ホットクックが便利なだけじゃなくて「美味しく作れる」ワケ【開発秘話#8】
--混ぜることを総合的に実現する…?
例えば同じじゃがいもでも、ポテサラなら潰しますし、肉じゃがなら煮崩してはいけません。しかも投入される食材量は一定ではありません。2人分と4人分、同じ力で混ぜると2人分は煮崩れてしまう。火が通るまでの食材は硬いし、火が通ると柔らかくなります。これを検知しながら調理していますが、制御がものすごく難しい。人間は普段、ものすごい高度な調理をやっています(笑)。
--「なんとなくいい具合に作る」というのが機械だとできないんですね。
煮崩すのはむしろラクで、煮崩さないためにはセンシングのパターンを全部出さないとなりません。当時、開発メンバーは朝から晩まで肉じゃがを作っていました。作ったものがずらりと、煮崩れているものから姿のあるものまで大量に並んでいて、それを試食しながら、これは硬いね、これは味が染みてないねと決めていく日々でした。
--総当りで人がチェックするんですね?
煮物は数値だけでの判断は難しいんです。目で仕上がりの品位を見て、舌で味わい、食感を確認し、断面の浸透率を見てと、人間が細かくチェックします。ホットクックは混ぜながら加熱するため、旨味がいろいろと入ってきます。そのおかげで特に肉じゃがは美味しく仕上がります。
--これが冒頭でも触れた美味しさのヒミツですね。胃が強くないとできない開発です。
そうですね、毎日カレーばっかり食べている期間もありました。でも、無水カレーは大人気で、食べ比べをするからと声をかけるとわらわらと他部門から試食したい人が集まってくるんです。ホットクックの開発って美味しいよね、食べ比べがあったら呼んでねって今でも言われます。食いしん坊が集まって、もっとおいしいメニューを作ろうと頑張りました。
--いくら仕事でも毎日同じものを食べるのは辛くないですか?
そうですね……今回はアイスクリーム機能を搭載したのですが、アイスの試食は嬉しかったです。他部門からも喜んで食べにきてくれました。でも、小型化した上、高速でまぜてもOKにするのは本当に大変でした。高速だと飛び散るので、まぜ技ユニットの動かし方は、色々と工夫しました。
ズバリ、我が家にオススメのサイズはどれですか?迷ったら大きめ?
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