#19後編「最高のセフレ」を探す44歳がやっとたどりついた結論とは【40代、50代の性のリアル】

2021.09.13 LOVE

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セックスの相性--それが何を指すかは一旦さておき、すごくいいと思える相手にはそうそう出会えない。理屈では説明できない、生理的な好悪も関係してくる。何より厄介なのは「してみないとわからない」という点だ。

 

横浜市に暮らすサワコさん(44歳)は、細身の身体からは想像もつかないほどのバイタリティでもって、男性遍歴を重ねてきた。

 

当時のことを話すとき、うっすら苦い表情になる。その理由は、誰と会っていくらセックスしても満たされなかったから、そして、その場かぎりのセックスで現実逃避をしても夫とのあいだにできた溝は埋まらなかったから、だろう。

【40代、50代の性のリアル #19後編】

サワコさんのここまでの経緯は前編>>>「してもしても、もっとしたい」44歳女性が出会い系にハマるまで

ついに出会えた。「気づかいのあるセックス」ができる男性

サワコさんとシゲルさんの出会いは、2年ほど前のことになる。出会い系サイトを通して知り合った。

 

「彼は私より4つ年下で、スーツを脱いだらすごくきれいな身体をしていました。性的にタフであることも、どんなプレイが好きかも、あらかじめ聞いていたのでそれなりに期待していたんです。実際してみたら、すごく印象に残るセックスではなかったけど、たしかにタフで、かつ気遣いを見せてくれる。また会ってもいいかなと思ったところ、彼のほうから熱心に次の約束をしてくれたんです」

 

出会い系サイトを通しての出会いには、匿名性がある。伝えられた名前も年齢も職業も家庭環境も、本当のこととはかぎらない。それによって身の安全が守られるととともに、そこで結ばれる関係はとても脆いものになる。

 

出会い系サイトで知り合った彼に、深入りはしたくないけれど

「だから彼には深入りにしないように気をつけました。以前、継続的に会っていい関係を築けていると思っていた男性が急に音信不通になり、奥さんにバレたのかな、いや、交通事故に遭ったのかも……とパニックになりました。そのショックを引きずっていたんですね。シゲルさんだけに絞らず、出会い系サイトで1回かぎりの出会いを繰り返していました」

 

シゲルさんのほうは初対面で、「この女性を自分だけのものにしたい」と思ったという。ここで彼があからさまに独占欲を見せたり、言葉で迫ったりしたら、きっとサワコさんは逃げただろう。彼はそうではなく、セックスを通して、誠実さを示した。セックスが激しさを増し、快感も増幅された。

 

女性にとってのメインディッシュは、挿入ではないということ

「セックスの巧い下手って、小手先の技巧じゃないですよね。そういうのを誇る男性ほど、ひとりよがり。巧い人は、相手の反応を見ながらニーズを拾い上げる……彼も最初からそれができていると感じました。あと、すぐに挿入したがらないのもよかったです。女性からすると、挿入の段階になると、ああゴールが見えた、って思いませんか?」

 

挿入はメインディッシュのように語られがちだが、それは男性的な考え方だ。”前戯”といわれる時間こそが、女性にとってはメインディッシュ。

 

「あなたのことを尊重していますよ、一緒に愉しみたいんですよ、っていうのが伝わってくるんです」

 

夫とのすれ違い、ついに無理やり「されて」しまう

これまで会ってきた男性たちからは、それが感じられなかった。ベッドだけの話ではない。言葉や態度の端々からわかるものだ。

 

残念なことに、サワコさんは夫からもそれを感じたことがない。気づけば夫とはセックスレスになりかかっていた。シゲルさんとの関係が影響していないわけではないが、それよりも、生活を共にする中で失望することが増えたのが原因だ。

 

「欲情しないどころか、嫌悪感すら覚えるようになってしまって。眠るタイミングをずらすなどして避けていたのですが、あるとき無理やり挿入されたんです。私は濡れやすい体質だけど、さすがに濡れるわけがない……痛いッ!! って叫んじゃいました。それから夫が怖くなってしまったんです」

 

いま、このセックスの相性がいい彼を失いたくない

その一方でシゲルさんとの関係はますます充実していく。出会い系サイトでほかの男性と会うのも、やめた。

 

「私がほかの男性ともセックスしていることを彼に伝えていたんですが、すごく傷ついた顔をするんですよね。だったらもうやめよう、と思って。隠れて会うことはできるかもしれないけど、いまや私にとって彼は、替えがきかない存在。つまんないことで彼を失うのはイヤなんです」

 

何をもって「セックスの相性がいい」とするかは人それぞれだが、”したがり”の自分にとことん応えてくれる、同じテンションで愉しめる、お互いを尊重しながらプレイに没頭できる--シゲルさんはサワコさんにとって、これ以上望めないほど「相性がいい」相手といえる。

 

彼とのケンカで、10代の子のようにあわてふためいて気付いた

毎日のようにLINEもしている。些細な行き違いから、ケンカになったこともある。サワコさんは慌てふためいた。

 

「彼からの連絡が途切れたとき、音信不通になった人のことを思い出して、いても立ってもいられなくなり、鬼のようにLINEを送ってしまいました。まるで10代の女の子ですよ。やっと連絡が取れたとき彼のほうから、『いままでの自分だったら、こういうことがあったら関係を断っていたけど、サワコとはそうしたくなかった』と言ってくれたんです」

 

サワコさんとシゲルさんは、ときに衝突するものの、その都度言葉で伝え合っている。「セックスの相性がいい」というとき、身体だけでなく言葉のコミュニケーションも、同じ熱量や質でもってできるということが含まれているのだろう。

 

セックスからはじまった関係で、得たものとは

シゲルさんとのように身体の関係からはじまって、次第にすべてのコミュニケーションが深まる関係もあれば、夫とのように長年生活をともにしながら言葉が通じない相手もいる。

 

皮肉といえば皮肉だが、相性抜群のシゲルさんと出会えただえでも、サワコさんは幸運だと感じている。

 

「最初の婚外セックスから、足掛け6年。ようやく出会えました。最高のセフレだと思っているので、この関係を大切にしていきたいです」

 

【編集部より】

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