
アプリの罠、不倫の甘い蜜。求めても求めても私を貪るのは
後ろ指をさされる関係とわかっていても、やめられない不毛なつながり。
不倫を選ぶ女性たちの背景には何があるのか、またこれからどうするのか、垣間見えた胸の内をご紹介します。
【不倫の精算#24前編】
これまでの記事はこちら
また、相手が既婚者なの?マッチングアプリを使う女性は
実家の自営業を手伝っているKさんは35歳。目を引くような派手な見た目ではないが、いつも柔和な笑顔でおっとりした話し方が特徴の独身女性だった。
婚歴はなく、彼氏ももう5年はいないと聞いているが、会うと女性らしさを忘れないファッションで素敵だなと感じていた。
その日、Kさんから話があると言われて待ち合わせたカフェで、
「あの、おかしな相談なのですが」
と彼女がおそるおそる口を開いたときも、マスクを外した唇はグロスのつややかな光を浮かべていた。
「アプリで出会った人に、その、嘘をつかれていて……」
落ち着きなく視線を動かしながらKさんは続ける。
「どんな嘘ですか?」
アプリならそんなことは日常茶飯事だろうなと思いながら答えると、
「実は既婚だって」
Kさんは下を向き、小声で言った。
「……」
そのとき、正直に言えば“またか”と“やっぱり”が同居したような感慨だった。
マッチングアプリを使うKさんから話を聞きはじめて長いが、出会う男性のほとんどが既婚者だった。
私は独身男性を求めているんです。なのに……
「実家の仕事では事務作業ばかりで外に出る機会がない。
出会いが望めないから仕方なくマッチングアプリを使っています」
はじめて取材したとき、Kさんはうつむいてそう答えていた。
“出会い系”と言われていた昔と違い、今はマッチングアプリで出会いを探すのは自然なことで、それ自体別に恥ずかしがる必要はないと思ったが、そう言うと
「いえ、その……。
使うのはいいんですけど、知り合うのが結婚している男ばかりで……」
と、Kさんは口ごもりながら話してくれた。
独身男性と出会いたいが、メッセージをくれる人のほとんどが既婚者であること、独身でもお互いの条件が合わずにやり取りが続かないこと、また出会った人が知り合いの可能性があるとすぐにブロックしてしまうこと。
「最初は既婚って隠しているんですよ。
仲良くなって、いざ会おうかってときになって『実は……』って言われて、そこで断っていました」
“アプリってこんなものなのか”という失望を覚えながら、Kさんは気が合いそうな独身男性を求めて利用を続けていたそうだ。
だが、ある男性との出会いが、「一線を超えるきっかけになった」という。
「その人とは、どうしても会いたくなってしまって」
「会ってみてもいいかな」という油断がおかしな気を引き起こす
その男性は、Kさんが昔いた業界で仕事をしており、懐かしさから話がはずんだそうだ。
「ちょっと特殊なんですけど、私とまったく同じ業務内容だったから理解できることが多くて。
向こうも女性がこれをしていたっていうのが珍しいみたいで、いろいろと話してくれました」
それ以外にも、返信を急かさないところや今のKさんの仕事を応援してくれること、趣味などでも話が合い、自然と会ってみようかという流れになった。
そこで“いつものように”実は既婚だと明かされたが、Kさんは構わずに会ったそうだ。
「考えてみれば、別に既婚者でも会うくらいなら問題ないじゃないですか」
自分に言い聞かせるようにKさんが口にしたのを覚えているが、結局この「会ってみてもいいかな」という気の緩みが、道を踏み外す最初の一歩になった。
ドキドキしながら待ち合わせた日、Kさんの前に現れた彼は送ってくれた写真通りの姿で、緊張しながらもしっかりKさんをエスコートしくれて、楽しいランチを過ごした。
アプリでも実際に会っても彼にいい印象を持ったKさんは、それからLINEのIDを交換し、何度か約束して昼間の時間帯に会っていた。
一ヶ月ほどそんな付き合いが続いていたが、
「男の人とふたりきりで過ごすのが久しぶりなせいもあるのですが、楽しくていつも笑顔でいられたんですね。
もっと会いたいなと思うようになって」
と、Kさんのほうから積極的に彼と会うようになった。
ふたりでいるときの様子を聞くと、既婚であることをことさら彼が気になる様子がなかったのも、Kさんのテンションを上げていたのだと思う。
そして、“そのとき”が訪れた。
狙われたのか、あるいは“狙ってもらいたかった”のか
はじめて彼のほうから夜の居酒屋に誘われたとき、Kさんは
「……先に進める、と思いました。
さすがに私のほうからは誘いづらかったし、彼がその気になってくれたのがうれしくて……」
と、昼間の健全なつながりから色気を含んだ夜の時間帯を選んでくれた彼の気持ちを想像したそうだ。
「ええと、“そういうこと”になるって、わかっていたと?」
当時、取材で会ったKさんは、最初こそもじもじと恥じらう様子を見せていたが、話が進むにつれ頬は上気し、目は輝きを帯びて饒舌になっていた。
「はい。
狙ってくれるかな、と。
夜に会うって、そういうサインだったりしません?」
彼が既婚者であること、肉体関係を持てば不倫になることは、おそらくそのときのKさんの頭にはなかっただろう。
消えてはいないとしても、望んだ時点でそんな“下心“は色濃いオーラとなって必ず出る。
そしてそれを見逃さないのが、結婚していながらお酒の入った席に独身女性を誘う既婚男性のリアルなのだ。
Kさんの“願い”は届き、その夜彼とホテルに行った。
不倫関係となってからは、約束の仕方は今までとがらっと変わり、昼でも夜でも彼の空いた時間に誘われて出ていくような状態になった。
>>後編「騙されてるよ」不倫したいわけじゃなかったのに
【注目の記事】
- 「予約がとれないブランディングスタイリスト」が50代女性に向けて提言する「自分をもっと好きになる方法」って?
- 女性の毛髪への新アプローチ「S-DSC毛髪再生医療」とは?「毛の成長を促す起点となる細胞の一つを移植する」治療への期待を専門医に聞きました
- とにかく脚がキレイに見える!【ユニクロ】カーブパンツが話題です【40代の毎日コーデ】
- 形がきれい!合わせて着るだけで上品見えする【ユニクロ】の黒セットアップ【40代の毎日コーデ】
- 【立ったまま1分!骨盤矯正】体のねじれを整えて、垂れ下がったお尻もぷりっと丸く引き上がった【鬼軍曹ゆか様ダイエット】
- 熱中症「頭が痛くなった」はもう危険スレスレ!昨年の倍搬送されている2025年、「この梅雨明けまえがいちばん危ない」これだけの理由【専門家が解説】
- 48歳独身女性、立ち上がろうとした瞬間「あれ??」。このめまい、もしかして「更年期」なのかな?【マンガ100人の更年期R】
- 「まさか、私が乳がんに?」53歳でがん告知。抗がん剤で動けないつらい日々に、私を支えてくれたものとは
- 大人気【ユニクロ】ワイドスウェットパンツ。オシャレな人が購入しているカラーとは【40代の毎日コーデ】
- 「意地でもシミを増やさない」紫外線対策4つのポイント。「日傘だけでは不十分!?」50代美白のカリスマ美容家さきめぐ先生に聞いた
- 技アリ白Tでさりげなくお腹をカムフラージュ。Tシャツインの着こなしに抵抗がある人、必見です【40代の毎日コーデ】
- 【熱中症搬送数激増中】実は6月下旬からの「高湿度」が最も危険!「さぼると熱中症リスク激増」の意外すぎる習慣とは?
- 「私の老化度、本当に54歳ぶんなのかな?」更年期以降は全員が気にしたい「自分の生物学的年齢」を計ってみたら衝撃的すぎる結果に
- 「体温が1℃下がると太りやすくなる」問題が、更年期世代の女性にとって特に深刻なのはなぜか?「お風呂に入る前たった1分でできるヤセ習慣」とは?【石原新菜先生が解説】
- 超激務ヘアメイク藤原美智子さんが「42歳で思い切って変えたこと」その顛末は?「顔も体も片側だけ引き攣った状態になるまで」働いて
- 「更年期のあと」ってどうなりそうですか?54歳コンビが語る「ここまでは冗談みたいにしんどかったけれど」の話
- 43歳、新しい職場で心が折れた。でも、25年ぶりにピアノを弾いたら胸が熱くなって──そこから私の転機が始まった
- 更年期後に「消える症状」と「そのまま残る症状」って?7万人のデータが教えてくれる「更年期の真実と、これからの人生」
- 更年期、どうやって乗り越える?運動、食事、サプリ、そして注目成分「ゲニステイン」まで、更年期の専門医が教えます
- 今の生活が「しんどい」なら「命の前借り」をしている証拠。知らずに「疲れを溜めてしまう」生活習慣とは【医師監修】
- 【徹底検証Hip Fit】はいて1日23分、ながらで使える手軽なヒップトレーニング!SIXPADの女性向けショーツタイプEMSで「ヒップから健康」は叶う?
- 「1年で約6倍」老化スピードが速い人と遅い人、その違いは?美人女医が伝えたい老化を早める3つの原因【医師監修】