「じんじん」ではありません!「仄仄」の読み方、知っていますか?
パソコンやスマホの普及により、漢字を書く機会が少なくなった昨今。実は聞き馴染みのある言葉なのに、その漢字を見て「え、これなんて読むの?!」と戸惑った経験がある人も少なくないはず。
そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
1:「仄仄」の読み方、知っていますか?
「仄」という漢字を使う機会、少ないかもしれませんね。2002年に公開されたホラー映画『仄暗い水の底から』には「仄」という漢字が使われています。その読み方から推測して「仄仄」を「ほのほの」と読んだ人・・・非常に惜しいです!
正解はコチラ!
「ほのぼの」です。
「仄仄」には
[副](スル)
1 かすかに明るくなるさま
2 ほんのり心の暖かさなどが感じられるさま
3 わずかに聞いたり知ったりするさま
[名]夜明け方。引用元:小学館 デジタル大辞泉
という意味があります。
「仄仄」は、「仄か(ほのか)」という言葉を繰り返すことで表現されています。「仄か」の意味は、
1 わずかにそれと認められるさま。かすか
2 心や意識がぼんやりしているさま。かすか
3 量や程度がわずかなさま引用元:小学館 デジタル大辞泉
を表す形容動詞です。「仄か」を繰り返すことで、“かすかに明るくなるさま”や“心の暖かさなどが感じられるさま”を強調したのではないでしょうか。
はっきりとした明るさを描くのではなく、かすかに明るくなっていくさまを示す「仄仄」という漢字には、日本語ならではの感性が感じられますね!
出典>>「じんじん」ではありません!「仄仄」の読み方、知っていますか?
2:「反故」の読み方、知っていますか?
「反故」とは
1 無駄に捨てる。
2 ないものとする。役に立たないものにする。引用元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
例文には「用紙を反故にする」「中立条約を反故にする」などが挙げられます。ニュース記事などを見ていると、時折目にする漢字です。
ただ、「反故」の「反」の字に引っ張られて「はんご」と読んでいませんか?「はんご」と読むのは間違いです。
正解はこちら!
正解は「ほご」です。
古くは
- ほうぐ
- ほうご
- ほぐ
- ほんぐ
- ほんご
とも読まれていた「反故」。
いずれの場合も「はん」の読みではないので、「はんご」の読み間違いには今後も要注意です。
「反故」は漢語で、「反(ほん)」が「裏返す」、「故(ご)」が「使用済みの紙」で「書き損じた不要の紙」を表していました。そのうち意味が転じて
- 不要なものとして捨てる
- 役に立たないものとする
- 約束を破る
などの意味で使われるようになりました。
出典>>「はんご」ではない!「反故」の正しい読み方、知っていますか?
3:「索漠」の読み方、知っていますか?
「検索」などでおなじみの「索」に、「漠然」の「漠」。「今回の漢字クイズは全然難しくない」と感じた人もいるかもしれませんが、なんとなく聞き馴染みのある音に引っ張られて「さつばく」と読んでしまった人もいるのではないでしょうか。
正解はこちら!
正解は「さくばく」です。「検索」の「索」と「漠然」の「漠」で浮かんだ読み方で合っていますよ!
「索漠」は
心を満たすものがなく、もの寂しく感じるさま。荒涼として気のめいるさま。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。
「索漠」と「殺伐」の違い
さて、「索漠」の誤読例に「さ“つ”ばく」があるのですが、「つ」と間違えてしまうのは、よく似た言葉「殺伐(さつばつ)」に引っ張られるからだと考えられます。
「殺伐」は
一 穏やかさやあたたかみの感じられないさま。とげとげしいさま
二 人を殺すこと。荒々しくむごい・こと出典元:三省堂 大辞林第三版
を意味します。
出典>>「さくまく」じゃないよ!「索漠」の読みや使い方を知っていますか?