【NG敬語】「させていただく」「よろしかったでしょうか」って言ってない?

2021.03.31 QUIZ

敬語はとにかく丁寧であればいい、だからたくさん丁寧な要素を入れればいい。

そう考えているなら、おそらくあなたの敬語はだいたいが間違っています。

中でも代表的な間違いは「させていただく」「よろしかったでしょうか」「お帰りになられる(二重敬語)」でしょう。

間違いがちな敬語は、どう言い換えればいいのでしょうか?

 

「させていただく」のルールとは

「させていただく」については、文化庁の見解があります。

・相手側、または第三者の許可を受けて行う場合
・そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合

この2つの条件がある場合だけ「させていただく」が適切だとしています。
文化庁 文化審議会答申より

「させていただく」」は、こちらが何かを依頼して、それが許可された時に使うのが適切とのこと。

例えば

  • こちらがお願いして、部屋をお借りした時の「使わせていただく」
  • こちらがお願いして、資料を写した時の「写させていただく」

などはOKです。

出典>>「させて頂く」とは失礼!そのワケと改善案を解説

 

NG例

  • 本日司会を務めさせていただきます、〇〇と申します。

へりくだっているつもりが、しつこい印象を与えてしまいます。

 

「させていただく」予防対策は?

実はこの「させていただく」が付いている動作は、許可がいらないことがほとんどです。ですから、「させていただく」は、思い切り省くのがいいのです。

先ほどの例文

  • 本日司会を務めさせていただきます、〇〇と申します。

こちらを直してみましょう。

  • 本日司会を務めます、〇〇と申します。

ね。スッキリしたでしょう?

 

「よろしかったでしょうか」→よろしいでしょうか?だけでOK

こちらも、ビジネスシーンのみならず、一般的にも聞かれるフレーズです。

  • この方向でまとめて、よろしかったでしょうか。
  • 私どもの方でご用意する形でよろしかったでしょうか。
  • ご注文は、〇〇でよろしかったでしょうか。

この「よろしかったでしょうか」は、相手に配慮をし、自分の行動が正しいかどうか再確認する意味があります。そして、適切に使えば「誤用」とは言えません。

ただし、いわゆる「バイト敬語」とされているきらいがあり、日常で敬語を使う機会もなく社会人になり、便利なので、そのままこのフレーズだけを型にはめて使っている人が多いようです。

「よろしかった」かどうか伺うということは、再確認の意味がありますので、あまりに多用すると

「聞いていなかったの?」

と思われても仕方がないのです。
このような場合は、思い切って言いきるのが良いでしょう。

  • この方向でまとめて、よろしいでしょうか。
  • 私どもの方でご用意する形でよろしいでしょうか。
  • ご注文は、〇〇でよろしいでしょうか。

ね。ちっとも、違和感がありませんよね。むしろ、聞いている方の不安感が綺麗に消えます。つまり、「よろしかった」という過去形の言い方を「よろしい」に直せば良いのです。

敬語表現をしたつもりが、不安になっては元も子もありませんよね。ここでもシンプルが一番です。

 

ついついたくさん使いがちな「二重敬語」は整理して

次に、不安で不安で敬語を重ねてしまい、結果的におかしな言い方になっている例です。

  • 〇〇様は、お帰りになられました。
  • 〇〇様が、このようにおっしゃられています。
  • 〇時に、伺わせていただきます。

これらのフレーズも、日常でよく耳にします。

「お~になる」+「~になられる」
「おっしゃる(言うの敬語)」+「られる」
「伺う(行くの敬語)」+「~いただく」
と、敬語表現が二重になっている為、文法的にも誤りとされている言い方です。

しかし、こちらの二重敬語では、あまりに使われすぎて、文法的には間違っているけれど、認められつつある言い方もあります。

  • お召し上がりになる

もその一つです。
本来は「召し上がる」+「お~になる」という二重敬語なのです。

そうなると、どれが良くてどれが悪いのか、不安になると思いますが、ここでもシンプルイズベストのルールが適用されます。

  • 〇〇様は、お帰りになりました。
  • 〇〇様が、このようにおっしゃっています。
  • 〇時に、伺います。

ね。しっかりした日本語ですし、聞いていて潔い、自信にあふれた感じがしますよね。

出典>>敬語の3大間違い。「させていただく」「よろしかったでしょうか」「おっしゃられる」

 

心もとない言葉を何で補う?

それでも、私の敬語は足りないのではないか?と不安に思う人もいるでしょう。
その場合は、敬語表現を付け足して「盛る」のではなく、尊敬の念を持った態度で話すと良いでしょう。

例に挙げた

  • 本日司会を務めます、〇〇と申します。

の例。これで「敬意が足りているかどうか不安」なのであれば、言葉を付け足して盛るのではなく、しっかりした相手を尊敬する態度を付け足せば良いのです。
皆さんのために、自分の役目を堂々と果たすつもりだと背筋を伸ばして、しっかり頭を下げて、堂々と挨拶をすれば、もう言葉は不要ですよね。

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