月経量が減っていき、イライラが爆発…49歳、これって更年期?【薬剤師が解説】

「最近怒りっぽくなったとよく言われる」「落ち込んだりイライラすることが増えた」40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか? 日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、様々なからだや心の不調に悩まされるもの。

些細なことにイライラする、気分にムラがあるなどの症状は、更年期特有の不調で「精神神経症状」と呼ばれています。

そんなつらい不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師、道川佳苗さんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(6)

部下のちょっとしたミスを怒鳴りつけてしまい、孤立…生理不順が始まったころからイライラしやすくなったMさん(49歳)

--数年前から疲れやすくなり、体力の衰えを感じていたのですが、ここ最近いっそうひどくなったように感じます。生理周期は短くなり、たまに生理が来ない月もありました。経血量も減ってきました。生理の様子がおかしくなってきたころからですかね、イライラすることが増えてきたのは。

 

今までとは違い、イライラするのに突然不安になるなど、毎日気持ちも体調も安定しません。そのためか、夜も寝付きが悪く、熟睡できずに疲れが取れないという悪循環に陥っていました。

 

私はメーカーの営業の管理職として働いているのですが、今までは難なく仕事をこなせていたのに、最近は自分の頑張りではこなせない仕事も増えてきました。その度に『私はもう必要のない人材なのかもしれない』と思うようになりました。自分に対してのもどかしさで日常的にイライラしている状態で、それだけで気が滅入り疲れてしまいます。

 

ついこの間は、部下のちょっとしたミスに対して、これでもかってくらい怒鳴りつけてしまい、人が周りから離れていくのを感じました。

 

このままでは部下からの信頼も失ってしまう、と危機感を覚え、友達にも打ち明けました。そうしたら、その友達も少し前までは同じ様な症状で悩んでいたことを知り、漢方薬局を勧められました。思い切って漢方相談をしてみることにしました。

 

更年期のイライラってどんな症状?

更年期のイライラ症状には、特徴があります。

・いつもなら気にならない些細なことに急にイラっとする

・突然悲しい気持ちに襲われる

・気分にムラがある

 

このように、イライラの症状だけでなく、突然悲しい気持ちになるなど、気持ちの浮き沈みがあることが更年期の精神症状の特徴です。

 

更年期にイライラの症状が出るのは、女性ホルモンの分泌が急激に少なくなることにより、自律神経のバランスの乱れが引き起こされることが関係しています。

 

また、ホルモンの分泌の乱れだけでなく、更年期の年代は、職場での責任ある立場、親の介護、夫の定年などの、さまざまなライフスタイルの変化と重なる時期です。そのため、余計に症状が悪化することがあります。

 

イライラ以外の症状は?

イライラの症状以外に、更年期で見られる心の症状をご紹介します。

・カッとなる

・気分が落ち込む、情緒不安定

・だるい、疲れやすい

・よく眠れない

 

これらは精神神経症状といわれ、最近では更年期のさまざまな悩みの中でも、これらの心の症状が増えてきているといわれています。

 

更年期のイライラには漢方がおすすめ

漢方の考え方では、からだの症状だけでなく心の症状に対しても全体的にバランスをとるように働きかけます。

「ホルモン補充療法には抵抗がある」

「イライラを生じない体質になりたい」

 

そんな方には漢方薬がおすすめです。

漢方薬は漢方医学の長い歴史と多くの症例により効果が認められているお薬です。自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないと言われています。

また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指すものですので、「薬で辛さや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す…自分の健康に自信を持てない…」と悩む方に最適です。

さらに、栄養バランスのととのった食生活や、ジョギングや筋トレを続けるのは難しいという場合でも、漢方薬の場合は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。

漢方医学を日常生活に取り入れて、快適な生活を送ってはいかがでしょうか?

 

<イライラする方におすすめの漢方>

・加味逍遥散(かみしょうようさん):イライラ、怒りやすい、肩こり、頭痛、めまいなどさまざまな症状がある人に向け。

・抑肝散(よくかんさん):イライラ、怒りやすい、不眠などの症状がある人向け。

 

ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、普段は相談しにくい悩みにも答えてもらえます。

 

一人で悩まず相談して

自分の感情がコントロールできなくてつらい思いをしたり、「イライラするのは性格のせい」などと自分を責めてしまったりと、一人で悩んでしまう人もいるのではないでしょうか?しかし、更年期の年代では、ホルモンバランスやライフスタイルの変化などにより、イライラや不眠などの症状が出やすくなります。一人で抱え込まず、専門家に相談して解決策を見つけてくださいね。

 

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執筆/あんしん漢方 薬剤師 道川佳苗

漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、調理技術、栄養学を学ぶため服部栄養専門学校に入学し卒業する。現在は今までの経験を活かし web上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。

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