【岩井志麻子】「おうち時間」で気づいてしまった3つのこと

2020.05.05 LIFE

こんだけ生きてきて初めての事態に直面してますが、おかげさまでこれを書いている時点では新型コロナウイルスに感染していません。皆様もどうか引き続き自衛し、闘病し、乗り切りましょう。

 

私はこれらに「生かされていた」

私もテレビやイベントがみんな休止になって、勤めというものは元々してなかったから、ひたすらじっと家の中にいる。だけど今はほんと、スマホやパソコンがあれば外界とつながれるし、インドアに限れば娯楽には不自由しない。

それでしみじみ、医療や衣食住、学校に交通機関といった生きて行く上で絶対に必要なものに生かされてきたことも改めてわかったが、小説、漫画、映画、テレビ、音楽、ゲーム、旅行に遊技場にバー、楽しみで行くレストラン、趣味全般、などなど、なくても生きていけるものにも生かされていたことも噛みしめたわ。

今も部屋で私の小説を読んで下さってる人達もいるわけで、ちゃんと楽しんでもらえる小説を書かなきゃな、と新作に取り組む気持ちにもなれたもの。

 

家で過ごして気づいた「幸せなこと」

あと、元々うちには飼い犬が二匹いたんだけど、こんなべったり一緒に過ごしたことはなかった。こいつらほんと、食べて寝てウンコしてダラダラしているだけなのね。だけど私も同じく、食べて寝てウンコしてダラダラしてるだけ、になってしまって。

それでも犬達は、私にかまってもらうだけでうれしそうなんだわ。そういう私も、犬達がモフモフ可愛いだけで幸せいっぱい。好きな芸能人、憧れの人なんかも、「今、同じ気持ちと生活を共有している」というだけで親近感、連帯感が増すもんね。

 

「夢中になって」気づいたこと

そんな私はもっぱら、VRに夢中になっている。スマホで3D対応の映像を探し、専用のゴーグルにセットして観るんだけど、驚くばかりの臨場感。映像だとわかっていても、悲鳴を上げたり逃げだそうとしたり、思わず手を伸ばしてしまったりする。

自粛期間に入ってから、もう一生分のお化け屋敷とジェットコースターを体験した。

だけどこれ、傍から見れば笑えるだろうね。ゴーグルつけたオバサンが、じたばたドタバタしてたら。特にエロ系のは……本当に、観ている自分を見られたくないわ。

しかし現実でも、店員さんに八つ当たりしたり、行列に割り込んだりする人は、傍から見るととっても無様で滑稽で怖い。その変なゴーグルは外して、ちゃんと現実を見よう。

 

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作家 岩井志麻子

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