
更年期の動悸、放っておいたら惨劇が…?漢方がズバりと効いた51歳の実話
「急にドキドキして息苦しくなる」「動悸でぐっすり眠れない」。40~50代になり、こんな悩みをお持ちではありませんか?
日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。
更年期にみられる不調のひとつに動悸があります。
今回は、更年期の動悸の症状や改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。
更年期の歩き方(15)
51歳、なんだか胸が締め付けられて。動悸もするように
印象に残っているお客様、Aさん(51歳女性)のエピソードをご紹介します。
Aさんはご主人(53歳)と高校1年生と中学2年生のお嬢さんの4人暮らし。ご夫婦そろって音楽鑑賞が趣味で、お子さんは二人とも吹奏楽部に所属という音楽が大好きなご家族です。
「1年ほど前から生理がきたりこなかったりと不順で、そろそろ閉経かしらと感じていました。その頃から、急に胸が締め付けられるように苦しくなったり、何もしていないのにドキドキして動悸がしたりすることが増えて」
さらに、健康診断で血圧が高めなことが判明。何か心臓に異常があるのでは?と不安な毎日を過ごしていたそうです。
「急に動悸がしても始めは気のせいかなと思っていたんです。でも、脈がとぶように感じたり、布団に入ったとたん動悸がして眠れなくなったり。不調が続くにつれて、このまま放っておいてよいのか不安で頭がいっぱいに……」
健康診断の結果、血圧が高めだったこともあり、心配になって内科を受診したのですが、検査結果は異常なし。薬も処方されませんでした。
「検査で異常がないとわかって安心はしたのですが、それでも動悸は続きます。気にしすぎだよと家族は言うのですが、本当につらいんです」
ついに外出先で倒れる。「あの恐怖は二度といや…」メンタルも不安定に
そんなある日、Aさんは子供の吹奏楽の発表会の席で倒れてしまいます。急に、それまでに感じたことがないような激しい動悸に襲われ、心臓の音がバクバクし始めたと思ったら、やがてうまく息ができなくなりました。周囲から見れば急変ですから、ちょっとした騒ぎになって会場の医務室に運ばれたのだそう。
「安静にしていたら動悸はよくなったのですが……それ以来、前触れもなくやってくる動悸が怖くて外出できなくなってしまいました。気持ちも塞ぎがちで精神的にも不安定になってしまいました」
すっかり元気がなくなったAさんをご家族が心配し、一緒に心療内科を受診しました。すると、「検査で異常がない動悸なので、年齢的にも更年期が原因かもしれないですね」と医師に言われました。そして漢方薬を処方されたそうです。
更年期障害といえば、のぼせやほてりといったホットフラッシュのイメージがあったAさんは、まさか、自分が悩んでいる動悸が更年期障害によるものだったと知って驚いたそうです。
漢方薬を飲み始めてからは、動悸や気持ちの不安定さも落ち着き、さらに血圧も正常になったと喜んでいました。
どうして更年期に「動悸」が出てしまうのか?
更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。40代後半から50代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつのエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。
このホルモンバランスの乱れによって、自律神経系のバランスが崩れて拍動や呼吸をコントロールできなくなり、動悸や息切れなどの症状が引き起こされます。
東洋医学的には、動悸は心悸(しんき)といいます。五臓の「心」のはたらきが乱れたときに動悸が生じると考えます。
心のエネルギーである心気と心の血液である心血の量的な不足、また、気(生命エネルギー)や血(血液)、水(水分)の巡りが悪くなると、<心>のはたらきに悪影響を及ぼし、動悸を引き起こす原因となります。
あてはまるものが他にもありませんか?更年期の意外な症状
更年期には、ホルモンバランスの乱れが原因となって自律神経が影響をうけるため、動悸以外にも以下のような不調が起こることがあります。
- のぼせやほてり
- めまいや立ちくらみ
- イライラしやすい、気分が落ち込む
- 寝つきが悪い、夜中に頻繁に起きる
たとえば「寝つきが悪い」「イライラする」などの症状は、一見するとストレスのせいかと思いがち。ですが、実は更年期ということもよくあります。これらは一人で抱えず、適切な対処をとることで改善ができる代表例です。
「根本的に体質を変えたい」人には漢方がオススメ
「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」「動悸が起きにくい体質になりたい」
そんな方には漢方薬がおすすめです。医薬品として「動悸」の色々な症状に効果が認められている漢方薬はいくつもあります。
漢方薬は自然の生薬からできており、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれているため、安心して服用できます。
今回Aさんが服用した漢方薬は「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」という、更年期の動悸にもよく使われるものでした。柴胡加竜骨牡蛎湯は、乱れた気のバランスを整え、からだにこもった熱や炎症を鎮め、精神を安定させて動悸や息切れを改善します。
更年期の動悸の改善には、他にも以下の漢方が使われることがあります。
<更年期の動悸におすすめの漢方薬>
- 加味逍遙散(かみしょうようさん):イライラやホットフラッシュも気になる方に。
- 苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう):めまいやふらつきも気になる方に。
- 黄連解毒湯(おうれんげどくとう):のぼせ、不眠、イライラも気になる方に。
漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。
どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。
AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。
漢方で更年期の動悸の不安から抜け出そう!
「動悸がして眠れない」
「急に胸が締め付けられて息苦しくなる」
もしかしたら、あなたを悩ませる動悸や息苦しさは、更年期が原因かもしれません。
我慢せずに専門家に相談してみませんか?
漢方でからだの内側から動悸の悩みを解決して、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう。
執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき
漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。
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