山内惠介、憧れの内館牧子に”愛のうた”の制作秘話を聞く
脚本家や作家としてだけでなく、演歌の作詞家としても数々のヒット作を生み出してきた内館牧子さん。学生時代からそんな内館さん作詞の歌を歌い続けてきた山内さんが、念願叶って憧れの人と対面。
演歌への愛を語り合いました。
「テレビで山内さんが歌っているのを見て、
CDを買ったのよ」(内館)
山内:僕は以前からずっと内館さんにお目にかかりたいと思っていたんです。テレビドラマ「想い出にかわるまで」のノベライズを学生時代に読んだりしていたもので。
内館:まあ、ありがとうございます(笑)。高校生か中学生ぐらいのときにっていうこと?
山内:そのぐらいだと思いますね。ずいぶん大人な本を読んでいたんだなと自分でも思います(笑)。それともうひとつは、内館さんが鳥羽一郎さんに作詞された曲がとっても印象に残っていまして。
内館:「カサブランカ・グッバイ」ね。ユリは、たしかあなたのシンボルマークでもあるものね。
山内:そうなんです! よくご存じで。あと小林旭さんに書かれた「腕に虹だけ」も、歌手になる前に、よく歌わせていただきました。
内館:よく知っているわねぇ。私、鳥羽さんを前から好きだったの。「海の男」だけでなく、ちょっと違う色気があるなと思ったのね。それで何かでお会いする機会があったときに「鳥羽さんのファンなんですよ」と伝えたら、「歌を作りませんか」って言われて。だから私、「ラブソングなら」って言ったんです。そうしたら、鳥羽さんが真っ赤になっちゃって(笑)。「俺、歌えません!」っておっしゃるから、「ちゃんとおしゃれなラブソング作るから」と約束して作った曲なんです。
山内:あのとき鳥羽さん、イメージがすごく変わられましたものね。
内館:照れちゃって大変だったんだけど、私、ジャケット写真にまで全部指示出してね。「こういうスーツを着て、レジメンタルのタイをしてください、カサブランカは下に向けてこう持って」って(笑)。
山内:それはもう鮮烈に覚えています。女性の「別れるときはドアの前にカサブランカをさりげなく置いていってほしい」という歌詞もものすごくおしゃれで……。
内館:しゃべらないのが大人の別れだって決めている女性でね。「腕に虹だけ」と2曲ともヒットして、紅白歌合戦に出たの。
山内:そうでしたよね。素晴らしいですね!
内館:(作詞家の)星野哲郎先生が内館くん、キミ偉いね、100パーセントじゃないか。僕はそこまでいかないよ」って(笑)。
山内:内館さんご自身が、本当に演歌がお好きなんですね。
内館:昔から演歌が大好きで、気になる歌い手さんのCDは必ず買うことにしているんです。自分のお金で初めて買ったレコードが、殿さまキングスなんだから(笑)。
山内:「なみだの操」ですか?(笑)
内館:そう、1973年の大ヒット曲。もちろん「唇スカーレット」も『山内惠介 The BEST 18singles』も買ったわよ。
山内:ありがとうございます!
内館:最初にテレビで見たのは、「風蓮湖」の頃だったと思います。スラーッとした王子様系でYOSHIKIにも似てるじゃない。
山内:たまに言われます(笑)。
内館:その人がどんな歌を歌うんだろうと思ったら「風蓮湖」だったの。これはいい歌だと思って、これもCDを買ったんです。
山内:えーっ、うれしいです!
気になる「山内惠介の会いたい人」対談の全編は発売中の『ゆうゆう』2020年11月号(こちら)に掲載されております。「山内惠介の会いたい人」は、2020年9月号より連載中です。是非チェックしてみて下さい!
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【プロフィール】
うちだて・まきこ●1948年秋田県生まれ、東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、13年間のOL生活を経て
88年に脚本家デビュー。以後、NHK朝の連続テレビ小説「ひらり」「私の青空」、大河ドラマ「毛利元就」など人気作品を手がける。『終わった人』『すぐ死ぬんだから』など著書も多数。小説『十二単衣を着た悪魔 源氏物語異聞』が映画化、11月6日(金)より全国公開される。2000年より10年間、横綱審議委員会委員。03年大相撲研究のため東北大学大学院に入学、06年修了。
やまうち・けいすけ●1983年福岡県生まれ。2001年「霧情」で歌手デビュー。09年「風蓮湖」がオリコンで50週ランクイン、14年「恋の手本」で初のオリコンTOP10入りを果たす。15年、日本レコード大賞で日本作曲家協会選奨を受賞。15年より5年連続「NHK紅白歌合戦」出場。現在、最新シングル「残照」が好評発売中。11月6日(金)日本武道館にて「山内惠介デビュー20周年記念リサイタル・ファイナル」を行う予定。その他公演情報は山内惠介公式HPにて。
撮影/園田昭彦 スタイリング/高山良昭(山内さん) ヘア&メイク/小林葉子(山内さん) 取材・文/北 菜穂子 撮影協力/八芳園
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