子どもがいない人生を「幸せ」にしてくれるものとは?幸福を作る3つの要素
自分の幸せは、自分で決めるものだ。幸せの基準は、人との比較や他人の評価で決めるものではない。自分の価値観で判断してこそ、幸せを感じることができる。
幸せは他人が決めるものではないが、誰が見ても分かりやすい「幸せの形」がある。それは、結婚や出産などのお祝い事だ。「おめでとう」と周りから祝福される出来事は、幸せの象徴である。
人生のなかで結婚・出産の「二大ハッピーイベント」をしていないと、女として幸せではないという人がいるけど、はたして本当にそうなのだろうか。少なくても今の時点では、子どもがいない“おこなしさま”人生も、そんなに悪いものではないと感じている。
子どもがいない老後の幸福度はどれくらい?
「子どもや孫がいないと老後は寂しいわよ」。
未婚・未産の女性が言われがちなことである。いまは仕事や趣味があり、友人もいて寂しいと感じることはないが、老後は寂しく、退屈な時間を過ごすのだろうか。その答えは、自分が老後になってからでないと分からない。
その前に、生涯子どもがいない人生を過ごす“おこなしさま”の先輩方は、どうなのだろう。子どもがいない人は、子どものいる人よりも幸せ度は低いのだろうか。
内閣府の「一人暮らし高齢者に関する意識調査」(平成26年度)では、子どもの有無での幸福感に関する意識調査を行っている。幸福度を「とても幸せ」を10点、「とても不幸」を0点とした場合の調査結果は、子どもがいない人が6.12点、子どもがいる人では6.74点と、子どものいる人の方が若干高い数値になっている。
「自分の生活に満足しているか」の問いに「はい」と答えたのは、子どもがいない人が75.8%、子どもがいる人では79.7%と、子供の有無ではさほど差はない。それよりも、会話の頻度が多く、毎月の収入が多い方が、満足度の数値が高い傾向にある。
子どもの有無で楽しみに違いがあった!
次に「退屈と感じることがよくあったか」との問いで「はい」と答えたのは、子どもがいない人が23.4%、子どもがいる人では23.8%と、ほぼ同じ。子どもの有無を問わず、老後に退屈と感じない人は、全体の約76%になっている。この設問でも子どもの有無より、会話の頻度が多く、毎月の収入が多い方が退屈に感じない傾向がみられた。
興味深かったのは、「外に出て新しい物事をするより、家の中にいるほうが好きか」の問いに、子どもがいない人が44.9%、子どもがいる人では37.58%と、子どもかいない人の方が家の中にいるのが好きな傾向にあること。
これは「現在の楽しみ」に関する同調査でも、子どもの有無での傾向に違いがでている。子どもがいない人は、新聞・雑誌 48.1%、読書 30.9%を、現在の楽しみにあげる人が多い。
子どもがいる人では、仲間と集まったり、おしゃべりをすることや親しい友人、同じ趣味の人との交際が 56.0%、家族との団らん、孫と遊ぶが 25.1%と、人との交流を楽しみにしている割合が高い。
この調査から、子どもがいない“おこなしさま”は、家でまったり読書をしながらの老後生活を楽しんでいるようだ。老後の話なのに、現在とやっていることがあまり変わらない気がする。いまの時点で、家の中での時間を楽しめる人は、老後生活も延長線上で退屈せずに過ごせそうだ。
幸せ度に影響するのは、子どもよりも友?
高齢者の意識調査をみる限り、子どもがいても、いなくても老後の幸福度や退屈さに大差はないことがわかった。調査の結果、子どものいない人生は幸せじゃないとの回答が多かったら、どうしようかと思っていたが安心した。老後は子どもの有無よりも、収入面や日々の会話の方が幸せ度に影響するようだ。
「幸せ」とは、恵まれていて満足できる状態にあること。雨風しのげる家があって、おいしいご飯が食べられて、温かい布団で寝られる。それだけで充分恵まれているし、なにより「健康に勝る幸せなし」。
とはいえ、先立つものがないと老後生活の幸せ度は低くなる。子どもがいない“おこなしさま”の老後を充実した日々にするのは、「お金」と「友」が必要だと改めて感じさせる結果だった。
「お金」「人とのつながり」「健康」は、幸せな老後に欠かせない3本柱だ!
子どもがいない人生は幸せなのか?その答えが意外だった! 【おこなしさまという生き方 Vol.48】
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