コロナで広がる「不安疲労」って何?だるい、疲れやすい40代50代は要注意【医師に聞く】
「なんだかやる気が出ない……何も楽しめない……ぜんぶコロナのせいだ!!」
そんなミドル女性は多そうですが、実はそれ、“不安疲労”という、けっこう危険な状態かも!?
“不安疲労”を放置していると、常に疲れやすく、免疫⼒まで低下することに加え、⽼化が加速したり、鬱につながってしまう可能性もあるとか。
そんな危険な不安疲労の見分け方と対策を、内分泌・糖尿病専⾨医の久保 明先⽣に伺います。
初耳です!その「不安疲労」って、どんな状態?
「不安疲労」とは、コロナ禍で顕在化した新しいタイプの疲労。
コロナ禍で⽣じる、「何となくだるい」といった⾝体的疲労感と「やる気が出ない」「不安だ」という精神的疲労感が結びついたものだといいます。
特に40~50代女性に多い症状だといわれています。
ドキッ、もしかして私も「不安疲労」?チェックリスト
まずは、久保先生監修の「不安疲労チェックリスト」をチェック。
あなたはいくつあてはまりますか?
1 物に触る度に消毒・⼿洗いをしないと気が済まない
2 誘われても外⾷や⼈通りの多い場所へ⾏くのが怖い
3 掃除の回数が減ってしまった
4 残⾼照会の回数が増えた
5 家族と⼀緒にいるのが苦痛に感じる
6 朝、起きるのに今まで以上に長くかかるようになった
7 未読のメールやLINEが溜まっている
8 睡眠の質や時間に満⾜していない
9 ドラマのストーリーが頭に⼊ってこないことがある
10 旅⾏など楽しんだことを周囲に⾔えない
あてはまる項目が多いほど、不安疲労の傾向が顕著だということ。
6個以上・・・不安疲労のリスク⼤
3〜5個・・・不安疲労のリスク中
0~2個・・・不安疲労のリスク小
心も体も、健康に気をつけているはずなのに…そんな人こそ危ない!
コロナ禍だし、特に気を付けて、規則正しく、健康に前向きに過ごそうと努力しているはずなのに……どうして?
そんな風に思ってしまったあなたこそ、実は“不安疲労”の原因を作ってしまっている可能性があります。
「通常は健康づくりに役立ちそうだと言われている習慣のうち、実は知らないうちに不安疲労を悪化させてしまう残念な⽣活習慣が、けっこうあるんですよ」(久保先生)
コロナ禍で浮き彫りになった「残念な習慣」の代表例はコレ
残念習慣1■アラームで起きる
突然⽿元で⼤きな⾳がなると、反射的に交感神経がオンになり、⼼拍と⾎圧が急上昇。⾃律神経に悪影響を与えてしまうそう。
「夜更かしを控えて早めに寝て、⾃然に起きるのが理想的。⽇光を浴びることで体の機能は⾃然に起きてくれるので、寝室に⽇差しが入る程度にカーテンを少し開けておくのも良いでしょう」(久保先生)
残念習慣2■大量の汗をかく
「ハードな運動で汗をたくさんかくとデトックスできてスッキリするように感じますが、汗から出る体の⽼廃物は、わずか1%以下。汗をかくと爽快感がありますが、疲労が軽減しているわけではありません。むしろ、過度な運動はストレスに繋がります。気持ちよく汗が滲む10分程度の運動にとどめた⽅が良いです。
吐く息を⻑くすることで副交感神経が優位になるので、運動後に意識して吐く呼吸を⻑くするのもいいです」(久保先生)
残念習慣3■昼間、スッキリするまで仮眠をとる
昼間、満⾜するまで仮眠をとってしまって、夜間に眠れなくなってしまうとむしろ疲労がたまってしまいます。仮眠はきっちりと時間を決めて、30分以内に収めるのが効果的です。
残念習慣4■デトックスのための長時間の半身浴
お⾵呂にあまり⻑時間⼊ると、交感神経が優位になって脳が興奮状態に。この状態だとなかなか寝付けないとか。
「リラックスするには、全⾝浴で10分程度、半⾝浴で20分程度に収めることがおススメです。
⼊浴時間が短くても42度以上の熱いお⾵呂は交感神経は活性化させてしまいNG。
寝る1〜2時間前に、40度以下のお⾵呂に⼊ることが疲労感軽減には効果的だといえます」(久保先生)
残念習慣5■睡眠中はエアコンOFF
体本来の機能を維持するには、暑い時に汗をかくことも⼤切。しかし、睡眠中にまで体温調整をしなくてはならなくなると、睡眠の質が低下してしまうそう。
「暑い⽇にはエアコンで室温を快適な⽔準に保つことで、睡眠の質が上がり、朝に感じる疲労感の軽減に繋がります」
残念習慣6■元気を出したいときの肉などのスタミナ料理
精のつくものとして焼き⾁やうなぎなどが⾷べられますが、疲れている時に脂の多いスタミナ料理を⾷べると胃腸に⼤きな負担がかかり、余計に疲れてしまいます。疲れを感じる時には、消化・吸収しやすいおかゆなどを⾷べるように。
残念習慣7■高たんぱく・低糖質を心掛ける
健康やスタイル維持のために、たんぱく質を積極的に摂取して糖質を抑える⼈も多いですが、たんぱく質は腸内の有害菌のエサになります。食べる物がたんぱく質に偏ってしまうのはおすすめできません。
また、糖質を極端にカットすると、腸内の有⽤菌のエサになり糖質に含まれる⾷物繊維が不⾜することで、腸内環境が悪化します。
脳と腸には相関関係があるといわれ、悪化した腸内環境は脳にも悪影響を与えてしまいます。偏食をしないでいろいろなものを摂るべきですが、腸の自律神経を整えるために有効なのは、乳酸菌を豊富に含む発酵⾷品や、⾷物繊維を多く含む食品です。特にパラミロンと呼ばれる食物繊維は、“不安疲労”を軽減させるということがわかっているのでおすすめの食物繊維です。
知らずに“不安疲労”をためていませんでしたか?
ぜひ、自分のNG習慣を見直してみましょう。
お話を聞いたのは…
東海大学医学部客員教授/内分泌・糖尿病専⾨医/医学博⼠
久保 明先⽣
慶應義塾⼤学医学部卒業。予防医療とアンチエイジング医学に取り組む。医療法人財団百葉の会 銀座医院院⻑補佐・⽇本臨床栄養協会副理事⻑。『カリスマ内科医と組み⽴てる DIY健康⼤全』(晶⽂社)他。
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