「たしなみあう」ではありませんよ。「啀み合う」の読み方、知っていますか?
本記事では意外と読めない漢字のクイズを出題します。本記事でご紹介するのは「啀み合う」です。
「啀み合う」の読み方は?
「啀」は「生涯(しょうがい)」の「涯」によく似ています。部首が「氵(さんずい)」ではなく「口(くちへん)」なのが「涯」と異なる点です。「啀」は「涯」と同じく音読みで「ガイ」と読みます。とはいえ「啀み合う」を「がいみあう」と読むことはできません。
また「〜み」の送り仮名から「啀み」を「たしなみ」と読んだ人がいるかもしれませんが、「たしなむ」を漢字で表すと「嗜む」なので、この読みは残念ながら不正解です。
しかし「啀み合う」の意味を知れば、読み方が思い浮かぶかもしれません。
「啀み合う」は
1 動物が互いに吠(ほ)えたりかみついたりする。
2 互いに敵意をもって激しく争う。出典元:小学館 デジタル大辞泉
を意味します。2の例文には「兄弟が啀み合う」が挙げられています。「啀み合う」の意味をふまえて例文を声に出して読んでみると、案外すんなりと読めてしまうかも……?
正解は……
「いがみあう」です。
「啀」は日本漢字能力検定1級に相当する漢字ではありますが、読みはシンプルで
- 音読み ガイ
- 訓読み いが(む)
です。「いがみあう」という言葉を耳にした時、本記事を思い出していただけると幸いです。
「いがむ」と読める他の言葉
「歪む」も「いがむ」と読むことができます。
「歪」にはさまざまな読みがあります。「歪」から始まる以下の言葉はそれぞれなんと読むでしょうか。
- 歪
- 歪み
- 歪む(「いがむ」以外に2つ)
正解は……
- いびつ
- ひずみ
- ひずむ・ゆがむ
です。
「いがむ」は「ゆがむ」の音が変化したもので、意味は「ゆがむ」と同じです。「ひずむ」と「ゆがむ」もほぼ同じ意味を表しますが、辞書で調べてみると
ひず・む
一
1 ゆがんだ形になる。いびつになる。ゆがむ。
2 テレビ・オーディオなどで歪(ひず)みが生じる。
二
1 かがめる。曲げる。
2 苦しめる。責める。ゆが・む
1 物の形が、ねじれたりたわんだりして正しくなくなる。ひずむ。
2 心や行いなどが正しくなくなる。
3 言葉がなまる。出典元:小学館 デジタル大辞泉
と、「ひずむ」「ゆがむ」それぞれでしか表せない表現があることがわかります。
なお「いがむ」は「ゆがむ」と同じと紹介しましたが、「いがむ」でしか表せない表現に“盗む”が挙げられます。ただ、“盗む”の意味で用いられている例文が天保3年(1832)に初めて上演された浄瑠璃「生写朝顔話」の一文なので、現代で用いられることはほぼないと考えられます。
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