こういう人が狙われる。「利用されやすい人」を住職が伝授
愛着は、やましさを産み、人を滅ぼす。
会社を舞台にしても、私生活を舞台にしても、利用されやすい人ってやはりいるようです。
またまた、とても参考になる佐藤優氏の「交渉術」(文春文庫)を読んでいて、やはりそうだったかという確信を得ました。
それはずばり……
やましさを感じると、とたんに他人に相談ができなくなる人。
昔からこの手の事件は多く報じられています。例えば、先日は、テレビ局の記者が暴力団に車の名義貸しをしていたとしてニュースになっていました。
このケースでも、やましさを土台にした人間関係を育てていき、欲しい情報や利益をかすめとっています。
最初は些細なことで恩を売ります。
ここからは本件とは関係ない、私の想像に基づく一般論です。次に、記者の欲しい情報を与えて恩を売ります。食事代くらいとこれも払って記者を帰します。
そして、あるとき「とってもまずいことになった」と記者を呼び出します。その時、同僚ときてもよいし、一人できてもよいと選択肢を与えます。
彼は、迷った挙句、少し不適切な関係になったことで、やましさを感じて、同僚にも上司にも相談せず会いに行くことにします。もちろん、記者という仕事柄、スクープを人に取られたくないという気持ちも作用したことでしょう。
待ち合わせ場所に行ってみると、いつもの関係者が待っています。「いや大したことじゃないんだ」「飲みに行って話そう」と連れて行かれます。
プロの世界では、そのターゲットが利用しやすい人間かどうか、どこで判断しているのでしょうか? それは、一人でくるかどうかだそうです。
ここがポイントで、一人で問題を抱えこんで考えてしまいがちな人、他人にその都度相談できない人は、とても利用されやすいということです。
逆にいえば、相談できないような事案をぶつけてみて、そのターゲットが一人で考え込むタイプかを見ることで、情報をとれる人材か見極めるようです。
この例が会社の中でどうなるかというと…
これを会社の中に置き換えてみましょう。あなたが何か失敗をして、それをある一人の人だけが知っていたとすると、あなたはその人に簡単に利用される可能性があります。よく言われる報告・連絡・相談は自衛手段でもあるのです。
やましさを土台にした人間関係ができあがれば、なかなかそこから抜け出すことはできないのかもしれません。
人の習性は、そう簡単に変わるものではありません。
史記や三国志の時代から、人を利用し利用されながら歴史は動いてきました。そんな中でも、日本は交渉術という点であまり訓練されていないようです。
例えば、物の値段というのは、売り手と買い手の状態によって変化するものです。
諸外国では、子供が安く買えるものも、大人はそれなりに、お金を出さないと恥ずかしいというところもあるようです。
子供が百円で買ったリンゴも、大人には三百円で売るということが普通にあるというのです。
やましさを抱えずにいるということは、正々堂々として、このリンゴを誤魔化さずに三百円で買えることなのかと思わされました。
これからはいろいろ誤魔化さずに上司と相談して乗り切りましょう。それが人に変に利用されない方法なのです。
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