「ろんう」ではありません!「論う」の正しい読み方、知っていますか?|漢字クイズ3選
馴染みのある漢字でも、普段見慣れている言葉とは違う送り仮名がついた途端「え、なんて読むの?!」と戸惑ってしまうこと、ありませんか?
本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。
第1問:「論う」の読み方は?
「論う」とは
物事の理非、可否を論じ立てる。また、ささいな非などを取り立てて大げさに言う。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
「論う」の正しい読み方ですが、「論」に当てはまる文字数はなんと4文字。漢字と送り仮名で表すと「論う」とたった2文字なのですが、ひらがなで表すと「〇〇〇〇う」で5文字になります。
正解は…
正解は「あげつらう」です。
「論」の読みには
- 音読み ロン
- 訓読み(常用外)あげつらう・とく
出典元:論|漢字一字|漢字ペディア
とありますが、「論う」は常用漢字表にはない読み方のため、一般的には「あげつらう」とひらがなで表記されていることがほとんどです。「論」の基本的な読み方は「ロン」なので、「論う」は一度覚えてしまえば忘れない言葉になるのではないでしょうか。
「論う」はどんな時に使う?
「論う」は元々、議論するという意味合いで使われていました。「論」には“物事の道理を説く”、“すじみちを立てた話や文章。考え。見解。”といった意味があります。ただ現代では否定的な事項を取り上げて非難するような意味合いで使われることが一般的です。
また面白いことに「論う」と「あげつらう」では類語が異なることがわかりました。
- 論う…話しあう、論じ合う、論ずる、論を立てる など
- あげつらう…はやしたてる、からかう、バカにする、皮肉を言う など
出典元:Weblio類語辞典
とはいえ、辞書の例文に「人の欠点をいちいち論う」と記載されているように、やはり現代では非難する意味合いで使われることが多いので、「話しあう」「論ずる」の意味合いで「論う」を使うのは避けた方がいいかもしれません。
出典>>「ろんう」ではありません!「論う」の正しい読み方、知っていますか?
第2位:「謙る」の読み方は?
「謙」という字から、敬語の一つ「謙譲語」が思い浮かんだ人もいるのでは?とはいえ、「謙」に「〜る」がついた「謙る」を文字で見る機会はあまりありません。そのため、なんと読んだらいいかわからない人も少なくないはずです。
「謙る」の読みのヒントは「謙譲語」ですが、だからと言って「けんる」と読んではいけませんよ。
「謙る」は「謙譲語」の意味を説明するときによく登場します。文字で見る機会は少なくても、耳にしたことはあるかも!?
正解は…
正解は「へりくだる」です。
「謙る」は
相手を敬って自分を控えめにする。謙遜(けんそん)する。卑下する。
出典元:小学館 デジタル大辞泉
という意味です。
先で紹介した「謙譲語」の意味にも「へりくだる」は登場します。
謙譲語
話し手が聞き手や話中の人に対して敬意を表すために、自分または自分の側に立つと思われるものや動作などをへりくだって言い表すもの。
出典元:三省堂 大辞林第三版
なお「謙る(へりくだる)」は、「減る(へる)」と同じ語源とする見解が。「減る」には、「数・量・程度などが少なくなる」「下げる」「減らす」などの意味合いがあります。その意味合いが、「自分の立場を下げる」「身分を下げる」につながり、今の「謙る」の意味になったのではないかと言われています。
出典>>「けんる」ではもちろんありません。「謙る」の読み方、知っていますか?
第3問:「啜る」の読み方は?
「啜」の漢字にどことなく見覚えを感じている人の中には、「〜る」の送り仮名から連想して「つづる」と答えた人もいることでしょう。しかし「つづる」は「綴る」と書くため間違い。でも、非常に惜しいです!
読み方のヒントは「口(くちへん)」と意味にあります。「啜る」の意味は、
1 液状のものを吸い込むようにして口の中に入れる。
2 垂れた涙や鼻汁を息とともに吸い込む。出典元:小学館 デジタル大辞泉
です。
正解は…
「すする」です。
「啜る」とよく似た「綴る」の成り立ちを調べると、「綴る」は会意形声(意味を表す漢字と音を表す漢字を合わせたもの)文字で、「糸」と「つなぎ合わせる」を意味する「叕(テツ→テイ)」で成り立っています。
「啜」も「口」と「叕」で成り立っていることから、食べ物を口とつながるように食べる様が浮かびますね。
出典>>「つづる」ではない!「啜る」の読み方、知っていますか?スポンサーリンク