正しいのはどっち?「お召し上がりください」or「召し上がってください」
敬語とは、話し手や書き手が、相手や話題にのぼっている物事・人物に対して敬意を表すもの。日本語では、敬意の表し方によって尊敬語・謙譲語・丁寧語の3つに分けられます。
ただ、会社や仕事などで出会うさまざまな人と敬語で話すとき、「尊敬語・謙譲語・丁寧語をうまく使い分けられているか、自信がない」という人も少なくないのでは?
そこで本記事では、敬語クイズを出題していきます。
目上の人に食べものを勧める際、あなたはなんと言いますか?
正しいのはどっち?
どちらも耳にしたことがある言葉かと思いますが、実は「文法的に」正しいのはA、B、のどちらか一方だけです。
正解は…
「召し上がってください」です。
「食べる」の尊敬語は「召し上がる」です。そのため、目上の人に食べものを勧める際は、尊敬語で「召し上がってください」と伝えましょう。
一方の「お召し上がりください」は、「本日中にお召し上がりください」といった文言を見たり聞いたりした人は多いはず。日常生活でよく見かける表現のため、正しい印象を受けますが、厳密には間違った敬語表現です。先に紹介した通り、「食べる」の尊敬語は「召し上がる」で、その頭に「お」をつける必要はないのです。
それでも「お召し上がりください」は多くの人が慣用※的に使っているため、自然な表現に聞こえるかもしれません。ですが「言う」の尊敬語「仰る(おっしゃる)」に同じように「お」をつけてみてください。「お仰る」は違和感がありますよね。他の尊敬語の頭に「お」をつけると、「お召し上がりください」が文法的に間違いであることに気づかされます。
とはいえ、「本日中にお召し上がりください」は食品表示の裏側などにも記載されているくらい、日常生活に馴染んでいる表現ともいえます。絶対に使っていけない敬語とは言いきれないものになっています。言葉は時代とともに柔軟に変化していくものです。正しい敬語表現とともに頭に入れておき、場面場面で使い分けられるといいですね。
※習慣的に用いること。また、習慣として世間に広く使われること。(出典元:小学館 デジタル大辞泉)
参考文献:本郷陽二『大人の語彙力 敬語トレーニング100』(2018年、日本経済新聞出版社)
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