接客中の急な滝汗、成績もガタ落ち。49歳女性を襲った苦難

「突然顔がかーっと熱くなる」

「夏でもないのに、急に顔や頭から滝のように汗が出る」

40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、様々な体や心の不調に悩まされるもの。

顔のほてりや汗、のぼせなどの症状は、更年期特有の不調で「ホットフラッシュ」と呼ばれています。
そんな辛い不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師 清水 みゆきさんに教えてもらいました。

index
1.汗がダラダラ。気になって仕事に集中できない日々
2.もし、あなたが「大量の汗」に気づいたら、その原因は
3.更年期のホットフラッシュは漢方で根本的な改善を目指す
4.我慢しないで!更年期のホットフラッシュをスッキリ解決!

更年期の歩き方(1)

汗がダラダラ。気になって仕事に集中できない日々

更年期の典型的な症状が、急なのぼせや汗。どんな経緯をたどるのか、実際の事例をご紹介します。

 

48歳になったころから、それまで順調だった生理周期が、短くなったり早くきたりと乱れるようになってきました。更年期だからかなと思っていたら、急に顔がカーッとのぼせる、汗がだらだら止まらないと不快な症状がひどくなってきました。

 

気温に関係なく顔が真っ赤になり、大量の汗で化粧くずれもひどいので、営業先でも気になって仕事に集中できません。営業成績もガタ落ちして、やり場のない怒りというかイライラもとまりません。

 

『このままではまずい・・・どうにかしなくちゃ』と婦人科を受診したところ、更年期のホットフラッシュと診断されました。私には乳がんの既往があるため、医師からホルモン補充療法ではなく漢方薬をすすめられ、試してみることにしました」

薬局でこのようにお話をしてくださったのは、保険会社の営業職として働いているあゆみさん(仮名)49歳です。

 

当初、あゆみさんには気や血のバランスの乱れの体質改善を目的として、加味逍遙散(かみしょうようさん)という漢方が処方されました。

 

ですが、あまり効果を感じられないということで、2週間後に再度医師に相談。自分では気にしていなかったそうですが、そういえば最近、便秘がちで市販の便秘薬を飲んでいるということを伝えたところ、便秘を改善し、血や気の滞りをよくする桃核承気湯(とうかくじょうきとう)という漢方に変更になったそうです。

 

桃核承気湯を飲み始めてすぐにまず便秘が改善し、イライラすることも減ってきたということでした。そのまま飲み続けて1か月後には、のぼせが和らいで汗もかなり気にならなくなったとおっしゃっていました。

 

1度目の漢方のときは効果がいまいち実感できなかったので、漢方は長く飲まないと効かないのかなと思っていたけれども、2度目の漢方が劇的に効いたので驚いたと笑顔でお話ししてくださいました。

 

ホットフラッシュの悩みから解放されたあゆみさんは、またイキイキと仕事に取り組んでいらっしゃいます。

もし、あなたが「大量の汗」に気づいたら、その原因は

  • 急に顔がかーっとほてる
  • 気温が高いわけでもないのに、のぼせたり、どっと汗がでたりする
  • 寝ているときにも多量の汗をかいて起きてしまう

こんな症状に心当たりはありませんか?
もしかしたらあなたのその症状は、更年期によるものかもしれません。
更年期のホットフラッシュは、以下のような原因で生じます。

女性ホルモン(エストロゲン)の減少

女性は40歳後半から50歳代になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。 このホルモンバランスの乱れが、血管の収縮と拡張をコントロールして体温や汗を調節する自律神経を不安定にして、急なほてりやのぼせ、発汗といったホットフラッシュの症状を引き起こしてしまいます。

血(血液)や気(生命エネルギー)の滞り

東洋医学的には、女性は月経の度に血(血液)を消耗するため、更年期になると血が不足し、血から栄養を与えられる気(生命エネルギー)の量や巡りが悪くなり、いろいろな不調を引き起こすと考えられています。

気や血の巡りが悪くなると、体にいらない熱が生まれて、ほてりやのぼせ、急な汗といったホットフラッシュの原因となります。
また、気や血のバランスが乱れ、体の中に熱が過剰な場所と不足している場所が生じると、顔はほてるのに、手足は冷えるといった冷えのぼせも引き起こします。

 

ホルモン補充以外にも、漢方で根本的な改善を目指せる

ホットフラッシュの代表的な治療法には、ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy:HRT)があります。ホルモン補充療法は、不足しているエストロゲンを飲み薬や貼り薬、塗り薬などで補うことで、ホルモンバランスの乱れを和らげ、閉経した後のホルモン状態にスムーズに体をあわせていく治療方法で、 ホットフラッシュには特に効果的です。

 

ですが、ホルモン補充療法には、不正出血、乳房がはる・痛む、吐き気などの副作用や、まれに血栓症を起こすリスクがあるので医師の管理下の治療が必要です。また、乳がんや子宮体ガン、心筋梗塞などにかかったことがある人は、ホルモン補充療法を受けることができません。

 

「ホルモン補充療法には抵抗がある」
「ホットフラッシュがおきない体質になりたい」

 

そんな方には漢方薬による体質改善がおすすめです。

 

漢方薬は自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。
また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指すものですので、「薬で辛さや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す…自分の健康に自信を持てない…」と悩む方に最適です。

 

さらに、栄養バランスのととのった食生活や、ジョギングや筋トレを続けるのは難しいという場合でも、漢方薬の場合は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。

 

ホットフラッシュの症状に対しては、漢方薬をホルモン補充療法(HRT)とあわせて併用することもあります。

今回のお客様の症状改善に役立った漢方薬は「桃核承気湯(とうかくじょうきとう)」という、便秘やイライラを伴うホットフラッシュにお悩みの方によく使われるものでした。桃核承気湯は、滞った血や気の巡りをよくして体にこもった熱を取り除き、ほてりやのぼせを改善します。

 

更年期のホットフラッシュには、他にはこのような漢方薬が有効です。

  1. イライラを伴うホットフラッシュの方:加味逍遙散(かみしょうようさん)
    乱れた気のバランスや血の巡りをよくして上半身の熱を冷まし、ホットフラッシュを改善します。
  2. 上半身ののぼせ、肩こり、頭痛などが気になる方:桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
    滞った血と水の巡りをよくして熱バランスを整えて、のぼせを改善します。

ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

 

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもよいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

生活習慣の改善、運動のほか、漢方も視野に入れて

「突然顔が熱くなる」「夏でもないのに、急に顔や頭から滝のように汗が出る」もしかしたらあなたのその不調も、更年期によるものかもしれません。

更年期の不調は、生活習慣の改善やホルモン補充療法と並び、漢方薬も有効です。我慢しないで、根本改善を目指していきましょう。

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師  JAMHA認定ハーバルセラピスト
製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。
現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。

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