【岩井志麻子】なぜ日本では「女性リーダー」が増えないのか?

2020.08.18 WORK

違法薬物はダメ絶対、だけど。変態というものに対し、私は差別心や偏見は持ってない。
むしろ、尊敬と畏怖の対象だ。私みたいなただのスケベと違い、何かを極めた達人、エロの高いステージに立つ人々、高度な好奇心や新規開拓心を持つ強者だから。

そして違法薬物と変態行為って、女がみずから手を染める、自発的に手を出すものじゃないんだって。もちろん例外ってのは、どこの世界にもいるけれど。その二つをやってる女って、必ずといっていいほど男に教わった、男に仕込まれてる、んだそうだ。

女というものは「自発的」ではない?

それから女子刑務所に取材に行き、まずは塀の低さに驚いた。さらに建物全体、一つの棟ごとには鍵がついているけれど、各部屋には鍵がついていなかった。
男子の刑務所なら、塀は途方もなく高く、各部屋すべて外から頑丈な鍵がついている。
刑務官によると、女性は絶対にといっていいほど脱走しない。命懸けで刑務官に反抗したり、徒党を組んで暴動を起こしたりしない。だから塀は低く、鍵も少ないのだ。

女性受刑者は、みな模範囚ですよ。逃げきる自信がないなら逃げないし、反抗や抵抗は無駄だし刑期が伸びる、進級が遅れる、損ばかりとわかっている。計算と我慢ができるんです。ひたすら大人しく良い子にして規則を守り、一日も早く出所しようとする」

 

いま、受動的であることは悪いのか?

そういえば、女性ホームレスというのもかなり少ない。男は不安でも自由を求めたがるが、女はとにかく屋根と壁のあるところで守られることを求める。
受け身である、受動的であることは、昔は女の大きな美徳とされた。今もその風潮は残っているものの、あまり手放しには誉められず、自発的に進む女性、能動的に活躍する女性は賞賛や期待もされるようになっている。

しかし私個人は、管理される方が楽、従う方が向いている、という態度や生き方を悪いとは全然思わない。逆行するようだが、それらは女性の美点でもあるだろう。だから、管理職になりたがる女性が少ない、と嘆くのはなんかもやもやするんだわ。

もちろん、管理職になりたい、と前に出る女性も素敵だし、応援するけどね。でもって、管理職になりたがる女がイコール変態というつもりなど毛頭ないが。
「自発的に変態になる女が増えれば、女性管理職も増えるんじゃないか」と真面目に考えてしまう。

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この記事は
作家 岩井志麻子

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