華原朋美、運が悪すぎるミューズが絶望的に「優れている」点とは

先日、ネットフリックスで「悪魔の愛人 リダ・バーロヴァ」を見ました。リダは1914年生まれのチェコ人の女優で、ドイツで活躍しました。ハリウッドからも誘われるほどの美貌の人気女優でしたが、彼女の人生が変わるのは、ナチスドイツの宣伝大臣、ヨーゼフ・ゲッペルスと出会ってしまったこと。女好きとして知られたゲッペルスの一目ぼれでした。

 

オトコだのみで社会上層にのし上がってしまうリスクとは

権力者の力は絶大で、ゲッペルスのはからいで、リダの仕事はレベルアップし、トップ女優にのし上がります。ゲッペルスは妻子ある身でしたが、リダのことは本気だったようで、宣伝大臣をやめて、日本大使になりたいとヒトラーに申し出ています。

 

しかし、却下。というのは、ゲッペルスは独身ヒトラーの代わりに、美しい妻と6人の子どもという「バエる家庭」を宣伝するという任務を負っていたから。「いい家庭」を邪魔するものは許さないということでしょうか、リダの出演した映画はドイツで上映禁止となり、映画会社からは契約を一方的に切られてしまいます。

 

もちろんゲッペルスは助けてくれず(オトコあるある)、女優活動ができなくなったリダは故郷であるチェコに帰ります。何度も映画界に復帰しようとしましたが、各方面から妨害に会い、実際にカムバックを果たしたのは戦後10年以上たってからでした。

 

世の中は往々にして男社会ですが、オトコもしくは権力に保護してもらって仕事をもらうというのは、得策ではないのかもしれません。というのは、永遠に続く権力というものはないので、その人が失脚すると、女性側も一緒に葬り去られてしまうから。

 

表に出ていないだけかもしれませんが、往年のスターで、権力者にひきあげてもらった人というのは、あまりいないような気がします。権力者に歯向かうのは得策ではありませんが、「愛されすぎない」ことも大事なのかもしれません。

 

権力者に見いだされる幸運と不幸を体現しているのが彼女

日本で、権力者に愛され、それ故に苦しんだ人と言えば、この人以外、いないでしょう。華原朋美です。深夜番組で時折見かける顔だった彼女が、プロデューサー・小室哲哉に見初められたことでスターダムをかけあがりますが、小室が心変わりし、二人の関係は終わります。

 

しかし、彼女のすごいところは、こんな経験をしても死なないところ。フツウ、死ぬよね、こんな目にあったら。薬物中毒とかなんとか、芸能人として考えるならネガティブ報道が続きますが、華原は見事カムバックを果たしたのでした。

 

お騒がせ歌姫、最近の事件簿を振り返る

芸能界復帰、よかったよかったとならないのが、彼女なのかもしれません。2019年に出産したあと、「フライデー」に「高嶋ちさ子に紹介されたベビーシッターに、子どもを虐待された」と激白。所属事務所からも契約を解雇され、YouTubeで謝罪するなど、不安定さは続いています。

 

心配する人もいるでしょうが、彼女の最大の魅力は不安定さでしょうし、不安定な女性こそ、実はめっちゃ頑強なのではと思います。私のように理屈でああだこうだ言ってる人間のほうが秒で死にます。

 

彼女の引きの強さを示すような出来事が、「週刊女性」に報道されていました。今年の一月から約一か月間、故やしきたかじん夫人のさくらさんが華原のマネージャーを務めていたというのです。

 

さくらさんと言えば、最初は「献身的な看病でたかじんさんの最後をみとった32歳年下の女性」と報道されましたが、実際は重婚疑惑(たかじんさんと知り合ったとき、イタリア人と結婚していたのではないか)や、たかじんさんが亡くなっても親族にその死を知らせなかったことから、遺産目当てではないかと言われたりしていました。

 

同誌によると、大手出版社社員の紹介で、さくらさんと知り合った華原。さくらさんは「有名人の動画制作を行っている」と名乗ったそうです。しかし、華原の持っているマンションの売却を進めたり、動画への支払いが華原のスタッフではない人に指定されていたりと、不審なことが相次ぎ、短期間での決別となりました。

 

不安定だけど、やっぱり華原は持っている

華原には小室哲哉が作った曲の歌唱印税があるから、それが狙われたのか?と同誌は報じていますが、私がおお!と思ったのは、そこではないのです。「さくらさんがたかじんさんの後妻だと華原は知らなかったそうです」の部分を読んで、私は笑ってしまったのでした。

 

探偵は「まず依頼人を調べる」とも言われています。依頼人がストーカーなどの可能性もあるためですが、自分のマネージャーをやってもらおうとするのなら、ある程度、どんな人かを調べるのはフツウのことではないでしょうか。

 

しかし、華原はそれをしない。それでは、身ぐるみはがれてしまうかというと、そうでもなくて、「あの人は危ないよ」と言ってくれる人がいる。

 

引きが強く、危機を迎えても間一髪、ぎりぎりのところでふんばれる。もしくは助けてくれる人がいる。それが華原のすごさではないでしょうか。

 

国民的スターと呼ばれた人たちの人生は、総じて波乱に満ちています。光るものは暗い場所に置いたときに、より輝くもの。ご本人にとってはいい迷惑かもしれませんが、私生活の苦悩と芸の成功がスターには必要で、そういう意味でやはり華原はスターになるべくして生まれた人なのだと思うのです。