「私、閉経したら女として終わりなのかな?」うつうつとする48歳の更年期対策は【薬剤師解説】

「気分が落ち込む日々が続く」「うつうつとしてやる気がでない」40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、様々な体や心の不調に悩まされるもの。

ホルモンバランスの影響で気分が落ち込んだり、不安感が強くなることがあります。悪化すると、不眠やうつ病、食欲低下による体重減少の原因となることもあり早めのケアが必要です。

そんな辛い不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師 清水みゆきさんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(4)

40代、最近気分がふさぐことが多い…その原因とは

■女性ホルモン(エストロゲン)の減少

女性は40歳後半から50歳代になると、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。このホルモンバランスの乱れが自律神経を不安定な状態にするため、気分が落ち込みやすくなります。

また、更年期は、子育て、仕事、親の介護などストレスが増えやすい時期と重なりがちです。ストレスは気持ちの落ち込みを悪化させる原因となります。

■気(生命エネルギー)の不足や滞り

漢方では、気分の落ち込みやうつは、気(生命エネルギー)の不足や滞りが原因と考えられています。

女性は月経の度に血(血液)を消耗するため、更年期になると血が不足し、血から栄養を与えられる気の量や巡りのバランスが悪くなりがちです。
気が不足すると、体が弱るだけでなく、気持ちもしっかり持てなくなります。そして、気の巡りが悪くなって停滞すると、うつうつとした気持ちや不安が続いてしまいます。

こうした更年期の気分の落ち込みには、漢方が効くケースが多々あります。特に印象に残る事例を2つご紹介します。

 

「閉経したらもう女として終わり?」うつうつとしていた48歳女性

 

「生理が不順になってきた頃から、白髪や抜け毛が増えはじめ、

肌の乾燥、耳鳴り、疲れやすさを感じるようになってきました。

急に老け込んだ気がして、

『このまま閉経したら私はもう「女性」じゃなくなるの?』と不安でいっぱいに……。

更年期が怖くなり、家にこもってうつうつとした日々を過ごすようになってしまいました」

 

心配した家族のすすめで婦人科を受診したところ、じっくり話を聞いてくれた一回り年上の女性医師の更年期や閉経後の体験談に勇気づけられ、更年期への恐れが薄れてきたそうです。さらに、漢方薬の力もかりることで、気分の落ち込みも和らぎ、さらに耳鳴りや疲れやすさなども改善したということでした。

「副作用がつらくて抗うつ薬は飲み続けることができなかった…」54歳女性

「ちょうど閉経と子どもの独立が同じタイミングだったのですが、

その頃からひどく気分が落ち込むようになり、

夜もぐっすり眠れず食欲もわかなくなりました。

心療内科を受診して抗うつ薬を処方されたのですが、

薬を飲むと気持ちが悪くなり吐き気がするので飲み続けることができませんでした。

どうにかしたいと藁にもすがるつもりで、漢方を試してみることにしました」

こちらのお客様の場合は、漢方を飲み続けることができるかまず1週間試していただきました。初めての漢方だったそうですが味も香りも抵抗なく、胃もたれや不快な変化もないということでそのまま飲み続けていただいて、気分の落ち込みや睡眠トラブルも改善することができました。

 

更年期の気分の落ち込みの改善方法

更年期が原因の精神的な不調は、病院でホルモン補充療法や抗うつ薬や抗不安薬による治療を試すほか、今回ご紹介した例のように漢方薬も効果が期待できます。

病院での代表的な治療方法

■ホルモン補充療法(Hormone Replacement Therapy:HRT)での治療

更年期障害の代表的な治療法には、ホルモン補充療法があります。ホルモン補充療法は、不足しているエストロゲンを飲み薬や貼り薬、塗り薬などで補うことで、ホルモンバランスの乱れを和らげ、閉経した後のホルモン状態にスムーズに体をあわせていく治療方法です。 

ですが、ホルモン補充療法には、不正出血、乳房がはる・痛む、吐き気などの副作用や、まれに血栓症を起こすリスクがあるので医師の管理下の治療が必要です。また、乳がんや子宮体ガン、心筋梗塞などにかかったことがある人は、ホルモン補充療法を受けることができません。

ただし、気分の落ち込みなどの精神症状の場合、ホルモン補充療法を受けても効果が十分出ない場合もあります。

■抗うつ薬や抗不安薬での治療

気分の落ち込みや不安感、焦燥感が強い場合は、抗うつ薬や抗不安薬なども有効です。

パキシルなどの抗うつ薬は、飲み始めに吐き気、食欲不振、下痢などの副作用がみられることもあります。また、効果が実感できるでるまで、2週間~1か月かかることもあります。
デパスなどの抗不安薬は眠気やふらつきなどの副作用や依存性を起こすリスクもあります。

漢方で根本的な改善を目指す方法

「抗うつ薬での治療には抵抗がある」

「気分の落ち込みを根本的に改善したい」

そんな方には漢方薬による体質改善がおすすめです。

漢方薬は自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。

また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指すものですので、「薬で辛さや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す…自分の健康に自信を持てない…」と悩む方に最適です。

さらに、栄養バランスのととのった食生活や、ジョギングや筋トレを続けるのは難しいという場合でも、漢方薬の場合は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。

更年期の気分の落ち込みには、次のような漢方薬がよく使われます。

1.気分がふさぎがち、喉の詰まったような感じがある方:半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

 気の巡りをよくして不安神経症を改善します。

2.胃腸が弱く、心身ともに疲れている方:加味帰脾湯(かみきひとう)

 気と血を補い体力を回復させながら、精神不安や不眠を改善します。

3.のぼせや急な発汗(ホットフラッシュ)やイライラを伴う方:加味逍遙散(かみしょうようさん)

 乱れた気のバランスや血の巡りをよくし、体にこもった過剰の熱をおさえて精神を落ち着かせます。

 

ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもよいでしょう。

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

 

漢方で心の悩みをスッキリ解消!

「気分が落ち込む日々が続く」
「うつうつとして外出する気もしない」

もしかしたらあなたのその不調も更年期によるものかもしれません。
漢方で気分の落ち込みを改善して、更年期も前向きに、笑顔で過ごしていきましょう!

 

<この記事を書いた人>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 清水みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師  JAMHA認定ハーバルセラピスト

製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。

現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中です。

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