セックスに溺れる女性の背景にある心理とは?【40代、50代の性のリアル】#10(後編)
ゆきずりのセックスは自分の女性性の否定だった
40代になったいま、自己肯定感が低いままこれまでを生きてきたとハルカさんは理解している。その原因のひとつに性被害経験があることがわかった。セックスをすれば、そのときだけは肯定感が得られる。だからゆきずりの関係をくり返し、不倫にものめり込んだけど、楽になることはなかった。
「何が原因なのか自分でも何かわからなかった。被害に遭ったことを忘れていたからこれまで生きてこれたのかもしれません。一方で、常に感じていた抑圧の反動でセックスをしていたというのもあると思います。結婚前は、ずっと母から監視されていると感じていました。『こんな娘でいなきゃいけない』と強く思っていて、その窮屈さから逃げるために、ゆきずりのセックスをくり返しました」
「結婚後は、生活のなかで自分で自分を抑圧してきました。夫に稼ぎがないのだから私がなんとかしなきゃというので、いつも必死。でもうまく回らなくて、自己嫌悪に陥る毎日でした。あぁ誰かに寄りかかりたいなぁと思っていたところに現れたのが、不倫の彼だったんですね。つらい現実から目をそらすための手段だったのでしょう」
セックスは相手次第で変わるものだけれど、自分自身が変わればもっと変わる。
ハルカさんはこれまで抱えてきた鬱屈の原因を思い出したばかり。今後その事実をどう受け止め、どう向き合うかによってセックスライフや性に対する考えも変容していくのだろうか。機会があれば、またお話をうかがいたい。
>>次のお話「40代で絶頂を知り、性行為観が変わった」へ(6/13 更新)
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【編集部より】
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