く」と書くと「あ〜なんか見たことある」と思う人もいるのでは?ズボンやはかまなどを「はく」ときに「穿く」が用いられることがあります(「履く」とも書きます)。
だからといって「穿る」を「はる」と読むことはできません。
「穿る」の読み方は、意味を知ると思い浮かべられるかもしれません。
「穿る」は
1 穴を掘るようにつつく。また、つつき回して中の物を出す。〇〇る。
2 隠されているわずかなものを、ことさらに追及する。〇〇る。1 つついて穴をあけたり、穴の中からかきだしたりする。〇〇〇る。
2 細かいことまでとりあげて追及する。〇〇〇る。出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
正解は…
正解は「ほじる・ほじくる」です。
「耳をほじる」を漢字で表すと「耳を穿る」になります。なんだか印象が変わりますね…。
「穿」を用いた言葉の豆知識
なお「穿」には
①うがつ。ほる。ほじる。ほじくる。穴をあける。
②はく。下半身に衣類をつける。
③つらぬく。出典元:穿|漢字一字|漢字ペディア
の意味があります。ここに書かれている”うがつ”とは
①穴をあける。掘る。
②物事の本質や人情の機微などを言い当てる。
③ズボンやはかまなどをはく。出典元:うが-つ|言葉|漢字ペディア
の意味です。
「うがった見方をする」という表現を聞いたことありませんか?あの「うがった」は「穿った」と書きます。
「うがった見方をする」は誤用されやすいことでも有名です。「うがった見方」の「うがった」が表すのは“物事の本質や人情の機微などを言い当てる。”なのですが、「疑ってかかるような見方」と否定的な意味合いで使っている人が少なくありません。「穿つ」と「疑う」が似ているからかもしれませんが、「穿つ」には「疑う」などの否定的な意味はありません。
本来は「うがった見方」は考え方や洞察力を高く評価する言葉として表すことができるのですが、文化庁が発表した平成23年度の「国語に関する調査」によると
「うがった見方をする」の意味は
- 物事の本質を捉える見方(本来の意味)…26.4%
- 疑ってかかるような見方(間違った意味)…48.2%
となっています。褒めるつもりで「うがった見方」と使うと誤解されてしまう可能性も。「うがった見方」は「物事を深く掘り下げた見方」「 本質を突いた見方」と言い換えて伝えたほうがいいかもしれません。
参考文献:「うがった見方」は,良くないのか。 – 言葉のQ&A – 文化庁広報誌 ぶんかる
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