「あなた職場のお荷物よ…」更年期の立っていられないめまい、たどりついた漢方は

「からだがふらふらする」「天井がぐるぐるまわっている感じがする」
40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?

 

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。

 

この時期は、ホルモンバランスの乱れにより、さまざまなからだや心の不調に悩まされるもの。

 

めまいやふらつきなどの症状は、更年期にもみられる不調です。

 

そんなつらい不調の乗り越え方を、「あんしん漢方」の薬剤師、道川佳苗さんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(14)

体調が悪いと言い出せず…職場で叩かれてしまった陰口とは

現在44歳のさおりさん。更年期にしてはまだ若い年齢だと思いますが、職場でショックな出来事があったとのことでした。

 

「43歳を過ぎた頃から、立っていられないほどのめまいに襲われることが度々あって。

 

この間も仕事中にふらっとめまいが起こり、同僚にぶつかってしまったんです。

 

そして、ちょうどその同僚も体調不良だったみたいで、機嫌も悪く、『いたっ』と言われ、舌打ちされたんです」

 

さおりさんは落ち込んだ様子で話してくれました。

 

「実は、ほてりやイライラ、集中力が続かないなどの症状もあって、最近は職場でも迷惑をかけっぱなしだったんです。

 

そんな状況が続いていたこともあって、私に対してイライラが溜まっていたんでしょうね」

 

別の日には、こんな陰口が更衣室から聞こえてきました。

 

「さおりさんって、全然仕事してないよね。その代わりに私達の仕事が増えるっていうのにね、本当に困るわ」

 

わかってはいたものの、名指しで陰口を言われているのを聞いてしまうとショックが隠しきれませんでした。

休みの日は、外出できないくらいのめまいやふらつきで寝込むこともあるという、さおりさん。

体調が安定しない日でも無理して仕事をしているそうです。

 

「責任感は昔から強い方なんです。人員が減ってしまうと、皆に迷惑をかけてしまうと思い、なかなか休めません。

 

でも、めまいがひどい日には、出勤してもほとんど仕事にならない状態で。

 

このままでは職場での信頼まで失ってしまいそうです」

 

検査しても異常なし。意を決して打ち明けると意外な展開が…?

あまりにめまいがひどいので、耳鼻科や眼科で検査をしてもらったさおりさん。

しかし、結果は異常なしとのことでした。

 

「どこかしら悪いと思っていたので、途方に暮れました。

 

このままでは職場にも迷惑をかけてしまうと思い、思い切って職場に私の症状を打ち明けることにしました。

 

すると、私よりもいくつか年上の先輩方に『それは更年期だよ』と言われたんです」

 

まだ44歳だし、閉経も来てないし、更年期はまだ先だと思っていたさおりさんは、先輩からの指摘に驚きを隠せませんでした。

職場で自分の体調について打ち明けたことで、同僚との関係も改善に向かっていったとのことでした。

そして、さおりさんは先輩のアドバイスを参考に、漢方薬局に行って相談してみることにしたそうです。

 

ストレスがめまいの悪化の原因に

漢方薬局へ行ったさおりさん、めまい以外にも、疲れやイライラ、気分の落ち込みなど、さまざまな症状で悩んでいることを伝えました。

 

「そのように、さまざまに移り変わる症状がある人にぴったりな漢方薬がありますよ」

 

そう薬剤師さんに言われ、処方されたのは加味逍遥散(かみしょうようさん)という漢方薬でした。

 

「更年期の年代に入ってきていることに加えて、ストレスによっても症状は悪化しますからね。

 

気が逆流すると神経が高ぶり、熱がからだにたまるとほてりやすくなります。

 

自分をいたわって、リラックスすることを心掛けてみてくださいね」

 

薬剤師さんからの言葉に、さおりさんは、真面目な性格なので頑張りすぎていたのかもしれない、と気付きました。

 

「漢方薬はお茶のように飲めるので、ゆっくりと落ち着く時間も取れるようになりました。

 

飲み始めて2週間くらいで、ほてりの回数が減り、3週間続ける頃にはめまいも改善されてきました」

 

今では、漢方を飲む時間が一日のリラックスタイムになっているそうです。

 

からだがふらふらする・・これって更年期のせい?

・からだがふらふらする
・からだが一瞬浮いたようになる
・揺れているような感じがする

こんな症状に心当たりはありませんか?
もしかしたら、あなたのその症状は更年期によるものかもしれません。
更年期には以下のような理由で、めまいが起こります。

 

女性ホルモン(エストロゲン)の低下

更年期には女性ホルモンが減少することにより、自律神経の乱れが引き起こされます。めまいも自律神経の乱れが原因で引き起こされることが多く、ストレスや疲労などが引き金となって起こることもあります。

ストレスによって肝の働きが低下する

東洋医学の考えでは、精神機能を司る肝のはたらきを怒りやストレスが押さえつけることによって、めまいが起こると考えます。

肝の働きが低下するとイライラすることが増え、肝に熱を生じると気が逆流して神経の高ぶりなどを引き起こします。

 

更年期の不調には漢方薬がおすすめ

「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「めまい生じない体質を目指したい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、医薬品として効果が認められているお薬です。自然の生薬からできているので、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれているため、安心して服用いただけます。ホルモンバランスをはじめ、からだ全体のバランスを整える事を目的とした漢方薬は女性の味方といえるでしょう。

また、体質そのものに働きかける漢方薬は、現在生じている不調を抑えるだけではありません。そのため、根本的な「体質の改善」を目指したい方、「薬でつらさや痛みを解消しても、すぐにまたぶり返す」とお悩みの方にも、ぜひ試していただきたいお薬です。

さらに、健康のために栄養バランスの整った食生活や、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけです。そのため、手間なく気軽に継続できる点もメリットといえます。

漢方医学を日常生活に取り入れることで、健康で快適な生活をめざしてはいかがでしょうか?

 

<めまいにおすすめの漢方薬>

・加味逍遥散(かみしょうようさん):体力があまりない人で、肩がこる、めまいや頭痛がするなど更年期症状におけるさまざまな症状に用いられます。
・釣藤散(ちょうとうさん):中年以降で、高血圧傾向がある人の頭痛に伴うめまいに用いられます。

ただし、漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

 

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/?tag=222433c1oton0013 (サイトはこちら

 

検査で異常がない「めまい」も放っておかないで

耳鼻科や眼科では何も異常がないと言われためまいでも、更年期が原因で起こっているのかもしれません。

更年期に伴う症状には漢方薬が役立ちます。

一人で悩まず、ぜひ一度専門家に相談してみてくださいね。

 

執筆/あんしん漢方 薬剤師 道川佳苗

漢方薬・生薬認定薬剤師。調理師。薬膳アドバイザー。大学卒業後、薬局にて従事し服薬指導をする中、病気の予防、健康維持には食育が大切であると感じ、調理技術、栄養学を学ぶため服部栄養専門学校に入学し卒業する。現在は今までの経験を活かし web上で健康相談や薬膳や漢方に関する情報発信をしている。

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