これって更年期?だるすぎて家事ができないのに「怠け者」と夫に罵られ…

「朝からなんとなくだるい」「寝ても疲れがとれない」40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?

 

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、さまざまなからだや心の不調に悩まされるもの。

 

だるくてやる気が出ない、疲れやすくなったなどの症状は、更年期にもみられる不調です。
そんなつらい不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師、道川佳苗さんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(11)

怠け者!と夫に罵られる日々…もう耐えられない

現在45歳の早紀さん、管理職でバリバリと働く日々を過ごしています。しかし、最近になって今までに感じたことにない不調に悩んでいるそうです。

 

「最近朝からからだがだるくて。頭も肩も重だるくて、なにか石でも乗っているみたいなんです。寝て起きても疲れが取れないので、一日中だるいんです」

 

仕事では管理職としてチームをまとめている早紀さん。責任も重く、仕事の手を抜くことはできません。

 

「仕事は気合と責任感でなんとか頑張れている感じです。ですが、家庭の事となるともういっぱいいっぱいで..…」

 

最近では、好きだった料理も手を抜きがちでお惣菜に頼ってばかり、部屋は常に散らかっている状態でした。

 

「もちろん、自分でもこんなぐっちゃぐちゃの部屋は嫌です。でも、疲れ果てて、全然片付ける気にならないの。仕事から帰ってくると、だるくてソファーで横たわってしまいます」

 

そんな毎日が続く中、夫から衝撃的な一言を言われたのでした。

 

「いいかげんにしろよ!いつまで怠けているんだ。家事はお前の仕事だろ!」

 

夫は亭主関白なタイプで、家事を今まで一切してこなかった人でした。

 

「今まではそんな環境でも頑張れていたのですが、『ぷつん』と感情の糸が切れてしまって。涙が止まりませんでした。仕事も頑張って、家事も一人でやるなんて無理よ!なんであなたは何もしないの!!」

 

早紀さんはご主人からの一言がきっかけで、なにもかもが嫌になったと言います。

 

「でも仕事には行かなきゃだし、いつまでも落ち込んでいるわけにはいきません。落ちるところまで落ちたら、『この状況をなんとかしなきゃ』という気持ちになりました」

 

だるさは水分代謝が悪いせい?

早紀さんは「だるさ」をなんとかしようと、仕事の合間や休みの日に、ネットや雑誌を片っ端から調べたそうです。

 

もう45歳なので、更年期の年代だとは薄々気付いていたのですが、受け入れたくなくて。でも、色々調べてみると『だるさ、疲れ』は更年期症状でも出ることがあると書いてありました。また、更年期のだるさに漢方薬が効いたという例もいくつか目にしました」

 

早紀さんはダメ元で近くの漢方薬局を訪ねてみることに。薬剤師さんは親身になって相談に乗ってくれ、「だるさは血と水の巡りが悪いことが原因。水分代謝を改善すれば、だるさも改善される」との説明を受けたのでした。

 

「からだが重だるいのは、水分代謝がうまくいっていなかったのが原因だったなんて。考えたこともありませんでした」

 

また、薬剤師さんからは、更年期のだるさは、自律神経のバランスが乱れて代謝がうまくいかないことも原因になる、と説明されました。

 

早紀さんは、だるさやむくみに効果があるという当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)という漢方薬を処方され、しばらく続けることにしました。

 

からだが驚くほどスッキリしてきた

当帰芍薬散を続けて2週間、まず感じたのは足のむくみがスッキリしてきたことだそうです。

 

「実は、だるさ以外にも、足のむくみにも悩んでいました。お風呂に入ってもマッサージをしてもダメだったむくみが、漢方薬を飲み始めてからスッキリしてきたんです」

 

その変化が嬉しくて、漢方薬を飲むのは全然苦ではなかったと言います。

 

「2ヶ月続ける頃には、朝起きてからだや頭が重だるく感じることがだいぶ減りましたし、仕事から帰ってきても家事を頑張れる日が増えました」

 

この頃から自然に笑顔も増え、夫との会話も増えてきたといいます。

 

「前向きに家事も頑張ることができて、家の中の雰囲気も良くなりました。そうしたら夫が『仕事も家事も大変だよね、おつかれさま。これからは何か手伝えることがあれば言ってよ』と歩み寄ってきてくれたんです」

 

早紀さんはとても嬉しそうな表情で話してくれました。

 

だるくて疲れやすい…これって更年期のせい?

こんな症状に心当たりはありませんか?

 

朝からなんとなくだるい

寝ても疲れが取れない

だるくてやる気が出ない

仕事から帰ると疲れ果てて動けない

 

もしかしたら、あなたのその症状は、更年期の症状かもしれません。

 

更年期に起こるだるさの悩みには、以下のような理由が考えられます。

 

女性ホルモン(エストロゲン)の減少

更年期には、だるさや疲れやすいといった症状に悩まされることが多いです。これらの症状は、女性ホルモンの減少に伴う自律神経のバランスの乱れが原因と考えられています。自律神経のバランスが乱れると、疲れやだるさを感じやすくなります。

 

血や水の巡りが悪いこと

東洋医学的には、血や水の巡りが悪いと全身の代謝が落ち、からだが重だるい、頭痛、疲れやすいなどの症状が出やすくなります。また、家庭や職場環境などのストレスも巡りを滞らせる原因になります。

 

だるさは漢方で根本的な改善を目指す

「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「だるさを生じない体質を目指したい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。

 

漢方薬は、医薬品として効果が認められているお薬です。自然の生薬からできているので、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

 

とくにホルモンバランスなど、からだ全体のバランスを整える事を目的とした漢方薬は女性の味方ともいえます。

 

また、現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な「体質の改善」を目指したい方、「薬でつらさや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す」とお悩みの方にも、ぜひ試していただきたいお薬です。

 

さらに、健康のために、栄養バランスの整った食生活や、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬の場合は、自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけですので、手間なく気軽に継続できるという利点もあります。

 

漢方医学を日常生活に取り入れることで、健康で快適な生活をめざしてはいかがでしょうか?

 

<だるさにおすすめの漢方薬>

・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):胃腸が弱い人の、疲れやだるさに用いられます。

・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷え性で体力がない人の、疲れやめまい、むくみなどに用いられます。

 

ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

 

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

 

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

疲れやだるさも放っておかずに相談を

やる気が出ない、疲れやすいなどの症状も、自分の怠惰のせいではなく更年期が原因であることもあります。一人で悩まずに、専門家に相談しましょう。漢方薬は、個人の体質や体力などを考慮した上で選んだほうが、効果も出やすくなります。つらい更年期の症状に悩まれている方は、専門家に相談して自分に合った漢方薬を見つけ、からだの内側から症状を改善していきましょう。

 

執筆/あんしん漢方 薬剤師 道川佳苗

漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、調理技術、栄養学を学ぶため服部栄養専門学校に入学し卒業する。現在は今までの経験を活かし web上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。

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