2度の離婚と乳がん。私はどうしても自分の病気のことを言い出せなかった【100人の更年期#36】

閉経の前後5年を一般に、更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。

 

私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?

オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)

 

【100人の更年期#36】

今回の女性プロフィール

53歳、スキンケアブランド代表取締役。メディカルアロマアドバイザー。2度の離婚経験あり。都内マンションに娘と二人暮らし。8年間付き合っている彼氏あり。

 

6年間、誰にも話せなかった。私が乳がんになったということを

かれこれ3年ほど前、50歳ごろから、自分が更年期に入っているな、と感じています。

40代の間は更年期を気にかける余裕がなかった。

というのも、今から9年前、45歳の時に「乳がん」を経験したからです。

 

45歳、私はちょうど2回目の離婚をしたばかりでした。

「やっと自由になれた!」と開放感を味わっていた矢先、腫瘍を指摘されました。ですがその先が長く、1年ほど良性か悪性か白黒がつきませんでした。

何度検査をしても医師は「わからない」を繰り返すばかりで、結局私はメンタルをやられてしまいました。

モヤモヤを抱える毎日で抗うつ剤をのみながらの生活でした。

 

乳がんは「その先どうするか」自己決定する要素もある。ひたすら迷う病気

診断のつかない中、私が来る日も来る日も脳内で考えていたのは、「もし悪性だった場合」のシミュレーション。

「もし悪性で、乳房を全摘したらどうなるか?」→再建する?しない?

「一部切除ならどうなるか?」→下着で隠せるものなのか?

「抗がん剤を使ったらどうなるか?」

「治療の期間を1年ごとに区切ったらその後の生活は?」

こんなふうに、脳内でチャート図を作っては、繰り返しなぞっていました。

きっと、頭の中だけでもクリアにして、自分を律したかったんだと思います。

 

結局は、はっきりしない状態に業を煮やして、手術をしてもらうことにしました。

ですが、この過程でも医師への不信がつのりました。

その時の会話はとてもよく覚えています。

4センチくらいの傷が横方向に残ることを告げられ絶句している私に対して

 

「胸に傷のある人なんていっぱいいるよ」

 

この医師の一言で、それまで1年なんとか持ちこたえていた気持ちがガラガラと崩れてしまいました。

医師は一日何人もの患者さんと対しますから、それはもちろんそうでしょう。よかれと思って励ましてくれたのでしょう。

でも、私にとっては人生で初めての大きな決断。ほかにたくさんいるからといって、私が負う傷の深さが変わるわけではありません。

 

泣きながら手術を受けました。あとから思えば決してそんなことはないんですが、どうしても「女として終わった」気持ちを拭えません。こうして自分を追い込み、その後6年間は乳がんの話は封印して誰にも話せませんでした。

 

でも、人生は変わる。私はアロマテラピーと出会った

こうして私は医療不信の状態に陥り、自分の身体にも心にも傷がついた気持ちとも向かい合いながら、必死でがんを乗り越えました。

そのあと、50歳になってから、やっと自分の体調そのものに目を向けるようになりました。

すると体のあちこちから悲鳴が聞こえてきたんです。

 

まずは夜、寝ている間のホットフラッシュ。

まるで全身がおねしょをしたように布団が濡れてしまって。

 

そのあとは頭痛と肩こりが始まりました。

鍼灸に通いましたが全く改善せず、そうこうするうち、ある日、左の肩甲骨に激痛が走りました。

この原因は今でも不明ですが、こうした肩こりや痛みは更年期にはよくある、みんなが人知れず抱える症状のようです。

病院に行ってもよくならず3ヶ月湿布を貼ったまま。

湿布をずっと貼っているので肌が荒れてボロボロになってしまって…。

 

ですが、ある日親しい婦人科の先生から紹介されたアロマオイルを使って

ゆるゆるとマッサージしたらスーッと軽くなるのを感じました。

もしかしたら自分にはアロマテラピーがあっているのではないかと自分なりに勉強し始めました。

 

自分の仕事が自分の体験でより深まっていく。それも更年期

私は30代後半の一度目の離婚の後、自立をしなくてはとスキンケアブランドを立ち上げました。

美容の勉強はしたつもりだったのですが、当時の「無添加ブーム」に乗って「水」にこだわっていたので、香りを足すという発想がなかった。

お恥ずかしながら「スキンケアブランド」を作りながらも、がむしゃらに経営だけを頑張り、さまざまな美容や健康法などには全く精通していませんでした。

 

でもアロマテラピーの勉強を始めたら本当にそれが楽しくて。

 

朝、起きると手がこわばってグーパーできないので、寝る前に温めるようにアロマオイルでマッサージ。

部屋には気分によってディフューザーで香りを焚くようにしたり。

派生して栄養の勉強もして、自分の食生活にミネラルが足りていないことを自覚し、食事やサプリを工夫したりするようになりました。

すると気分も前向きになってきて、更年期と向き合ってみようと思うようになりました。

 

「私は悲しい」「私は具合が悪い」ともっと表現していい

私、日本の女性ってもっと声を出していいと思うんです。

不調に対して。

とかく日本の女性は「気力で乗り切る」が多いんですけど、もっとオープンに話した方がいいと思います。

 

自分が医療不信を経験したせいで、婦人科に行くのが「面倒」とか「ちょっと怖い」という気持ちはよくわかります。

ですから、その手前で不調のことを話し、分かち合えるスペースを作ろうと、アロマテラピーを教えてくださった婦人科の先生と一緒に「更年期セミナー」を開くようになりました。

月に1度のペースで先生から更年期のお話をしてもらって、参加者さんから質問を受けたり、

「あるある!」って声に出してもらったり。

いま、私は、こうしていろんな女性たちに、私を経由して自分の体の変化に耳を傾ける時間を持ってもらえるのが嬉しいです。

更年期はつらいですけれど、つらいばかりではないんです。

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