松任谷由実、このスピリチュアル炎上の多い時代に「無傷」なワケ

2020.12.04 LIFE

スピリチュアルに傾倒した小林麻耶が大炎上しています。この、目に見えないもの、非科学的なものを、どう信じるかというのは、実はその人の人生の中での「オトコ運」、ひいてはすべての人間関係のポイントになるのではないかと思っています。

 

「目に見えないもの」は男女の関係を左右する?

たとえば、女優・藤原紀香がお笑い芸人・陣内智則と結婚していたときのこと。紀香と言えば、みなさんご存じのとおり、スピリチュアル好きですが、紀香と結婚したことで、陣内もその影響を受けたようです。

 

「オーラの泉」(テレビ朝日系)に出演した陣内によると、紀香のすすめで仕事の前に神社に行ったり、天然石のブレスレットを渡されていたそうです。陣内の先輩、千原ジュニアはその様子を「手首から肘まで全部ブレスレット」と茶化していたことがあります。

 

紀香の現在の夫、愛之助は紀香と出会う前から「目に見えないもの」と関係が深いようです。「おしかけスピリチュアル」(テレビ東京)では、UFOが見えた、子どもの時から神様と話ができたというエピソードを披露しています。証明できないからといって正しくないとは言い切れませんから、こういうことは「そういうのが好きな人同士」がうまくいく、ということでしょう。

 

「ご縁」、その確かに存在するが正体の掴めない何か

UFOとか前世となると、好き嫌いが分かれそうな話ですが、これが“縁”となると、妙な説得力があるのではないでしょうか。

 

「初めてあったときに、結婚すると思った」という話はみなさんも聞いたことがあるでしょう。うまくいったから、なんとでも言えるんだよという見方もできるでしょうが、最初に会ったときに「いい感じ」がする人もいれば、何もされていないのに「いやな感じ」がする人がいるのも事実。

 

私は理屈っぽいので、前世とか言われると表面的には合わせていても、心のなかでヒくのですが、それでは「目に見えないもの」を信じていないかというと、そうでもないのです。

 

どうして生まれてきたのか、なぜこの親の子どもなのか、どうしてあの会社に採用されたのか。なぜあの人と交際して別れ、そしてこの人と結婚したのかを理屈で説明できる人はいないでしょう。

 

もちろん、〇〇社に就職するためには、最低でもあのレベルの大学を卒業していなければ厳しいという目安や、婚活では若さや美しさが大事という攻略法はあると思いますし、そのあたりの研究を怠ってはいけないと思います。

 

しかし、最終的に決まるかどうかは、縁です。そういう意味では、この世は縁に満ちていると言えるのではないでしょうか。

 

スピ系の先駆者として堂々君臨するユーミンのレベル

もし世の中が“縁”でできているのだとしたら、「目に見えないもの」とどうつきあえばいいのでしょうか。それを考えたとき、私がおすすめしたいのがユーミンこと松任谷由実のスタンスなのであります。

 

Jポップ界のレジェンドとして、「中居正広の金曜日のスマイルたちへ」(TBS系)に出演したユーミン。誰もが歌える歌というのが失われつつありますが、ユーミンの歌は10代はジブリ映画のテーマソングとして親しみ、60代は青春の思い出として胸を熱くしていることでしょう。

 

そのユーミン、世の中に「スピリチュアル」なんて言葉が浸透していないときから、そちらの世界と相性がいいことをご存じでしょうか。

 

インタビュー集「ルージュの伝言」(角川文庫)に「口をきけないものとかと交信してたということ、よくあるの。花とかね。空飛ぶ円盤なんかも二回ぐらい見てるし」「霊とかの存在も信じてるよ」というように、「目には見えないもの」を感じる力を持っていることを明かしています。

 

それでは、「目に見えないもの」を生活の基準にしているかというと、そうでもないのです。ユーミンはご存じのとおり、実家が呉服店です。絵を描くことが好きだったユーミンは美大に進学して、着物のデザインをやろうかなと思っていた時期もあったそうですが、志望校と学科について、こんなふうに話しています。

 

単なるスピリチュアリストではないユーミンの現実把握能力

「自分ですごく私らしいと思うんだけど、競争率のことなんか計算したわけよ(中略)。私は倍率の少ないところで、準備をしといて勝つタイプだと思ったわけ。けっこうね、そういうの用意周到に考えるの」

 

つまり、負ける喧嘩はしないということでしょう。これは仕事に関しても同じようです。

 

「お互いインディペンデントなんだから、あんまりウェットに仕事をするのはよそうっていう考え方だから」と、情で仕事をしないと決めているようです。

 

芸能人にとって雑誌は自分をアピールする大事な場所ですが、「私、雑誌の購買層とか発行部数とかっていうのは、みんな侮っているかもしれないけど、ちゃんと調べ上げているわけよ」と“お取引先”をクールに分析しています。ある雑誌にはサービスがよく、ある雑誌には協力的ではないと文句を言われることもあるそうですが、「それは発行部数とターゲットの問題だからしょうがないんじゃないの」とはっきり言うそうです。

 

「会っていない人」は「友達ではない」のか?

まとめると、ユーミンは受験や仕事のプロモーションなど、「結果がはっきり見える」ことに関しては「目に見えないもの」を持ち込んでいないと言えるでしょう。それでは「目に見えないもの」をどこに用いているのか。創作活動はもちろんですが、もう一つ、人との関係だと思うのです。

 

「雨音はショパンの調べ」でおなじみの小林麻美が、芸能界に復帰しました。AERA.dotによると、麻美とユーミンは親友でしたが、麻美の芸能界引退を機に「友達をやめる」決断をしたそうです。

 

結婚したくらいで仕事をやめなくても……と思うでしょうが、実は麻美の恋愛は少し訳ありでした。

 

麻美は当時の所属事務所の社長に恋をし、激しくのめりこんだそうです。二人とも独身でしたが、「社長が商品に手を出す」のはご法度な時代。麻美は37歳のときに、結婚せずに社長の子どもを出産することを決めます。

 

今でも女性が独身のまま出産するとガタガタいう人がいますが、当時だったらバッシングはその比ではないでしょう。麻美は周囲に迷惑をかけることを恐れて芸能界を引退する決断をするのです(のちに、社長と結婚しました)。

 

本当のことを言うだけが親友ではない、見習うべき態度のあり方

こんな時、安っぽいドラマだったら、「いつまでも私たちは親友」と抱き合うのでしょうが、ユーミンは違った。「友達でい続けるのは、それはそれで大変だったと思う」と事態を受け入れます。

 

しかし、麻美が芸能界に復帰したことで、交流が復活し、食事に行ったりしているそうです。ユーミンは麻美との空白の時間を「気持ちは繋がっていると思う25年間でした」と話しています。気持ちは繋がっているけれど、ただ会わないだけ。そう思っていたのではないでしょうか。

 

そんなユーミンが、「金スマ」において、「中島みゆきをどう思うか?」と質問され、「たぶん仲が悪いほうが人は面白いかもしれないけれど、すごい好きですよ、彼女のこと」と答え、「彼女も私のことを好きだと思いますよ」と結びました。

 

この発言から、実際にユーミンが中島みゆきに「あなたのこと、好きよ」と言われたことがないことが予想されます。それなのに、勝手に「私のことを好きだと思いますよ」と言えるのはなぜか。

 

それがユーミンのスピリチュアルだからだと思うのです。「会っていない人」「友達と確認が取れていない人」を「友達です」「好きです」というのは、勇気がいることではないでしょうか。私なら、それは相手に失礼だなと思うので言えません。しかし、それでは、頻繁に会っているから友達なのかというと、それもまた違う気がするのです。

 

友情というのは「感じるもの」。合うと思った人とは合うし、何年経っても生きていればまた会える。スピリチュアルというのは、巷に出回る「愛される」「お金がもうかる」などという即物的なものではなく、人智を超えた大きな愛なのかもしれないと思ったのでした。

 

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