「えりごのみ」?「よりごのみ」?「選り好み」の正しい読み方とは…?!

2021.02.15 QUIZ

漢字にはさまざまな読み方があります。たった1つの漢字がいくつもの読み方を持っていることも少なくありません。そのため「え、こう書かれてるときはなんて読めばいいの?」「よく□と読まれているのにこのときは△って読むの?!」と戸惑うこともしばしば。

そこで本記事では、意外と読めない漢字のクイズを出題します。

 

第1問:「選り好み」の読み方は?

「選り好み」とは

自分の好きなものだけを選び取ること。

引用元:小学館 デジタル大辞泉

を意味します。

「選り好みが激しい人」「選り好みしないで誰とでもつきあう」などの例文が挙げられています。

“選り好みが激しい人”などの言葉を聞いたことがある人は少なくないはず。ただ、その読み方が「えりごのみ」か「よりごのみ」に分かれるのではないでしょうか。そして「“え”り」も「“よ”り」もどこかで聞いたことあるような…。

どちらかが正しくて、どちらかが間違っていたりするのでしょうか。

正解はこちら!

正解は「えりごのみ」「よりごのみ」どちらでもOKです!

「選」という漢字の読みを調べてみると

音読み セン
訓読み えら(ぶ)(常用外)(る)・(る)・すぐ(る)

引用元:選|漢字一字|漢字ペディア

とあります。

どちらで読んでもOKな漢字なので、“選り好み”せず、ぜひとも両方お使いください

出典>>「えりごのみ」?「よりごのみ」?「選り好み」の正しい読み方とは…?!

 

第2問:「嗄れ声」の読み方は?

声を表す言葉として、いくつもの「〜れ声」が頭の中に浮かんだ人がいるはずです。でも、そのどれが「嗄」に当てはまるのかがパッと分かった人は少ないはず。

「嗄れ声」の意味は

かすれていてつやのない声。しわがれた声。かれっこえ。

出典元:精選版 日本国語大辞典

「嗄れ声」はどんな声?

正解は…

「しゃがれごえ」です。「かれごえ」と読んでも正解です

「嗄」は

  • 音読み 
  • 訓読み (れる)・しわが(れる)

と読み、漢字単体で“声がかれる。しわがれる。声がかすれる。(出典元:嗄|漢字一字|漢字ペディア)”を表します。「嗄れ声」と同じ意味で「嗄声(させい)」と表すこともあります。

 

★声に関する豆知識

「嗄れ声」に似ているようで、少し意味の異なる言葉に「濁声」があります。これ、なんて読むか知っていますか?正解は「だくせい」もしくは「だみごえ」です。

「濁声」は

澄んでいない声。にごった声。だみごえ。

出典元:小学館 デジタル大辞泉

「濁声」は「悪声(悪い声。耳障りな声などを表す)」の意味で使われる印象がありますが、「嗄れ声」はどちらかというと声の調子だけを表している印象です。また英語の表現になってしまいますが、「嗄れ声」と似た言葉「ハスキーボイス」は良い意味で用いられることが多々あります。

ちなみに、この「ハスキー」はトウモロコシの皮を意味する「husk」が元になっており、乾いた殻を意味する言葉から嗄れ声を意味するようになったのだとか。言葉の由来ってとても面白いですね!

出典>>「口」+「夏」でなんと読む?!「嗄れ声」の読み方、知っていますか?

 

第3問:「徒となる」の読み方は?

「徒」は「徒歩」や「生徒」といった言葉に使われ、馴染みのある読み方としては「と」が挙げられますよね。でも、だからといって「徒となる」を「ととなる」と読むのは間違い。

また「徒となる」の読みは、ある漢字と読みが同じなのですが、「徒」とその漢字の意味は異なります。そのため、「徒となる」の意味を知ると「あれ、間違った意味で使ってたかも」と思うかもしれません。

まずは正解を見てみましょう。

正解は…

「あだとなる」です。

なお「徒となる」の意味は

むだになる。はかないものとなる。むなしくなる。

出典元:精選版 日本国語大辞典

です。

この「徒」という漢字には読みと意味がたくさん含まれています。

  • 音読み (常用漢字表外)
  • 訓読み (常用漢字表外)かちいたずら(に)・むだあだともがらただ

①かち。乗り物に乗らずに歩く。
②手に何も持たない。素手。
③いたずらに。むだ。むなしい。役に立たない。
④なかま。ともがら。
⑤弟子。門人。
⑥労役。労役に服させる刑罰。
⑦ただ(唯)。…だけ。限定や強意を表す助字。

出典元:徒|漢字一字|漢字ペディア

とはいえ、「徒歩」や「生徒」などでおなじみの読み「ト」以外は常用漢字表※外の漢字ですから、あまり見かける機会はないかもしれません。「徒となる」の「徒」が示しているのは③ですね。

 

★「徒」と「仇」の混同に注意

「あだとなる」と聞いて「仇」が浮かんだ人も少なくないはずです。「仇」ももちろん「あだ」と読みますが、「仇」が示すのは“①あだ。かたき。うらみ。 ②つれあい。相手。(出典元:仇|漢字一字|漢字ペディア)”で、「徒」とは異なります。

ただ実際には、「恩を仇で返す」「情けが仇」など「仇」を使った表現を見かけることのほうが多い印象があります。「徒となる」も、その言葉が意味するものをそのまま「むだになる」と表す機会のほうが多い気も。実際に使ってみようとすると頭がこんがらがってしまうかもしれませんが、とにもかくにも「徒」と「仇」は意味が異なりますので、混同にはご注意を。

出典>>「ととなる」ではありません!「徒となる」の読み方、知っていますか?

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