更年期で「指が痛くて家事ができない…」義母の嫌味に耐える50歳女性は

「最近、手指がしびれる」

「手指がこわばって動かしにくい」など、40~50代になり、手指が痛い、しびれると悩んでいませんか?

日本の女性は平均的に50歳頃に閉経を迎えることが多く、閉経を挟んだ前後5年間は「更年期」と呼ばれています。

この時期は、ホルモンバランスの影響で、さまざまなからだや心の不調に悩む女性が多いです。

更年期女性のお悩みのひとつに手指の痛みやこわばりがあります。

今回は、更年期の手指の痛みの改善法について「あんしん漢方」の薬剤師、清水みゆきさんに教えてもらいました。

更年期の歩き方(18)

指が痛くてペットボトルも開けられない

まさみさん(50歳)は最近、憂鬱な毎日を過ごしています。

「ここ半年ほど、右手の指の痛みが続くので困っています。とくに朝、指のこわばりや痛みがひどいので、包丁を使ったり、お皿や鍋を持ったりするのがつらいんです。痛くてペットボトルのフタもあけることができません。

なんとか朝食の準備はできていますが、私の準備が遅くなって夫の出勤や高校生の子どもたちの登校が遅刻ギリギリになってしまうこともあって…なので今は、1時間ほど早く起きて朝の支度を始めるようにしています。そのせいか、疲れもとれなくて指の痛み以外の体調もイマイチです」

朝食後の皿洗いなどの片付けや洗濯物を干す作業も、手指の痛みと戦いながらの毎日だというまさみさん。

それでも、痛みをぐっとこらえて頑張っているのは、夫や子どもたちのためもありますが、同居するお姑さんの存在が大きいそうです。

「よりによって、朝イチで夫の大事な会議がある日に、まともに包丁も持てないくらい指のこわばりや痛みがひどかったことがあったんです。前日の夕ご飯の残りでなんとか朝食の準備はできましたが、お弁当までは作れませんでした。

すると、同居するお義母さんから『家事もまともにできないの?』『お弁当のひとつも作れないなんて信じられない』と、一日中グチグチと嫌味を言われ続けて、さんざんな目にあいました。

 

私だって、今までなんともなかったことができなくなってつらいのに…しかもお義母さんは、家事は全く手伝ってくれません…それ以来、お義母さんに文句を言われないように朝早起きして、これまでの倍以上の時間をかけて家事をしています。手を動かさなければ痛くはないのですが…」

 

手指の痛みを放っておくと指が変形することもある?!

そのうち治るかもと手指の痛みを我慢していたまさみさんですが、指の痛みやこわばりは増すばかりです。

とくに冬は、冷えるせいか痛みがひどかったそうです。ずっとこのまま痛みが続いては困ると、整形外科に行くことにしました。

「検査の結果、関節リウマチではなかったようです。整形外科の医師からは『手指の痛みは更年期が原因でしょう。そのままにしておくと指が変形することもありますよ』と言われてショックでした。

年齢的にも更年期の年代ですし、そういえばこの1年ほど生理がきたりこなかったりと不順だったので納得しつつも、『更年期障害というとホットフラッシュやイライラなのでは?』といったイメージがありましたので、正直驚きました。

まさか更年期が原因で手指の痛みまで起きるとは思いませんでした。処方された痛み止めを飲み、湿布を貼ると痛みは少しはましになりますが、薬がきれるとまた痛くなるし、何も治療をせずに指が変形してしまうのも嫌で困ってしまいました」

医師にはホルモン補充療法やステロイドの注射をすすめられたましたが、それらの治療には抵抗があると相談したところ、漢方クリニックを紹介してもらったそうです。

 

漢方を飲み始めたら…指の痛みが和らいで家事ができるようになってきた

早速、紹介された漢方クリニックを受診したところ、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)という漢方薬を処方されたそうです。

桂枝加朮附湯は冷えや痛みを発散する桂皮や附子、水の巡りをよくして関節の腫れを改善する蒼朮などの生薬を含む漢方薬です。

神経痛や関節リウマチにもよく使われます。

「漢方薬を飲むのは初めてでしたが、意外と味も香りも抵抗なく、美味しく飲むことができました。実は、漢方薬で痛みが改善するなんて半信半疑。ですが、飲み始めて2週間ほどたつと、とくに朝の指の痛みやこわばりがとても楽になり、手指の痛みが軽減してきました。

医師に教えてもらい実践していた、自宅でできるストレッチやテーピングも効果的だったのかもしれませんが、つらい手指の痛みが和らいで本当にうれしいです。今ではもうペットボトルも難なくあけられますし、朝から問題なく家事をこなしています。朝早起きしないでよくなったのでしっかり睡眠時間もとれるようになり、体調もよくなってきました。

漢方薬はしばらく飲み続けましたが、今はもう飲んでいません。それでも、痛み止めの薬のように、飲まないと痛みやこわばりがぶり返すということがないのもうれしいですね。今回のことで漢方薬の効果を実感できたので、お義母さんとの関係でメンタル的につらくなった時には別の漢方薬を処方してもらおうなんて考えています」

まさみさんは明るい笑顔で話してくださいました。

 

更年期の手指の痛みの原因は女性ホルモンの減少

更年期は、女性ホルモンが一番激しく変動する時期です。

40歳後半から50歳代になると、女性のからだは、女性ホルモンのひとつエストロゲン(卵胞ホルモン)が急激に減少します。

エストロゲンは軟骨の成分であるコラーゲンの生成にも関わっており、減少すると、関節の軟骨が不足して、痛みを引き起こす原因となります。

また、エストロゲンの減少は、手指の関節や腱のまわりの滑膜に炎症を引き起こしたり、血液の循環が悪化を生じたりするため、手指の痛みやしびれの原因と考えられています。

 

指が変形する前に漢方薬で改善!

漢方薬は自然の生薬から作られていて、不調の根本的な改善と体質改善に効果が認められています。

「更年期症状がつらいけど、ホルモン補充療法には抵抗がある」
「手指の痛みが起きにくい体質になりたい」

そんな方には漢方薬がおすすめです。

自然の生薬で作られた漢方薬は毎日のむだけで、からだにやさしく作用し、お悩みの症状の根本解決と体質改善、理想の健康をめざせます。

更年期の手指の痛みの改善には、以下の漢方薬が使われることがあります。

 

<更年期の手指の痛みにおすすめの漢方薬>

・桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):月経不順や生理痛、冷えのぼせも気になる方に
・疎経活血湯(そけいかっけつとう):腰痛や筋肉痛も気になる方に。
・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう):手足の冷えやしもやけ、頭痛も気になる方に。

漢方薬を選ぶ際の重要なポイントは、その人の状態や体質に合っているか、という点です。

うまく合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に向いているのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。

 

「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

AI(人工知能)を活用した漢方のプロが、お手頃価格で、個人に効く漢方を見極めて自宅に郵送してくれる「オンライン個別相談」が話題です。

相談もスマホで完結ですので、対面では相談しにくい悩みも気軽に相談できます。

●あんしん漢方:https://www.kamposupport.com/anshin1.0/lp/

 

更年期の手指の痛みの悩みは解決できる!

 

「最近急に手指が痛くなってきた」
「手指のしびれやこわばりで動かしにくい」

もしかしたら、あなたを悩ませる手指の痛みは、更年期が原因かもしれません。

我慢せずに専門家に相談してみませんか?

漢方でからだの内側からバランスを整えて、更年期も元気な笑顔で過ごしていきましょう。

 

執筆/あんしん漢方 薬剤師 清水 みゆき

漢方薬・生薬認定薬剤師、JAMHA認定ハーバルセラピスト。製薬企業の研究所勤務を経て、漢方調剤薬局に8年間勤務。漢方薬の服薬指導、食事や養生法での健康づくりのサポート、ハーブティーやアロマの相談販売に従事。現在も漢方調剤薬局で薬剤師として働きながら、「ママのためのやさしい漢方」のサイト運営や漢方やハーブの通信講座やセミナー講師としても活動中。

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